男の痰壺

映画の感想中心です

2018-09-09から1日間の記事一覧

白痴

★★ 2014年11月9日(日) シネヌーヴォ フィルムを切られた不運より、この地に足のつかぬ大芝居の小っ恥かしさを4時間見せられずに済んだ幸運を味わいつつ観た。胡散臭い白痴森が照射する汚濁は好演する原節子から一応は透けてきそうな気がするが凡庸で退屈…

赫い髪の女

★★★ 1980年8月22日(金) 毎日ホール 過去になぞ興味無く未来なんてどうでもいい…と言うのは解る。性欲世界に埋没していきそうに見えて、しかし結構リアルな生活者であったりする。その匙加減の問題なのだと思うが生活臭のある台詞から、かえって作意が垣間見…

逆噴射家族

★★★★ 2018年9月9日(日) シネヌーヴォ あー…やっぱ今更見る映画じゃなかったかも。 と見始めて、そんなことを思ったりもした。 色褪せ感というか救い難いズレ感が横溢する。 ATG大全集という企画で見たのだが、むしろ製作に長谷川和彦と高橋伴明がクレジッ…

紙の月

★★★★ 2014年11月16日(日) MOVIXあまがさき6 境界を踏み越えてしまう女心が十全に描かれぬのは良しとしても、どうにもりえの疲弊が出すぎて痛々しい。だから単なるバカ女に見えてしまう。一方、相変わらず演出はキザで随所で小粋な画をみせるのは一応…

奇跡の人

★★ 1980年10月26日(日) 伊丹グリーン劇場 怜悧なモノクロで繰り広げられた血の滲むような激闘史は弛緩したカラーでの縮小再生産で凡庸化。ヘレン役メリッサは頑張ってるのだろうが所詮は伝統芸の通過儀礼に過ぎない。世界の拡張を表現する演出上の気概も欠如…

小間使

★★★ 2018年9月8日(土) プラネットスタジオプラスワン ルビッチの遺作らしいが、世界は狭い。 小ネタが振られるが、正直おもしろくない。 まあ、これは個人のアンテナの問題で、俺はこの時期の例えばキャプラなんかも性に合わないのです。 旧弊を重んじる社…

インターステラー

★★★★ 2014年11月22日(土) 梅田ブルク7シアター7 尺を費やした親子の絆を水の惑星のエピソードでものの見事に断ち切る意外性は後段の未だ見ぬ地平への期待を弥増させるのだが、周回しての落し所はそこかという万人の安心ラインが失望だ。絵面は多少『オブ…

シベールの日曜日

★★★★★ 1980年9月2日(火) 梅田コマシルバー 少年大人顔のクリューガーと大人少女顔ゴッジの2人が超絶に後向きな物語の片隅感を弥増させる。その背徳すれすれの世界にドカエカメラがワンショット毎に宝石を磨き上げるが如く精緻な技巧を弄して詩情と死臭を加…