男の痰壺

映画の感想中心です

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

IT “それ”が見えたら、終わり。

★★★ 2017年12月4日(月) MOVIXあまがさき10 原作は、ずいぶん昔に読んでいるのだが、ほとんど記憶になかった。 ただ、冒頭の弟が失踪する場面はなんとなく覚えている。 キングお得意の細密な環境描写が冴えまくっていたような気がする。 で、この映…

パイレーツ

★★ 2015年9月26日(土) 新世界国際 せっかく序盤でそれなりの悲愴を仕掛けたのにドラマを推進するエモーションがママゴト学芸会レベルでしかないので大振りな仕掛けにもかかわらず退屈極まりない。極めてマニュアル的迎合で埋め尽くされ、見る者は皆笑う気…

シャーロック・ホームズの素敵な挑戦

★★★ 1979年4月22日(日) 大毎地下劇場 反転されたホームズとモリアーティの関係にフロイトを絡ませるという設定のアイデアありきで、それ以上でも以下でもない。一線級のスタッフの仕事は卒がない出来とは思うが、エモーションが物語を推進することは遂ぞ無い…

ビジランテ

★★★★ 2017年12月9日(土) テアトル梅田1 まず、こういう骨太題材をオリジナル脚本から構築した入江監督を頼もしく思う。 日本映画で久しくなかったジャンルだし力作レベルだと思う。 しかし、やはりというか、ちょっとどうかと思う点もチラホラ。 【以下ネ…

夏をゆく人々

★★★★★ 2015年9月14日(月) テアトル梅田1 姉妹にエリセの父権にタヴィアーニの養蜂にアンゲロプロスの失踪にアントニオーニといった具合に痕跡はあるがシネフィル的小賢しさは無い。少女時代の追憶は客体化され十二分に乾いてるが尚情緒的。フェリーニな祝…

怪談

★★ 1979年9月24日(月) 伊丹ローズ劇場 武満徹の音楽を背景にした矢鱈センスの良いタイトルに期待は嫌がおうにも高まったが、「黒髪」で最初はこんなもんだろうと思った矢先「雪女」の美術に撃破され「抱一」の何時終わるとも知れぬ冗長さに止めを刺され最早…

パーティで女の子に話しかけるには

★★ 2017年12月2日(土) 大阪ステーションシティシネマ12 ジョン・キャメロン・ミッチェルの映画の特質と美点というのは、「イノセント」な資質だと思っている。 特に「ヘドウィグ」と「ラビット・ホール」に使用された自身のアニメーションが切なくて俺は…

サンダーボルト

★★★★★ 2015年9月6日(日) プラネットスタジオプラス1 年月を経て褪色するどころか鈍色の古典的風味さえ漂う。極めて寓話的な物語骨子に対して即物的で禍々しい犯行描写と詩情を醸す仰角構図の無為な時間が併存してる。そしてブリッジスの笑みが時代の終焉…

女王蜂

★★ 1978年2月11日(土) 伊丹ローズ劇場 出涸らし感が半端ない。元々3本で遣り尽して止めるつもりだったのに客が来るからもう1本…大体そいうのにロクなものはない。プリプロ段階のキャスティングの話題が先行し役者も演出も本篇では超マンネリ。唯一の起爆剤…

密偵

★★★ 2017年11月23日(木) シネリーブル梅田2 敵に与する男と、敵に抗する男の確執。 やがて生ずる友情とシンパシー。 といったノワールな骨子は良い。 のだが、どうも一直線に行かない。 互いが腹に一物の飲み明かしでベロ酔いになったふりで、別れた途端…

ピース オブ ケイク

★★★★★ 2015年9月19日(土) 梅田ブルグ7シアター3 酔ってユルユルになる男願望が多少入ってるにせよこの多部ちゃんは全存在で等身大の女を具現化して圧倒的だ。足掻いてもがいて駆け抜ける様は「ガールズ・オン・ザ・ラン」であり峯田が世界をきっちりサポ…

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け

★★★ 1978年3月17日(金) アサヒシネマ 重心を2つ持たせて成功した例もある(『知床慕情』)ので一概に言えないが、宇野重吉が立ちすぎて太地喜和子のキャラが霞む。そして、霞むには惜しすぎるキャラなもんだから重吉翁が鬱陶しくさえ思えてくる。 (cinemasc…

KUBO クボ 二本の弦の秘密

★★★★★ 2017年12月5日(火) 梅田ブルク7シアター2 道中を共にするサルとクワガタ男が何者かと知れたときに、映画は一変した。 いや、そこまでも十分に楽しめる出来ではあった。 だが、3種の神器ならぬ武具を求めての旅路は映画の骨法としてはあまりにオー…

さよなら、人類

★★★★★ 2015年9月14日(月) シネリーブル梅田3 狙ってスベるカウリスマキチック手法と美術や世界へ拘泥するタチ文体が一見嫌らしいのだが、ミニマム世界の下世話なコント集が何時しか国王の挿話あたりから時空を超えた挙句に計り知れない終末地獄を垣間見せ…

ビッグ・ウェンズデー

★★ 1979年8月19日(日) ビック映劇 徴兵拒否するにせよ酒に溺れるにせよそうなる真摯さが感じられず平々凡々たる微温ドラマがだるい。結果ノスタルジーという代物に為し崩しに寄りかかるしか求心力を維持できない。しかも伝説と称されるものがCGの無い時代…

ジュリーと恋と靴工場

★★★★ 2017年11月23日(木) MOVIXあまがさき8 要所、要所で岐路に立った彼女は判断し行動するが、決断が明快で早い。 短慮というのではなく、十分に考えた選択らしくで尚早いのだ。 そこが気持ちいい。 したがって、スト騒動になんて関心がないが、い…