男の痰壺

映画の感想中心です

2017-03-08から1日間の記事一覧

64 ロクヨン 後篇

★★★ 2016年6月26日(日) MOVIXあまがさき11 「刑事はそんなことも解んねえのか」との浩市の嗚咽は友和他の頭上を上滑る。映画はそこに収斂するようには仕組まれてない。『砂の器』的な情への浸り方が出来ぬのならいっそ言わせぬ方がいい。機構側の男達の多…

のらくら

★★★ 1975年4月2日(水) 北野劇場 お決まりの浮浪者チャーリーの部分よりアル中ブルジョワに扮した部分の方が笑えるのは、明朗ギャグで最底辺から権力を穿つポーズより権力層内でのヒエラルキーをシニカルに露呈してみせる方が間尺に合ってるからだろう。これ…

牝猫たち

★★★★★ 2017年3月6日(月) シネリーブル梅田4 日活ロマンポルノでなく、今村や浦山が一線で頑張っていたころの映画のよう。 女に対する視線が冷やかそうに見えて、しぶとく探求的なのだ。 3人の女の3様な顛末という図式は陳腐ではあるが、内実が豊穣。 脳…

二重生活

★★★ 2016年6月25日(土) シネリーブル梅田3 透徹された冷えた情感が良い。が、彼女が行為を通し何を得て何を失したかはホテルでの告白でも所詮わからぬ三百代言で長谷川に仮託された爆裂も寸止めで雲散霧消。代わりに付加されたリリー・西田パートの孤独地…

サンチャゴに雨が降る

★★ 1977年10月22日(土) ビック映劇 『アルジェの戦い』に自戒を篭めた仏映画人達の叩き潰された南米左派政権への共振。なのだろうが多分に時流追従めいている。叙情過多のスローモーションの垂れ流しはセンチ過ぎでポリティカルなことの本質から映画を遠ざけ…

お嬢さん

★★★★★ 2017年3月4日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 どんでん返しな構成も吸引力を牽引するのだが、勿論それだけではない。 ①清順仕様かと見紛うキッチュでお下劣な意匠。 ②どこかの国の頭でっかちポルノを嘲笑うかのような具体性をもった濡れ場。 ③…