★★★ 2010年8月13日(金) トビタシネマ
導入以降の『ミスト』的世界観は悪くもないが、寄生的クリーチャーな展開に又かとも思わされ、一方で主人公の自己中キャラを凌駕するニンフォマニア女やミリタリー親爺の登場が通り一遍でもないが、終盤は既視感横溢。カルトの1歩手前。(cinemascape)
★★★ 2010年8月13日(金) トビタシネマ
導入以降の『ミスト』的世界観は悪くもないが、寄生的クリーチャーな展開に又かとも思わされ、一方で主人公の自己中キャラを凌駕するニンフォマニア女やミリタリー親爺の登場が通り一遍でもないが、終盤は既視感横溢。カルトの1歩手前。(cinemascape)
★★★ 1985年8月17日(土) SABホール
片隅で育まれた世界が高名な詩人の手で世の脚光を浴びたとしても、幾千数多の脚光を浴びぬ物語もあるという今更感慨を岩下志麻の熱演が皮相にも呼び起こす。無名性こそが欲しかったところだ。中村と相性の良い成島東一郎の不在も決定的に手痛い。(cinemascape)
★★★★ 2010年8月27日(金) テアトル梅田1
乱歩的SM世界へ傾倒せず、制度から解き放たれる女性自立映画としても喰い足りなく、多くのテーマは表層で流されるのに、若松は大して拘らず、節目での字幕化されたラジオ戦況放送でリズムを付与し強引に物語を綴じた。そこに、したたかさを感じる。(cinemascape)
★★★★ 2021年2月13日(土) 大阪ステーションシティシネマ12
見た後で調べたらスザンネ・ピアの「アフター・ウエディング」のリメイクだそうで、未見ですが多分そっちの方が傑作なんやろなと思います。
男性2人が主演だったオリジナルを女性2人に変えている。ジュリアン・ムーアが自分が演じる為に企画・制作したのだから当然と思うし特に違和感もない。でも、男が主役であったら哀しいまでの侠気が表出されていたのだろう。
ある意味これは、トリッキーな作劇のもたらす余韻を噛み締める映画で、その練られた仕掛けは見事なもんで、先入観の転倒がもたらす余韻が感銘を倍化する。まあ、しかしそれはオリジナルから踏襲したものであろうと想定されるのである。
今作の一番の見どころは、ミシェル・ウィリアムスをとことん堪能する映画である点だと言っていいと思います。それは、俺がミシェル・ウィリアムスが好きなのもあるんですが、前半の疑念にかられた忸怩たる状況下での抑えた風情は絶品である。ジュリアン・ムーアのオフィスで2度にわたって繰り返されるミシェルへのワンサイドの抑圧と、その後で頭にきた彼女がエレベーターを使わず階段をヒールを脱いで駆け下りる描写は女性に主役を変えたことを活かしたシーンだと思いました。
ジュリアンの攻めに防戦一方のミシェルだが、その忸怩たる思いに耐え忍ぶ風情が良く、見る者にも理解不能な状況の苛立ちを緩和する。特に2度にわたるヒール脱ぎ捨て階段遁走が女性心理の綾を衝いて素晴らしい。インドでの描写が刹那感を倍化させる。(cinemascape)