男の痰壺

映画の感想中心です

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

しあわせへのまわり道

★★★★ 2016年2月27日(土) パルシネマ 熟年期も終わり近いツンデレ男女の徐々に融解しゆく心の肌理を描くが、2人とも何だかんだいって可愛いく笑える。キングスレーのピンクターバンが厳格の下のハートマークを表象。でも現実はそんなには上手くいかないの…

青春の殺人者

★★★★ 1977年3月18日(金) 阪急文化 1977年11月13日(日) 伊丹ローズ劇場 多分、大島組田村孟脚本はモラトリアムに生き何も成就できず且つ、親達の溺愛に窒息しかかる子供の衝動的解放を弁証的に問うた筈だが、今村直伝の長谷川演出は、ひたすらな細部の精緻さ…

ある決闘 セントヘレナの掟

★★★★ 2017年6月10日(土) 梅田ブルク7シアター3 「地獄の黙示録」に準える向きも多いみたいだが、確かに、このウディ・ハレルソンは一筋縄ではいかないキャラ付。 大上段に邪教の導師的に鷹揚とも言える裁量を見せるが、しかし基本、私欲が行動原理に思え…

技術者たち

★★ 2016年3月12日(土) 新世界国際 ジャンルの形骸的継ぎ接ぎでしかないし哀しいくらいにライト。韓国映画の魅力であるしつこさが見られずスカスカに流れていくだけ。主演のウビンは悦に入って大見得を切ってるが守備範囲は狭そう。ターゲットの特異性だけ…

パニック・イン・スタジアム

★★★ 1977年3月23日(水) 阪急会館 ことが始まるまでに延々と続くルーティーンな主要人物紹介が凡庸だが、狙撃犯を一種の厄災として描いたのが新鮮。70年代パニック映画の顔ヘストンに対して配されたカサベテスが絶妙のクールさでいい。断ち切って投げ出した…

夜に生きる

★★★ 2017年6月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 ものすごく、とっ散らかった物語だ。 大体、この主人公、もひとつ背骨が通っていない。 俺は指図を受けたくねえと言いつつ、あっちの親分こっちの親分と蝙蝠よろしく行ったり来たり。 悪いことしまく…

日本橋

★★★ 2016年2月28日(日) シネヌーヴォ ドン詰まりの片想いが狂気にまで至るドロドロ展開は市川の嗜好と真逆。それでも一応は物語を成立させようとはしてるが、さらっと系の淡島では情念の業が出し切れない。蛆虫食いの没落商人や托鉢僧となった教授といった…

恋人岬

★ 1977年5月1日(日) ダイニチ伊丹 余りに大時代且つ濃すぎる展開は今となってはギャグとして見ればオモロイかもしれない。清順みたいなハッタリ親爺が手掛ければ諧謔味もあるかも知れんが生真面目な西川克己ではシャレにもならない…と当時は思ったか思わんか…

LOGAN ローガン

★★★ 2017年6月4日(日) MOVIXあまがさき9 よいよいになったウルヴァリンと要介護老人化したプロフェッサーX。 設定だけみればパロディすれすれだが、一方でものすごく魅力的だ。 見たいと思わせる。 篇中、随所でウルヴァリンはプロフェッサーを抱き…

エヴェレスト 神々の山嶺

★★★ 2016年3月13日(日)MOVIXあまがさき2 南西壁・冬季・無酸素・単独と岡田が物々しく宣う不可能ごとが、とどのつまりモノローグな夢枕獏節でしか表現されないのが日本映画のジャンル限界なのだろう。穴を言い出せば切りないが傍観的語り部に徹すべき男を…

バリー・リンドン

★★★★★ 1977年7月10日(日) ビック映劇 物語は方便に過ぎず、役者は単なる装置である。兎にも角にもロケハンと衣装とメイクを含めた映画美術と臨界超えF値による幽玄の室内と観光的薄さと対極の歴史を内包する屋外の光。それら技術への過度の傾倒が周回した挙…

★★ 2017年6月1日(木) 梅田ブルク7シアター3 やはり河瀬直美に何かを期待してはダメだった。 珠玉のラブストーリーと惹句にあるのだが、どこがやねん。 冒頭、男と女の最悪の出会いがある。 女は男に強烈な悪感情を抱く。 まあ、ラブストーリーでは常套な…

マネー・ショート 華麗なる大逆転

★★★★ 2016年3月9日(水) TOHOシネマズ梅田2 カレルの調査チームが目の当たりにするサブプライムの最川下の荒廃した宅地や業者とか格付け会社の似非権威の実態が講談的だ。リスクを負ったのだから世界が崩壊して俺が設けて何悪いくらいに開き直って欲しい。…

十戒

★★★ 1974年9月8日(日) 伊丹グリーン劇場 義兄弟間の確執は解っても所詮はユダヤの本質は理解し難い。半分が俺第一の10戒律の独自裁量で上げ下げされるヘブライ人はいい面の皮だ。見た当時はひたすら紅海が割れるシーンのみ待ち続けたが今見たら多分エキス…

肉体の門

★★★ 2017年5月20日(土) シネヌーヴォ 冒頭で戦後の闇市界隈の混沌がスローモーションで捉えらえる。 今風だし、清順のそういう描法は見たことなく何が出てくるかの期待が高まる。 でも、結局は何も出てこない。 女同士のコミューンの諍いが描かれるが、下…