男の痰壺

映画の感想中心です

2018-03-19から1日間の記事一覧

真夜中のゆりかご

★★★★★ 2015年6月9日(火) 大阪ステーションシティシネマ7 汚濁の中にも希望の光は存在し平穏な日常下には絶望地獄へのとば口が雌伏する。明らさまな2項対立だがそれを感じさせぬ作劇の妙がある。母親と子どもの関係性への生理レベルでの言及が女性ならで…

サイレント・パートナー

★★★ 1980年11月26日(水) 毎日文化ホール サイコなパラノイアと小心な真面目男という構図は何時しか崩れ小心者はけっこう大胆になっていく。その変化を脚本は巧くは衝いてないので何処か大味。確かにクリストファー・プラマーは相当に不気味だが『殺しのドレ…

競泳選手ジャン・タリス

★★★ 2018年3月17日(土) プラネットスタジオプラス1 夭折の天才ジャン・ヴィゴの初期短篇というか、何やろか今で言うPR映画か…。 でも、彼の速さの秘密を究明する。 とか、彼のお茶目なキャラをフィーチャーする。 また、彼の強さで国民を鼓舞する。 …とか…

やさしい女

★★★★ 2015年6月9日(火) シネリーブル梅田1 女ってのはわけわからんという詠嘆を醒めた諦観で語るのと、現在進行形のパリの景観が関係性の怜悧を抱擁するかのような柔らかな情緒を帯びる点で『白夜』と好対を為す。しかも結局の底意は不寛容であり、そこは…

世界崩壊の序曲

★ 1980年12月9日(火) 伊丹ローズ劇場 島の火山が噴火するだけだってのに「世界の終わり」とは腹が立つを通り越し山師アレンのハッタリに畏敬の念すら覚えてしまう。しかし、そこに「序曲」とつけざるを得ない配給業者の良心の呵責。その苦渋の選択に一抹の希…

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

★★★★ 2018年3月17日(土) シネリーブル梅田1 前作「ロブスター」は設定自体が捻りまくったものだったのだが、今作はそうではない。 ストーリーのみ見れば、これは至極まっとうなオカルト映画だ。 医療ミスってのも、恨まれる経緯としては在り来たり。 その…

自然の歴史(組曲)

★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ 生きとし生けるものは、魚貝から人体までじっくり見ると須らく気持ち悪いことを生体・死体織り交ぜて再確認させるのだが、しかし、結局は物喰う口の租借ほど摂理に従順で恥知らずな行為は無いという人間嫌いのアイロニ…

曽根崎心中

★★★★ 1979年2月10日(土) 伊丹ローズ劇場 浄瑠璃言葉をハイで一本調子な木訥さで朗ずる2人。怨み節を思い詰めた目力に昇華させた梶芽衣子が一世一代の美しさで宇崎竜童の一生懸命のヘタレと絶妙な噛み具合。左・橋本・井川のサポートも強固極まりない。(cine…

どこでもない,ここしかない

★★★ 2018年3月18日(日) 梅田ブルク7シアター3 先月末のことなのだが、所用があってプラネットスタジオに行った。 事務所でT氏と話していたとき、となりの映写室でゴソゴソ音がして、男が姿を現した。 俺は一瞬、ロッチの中岡や!と驚いたのであったが、…