男の痰壺

映画の感想中心です

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

四十挺の拳銃

★★★ 2016年1月9日(土) プラネットスタジオプラス1 男たちの能天気な入浴シーンや何故かの歌曲挿入の何も考えてなさ気の天然の一方、棄てられ男の顛末やラストガンファイトの容赦の無い残虐嗜好。その混在にどうにも性格分裂気味の居心地の悪さがある。4…

ディア・ハンター

★★★★ 1980年2月29日(金) フェスティバルホール 青から緑へ、静寂から狂騒へとの鮮やか過ぎる転調の基底には狂気が通低する。 ベトナムは彼らの運命を狂わせたか?潜んだ狂気が表面化しただけだ。圧殺の移民史 の反アメリカ賛歌。(cinemascape) kenironkun.ha…

いぬむこいり

★★★ 2017年7月29日(土) 第七藝術劇場 この監督の「アジアの純真」って映画を何年か前に観たとき一種の覚悟のようなものを感じた。 平和な日本で安穏と暮らす緩んだ感覚を撃たれた気がした。 4時間、2,500円って普通なら俺は見に行かない。 「ハッピ…

コンフェッション 友の告白

★★★★ 2016年1月23日(土) 新世界国際 韓国映画にありがちな浪花節的少年時代からの腐れ縁ものだが、一筋縄でいかないグレーな感情を錯綜させ相当に深遠である。加えて聴覚障害の妻や闇金ヤクザや保険内部調査員や汚職刑事とかの傍系キャラが豊富で肉付けも…

男はつらいよ 葛飾立志篇

★★★ 1978年3月17日(金) アサヒシネマ 1992年8月9日(日) 日劇会館 シリーズで再三サブテーマのように取り上げられる「教育」が決して教条的にならないのが山田の上手いとこだと思う。中年勉強バカ同士の恋を描いて本線から離脱ぎみだが小林桂樹が巧く飽きない…

東京喰種 トーキョーグール

★★★ 2017年7月30日(日) MOVIXあまがさき6 原作未読というより読むこともないだろうと思う。 俺は「寄生獣」という映画を評価してるのだが、あれと構造は似通っている。 ①半獣身となった少年が主人公である。 ②獣の側にコミュニティがある の2点だが…

母と暮せば

★★★★★ 2016年1月27日(水) 大阪ステーションシティシネマ7 受け専小百合の芸歴を総括するリアクション芝居の細緻な達成度に瞠目した。冥界と現世を揺らめく彼女が駄々っ子悪魔をなだめたしなめ唯一の心残りの黒木の行く末を見定め安堵する。何という高潔な…

フロント・ページ

★★★★ 1977年5月29日(日) SABホール 1983年5月7日(土) SABホール 終焉の気配が立ち込める夜間シーンの連続を蛍光灯等の画面内光源で処理した撮影が安くも味わい深く今更のスラプスティック風味のコマ落とし等も許せるのは、監督・主演の高齢トリオが醸…

ふたりの旅路

★★★★ 2017年7月29日(土) 第七藝術劇場 異郷の地で自分を見つめなおす。 内省的で真摯で静謐。 「24時間の情事」 「ロスト・イン・トランスレーション」 といった映画の逆バージョン。 そんなに期待もしてなかったが、予想外の出来に驚いた。 全篇、全カ…