男の痰壺

映画の感想中心です

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小野寺の弟 小野寺の姉

★★★ 2014年10月25日(土) MOVIXあまがさき7 彼女の心を斟酌できぬ遮眼帯弟と同タイプ男に翻弄される姉という閉じた世界の救われなさに本気で向き合うことなく流され已む無しとするのは映画処女作としてこの監督どうなのよと思う。表現的にも見所も無…

ねえ!キスしてよ

★★★★★ 1980年8月8日(金) 毎日文化ホール 計り知れないコード横溢の時代に間隙を縫ったキワキワ感がソソる。インモラリストワイルダーのチャレンジ精神の歪な輝き。ウォルストンの地味さが徒花に徹したノヴァクを輝かせる皮肉。代役の代役マーティンの当たり…

1987、ある闘いの真実

★★★ 2018年9月27日(木) シネマート心斎橋1 ナ・ホンジンの2作(「チェイサー」「哀しき獣」)で主演をつとめたキム・ユンソクとハ・ジョンウの3度目の対峙作。 なんて見方は、本質からずれているのだろう。 それでも、この中盤でほとんど消える検事のジ…

タイタンの戦い

★★ 2014年10月19日(日) トビタシネマ ガキの喧嘩にしか見えない神々VS神々VS人間の諍いの底浅が舐められた感を煽り立て不快だ。『シンドラー』俳優2人の対峙はギャグにさえ成り損ねる。巨大サソリと蛇女とタコ怪獣出しときゃ充分やろ的製作者の高慢は…

刑事マルティン・ベック

★★★ 1980年11月26日(水) 毎日文化ホール エモーションは日常に埋没しヒロイズムはもとより存在しない。それでも事件は起こるし、刑事たちは黙々と捜査をすすめる。低温なのにニヒリズム無縁の世界からは謳われるべき情念は滾れ落ちる。この無為性は悪くもな…

響 HIBIKI

★★★★★ 2018年9月23日(日) MOVIXあまがさき1 月川翔という監督の「君の膵臓をたべたい」は見てるが、正直、凡庸な印象しかなかった。 でも、これは見違えるように良い。 差釣りが鍋島淳裕に変わったのが大きかったと思う。 持てる者と持たざる者の話…

清水港の名物男 遠州森の石松

★★★★★ 2014年10月11日(土) 新世界東映 「恋する」ことの喜びを全篇むしゃぶり尽す展開で、これを明朗な錦之助口跡で謳いあげられる嫌味無さが心地よい。花街一夜の翌朝の猿芝居な至芸。近江での志村一世一代の名演。長谷川裕見子鉄火肌の点睛。マキノ流山…

無防備都市

★★★ 1980年8月31日(日) SABホール 作り込んだと思しきドラマトゥルギーはアンナ・マニヤーニのシーンを除くと実は発露にさえ至っていない。解放直後のエモーションとリアルな風景と制約から生じた既存文法の破壊。それらは戦略的に付与されたものではなか…

ザ・プレデター

★★★★ 2018年9月18日(火) 梅田ブルク7シアター3 なんやろかね、これは。 って言うのはジャンル映画としての評価が低いのはわかる気がするからだ。 そもそも、俺はプレデターって映画館で見たのは「エイリアンVSプレデター」のみですから。 (初作はTV…

イコライザー

★★★★ 2014年11月6日(木) 大阪ステーションシティシネマ11 全ての男どもが思い描く夢の最大公約数を具現化するに全く躊躇せず工芸品を愛しむように丹念に磨き上げられた世界。この微妙な過剰さの匙加減がフークワの特質だろう。終盤のそこまでいっちゃう…

ロッキー2

★★★★ 1980年9月22日(月) 伊丹グリーン劇場 初作の成功を受けつつも未だ清新な気持ちを保ちつつで望んだであろう本作。どん底の寂寥感は消失したが予算は増えて終局へのカタルシスは倍加した。ファイトシーンの圧倒的質量感。スタローン御自らの演出も過不足…

愛しのアイリーン

★★★★ 2018年9月17日(月) 大阪ステーションシティシネマ5 原作未読…っちゅうか、ここ20年くらい漫画読んでません。 であるから、この展開の転がり方に驚いた。 吉田恵輔監督の「ヒメアノ~ル」の印象があって、狂気の予断があったのかもしれない。 確か…

ニンフォマニアック vol.2

★★★ 2014年11月6日(木) テアトル梅田1 大風呂敷を広げた挙句、結局はありふれた物語性に帰依するしかないという馬脚を現した。白黒・SMと、らしいネタを点描してみせるのだが一応の域を出るものでもない。トリアーは病気なのかもしれぬが変態ではないの…

港町紳士録

★★ 1979年8月4日(土) ダイニチ伊丹 衝動も激情も悲嘆も全て「人情」世界の微温で塗り固める松竹伝統の呪縛に捕らわれ毒にも薬にもならないヘタレ作を連作した70年代『男はつらいよ』併映作の中では捻らず直線構造な分マシな方かもしれない。吉幾三がアクが…

幌馬車

★★★★ 2018年9月16日(日) プラネットスタジオプラスワン ジョン・フォードが自作で1番気に入ってると言ったとかっていうことだ。 それにしては、単線構造の小品なのだが、確かにエキスの結晶のようなもんとも言える。 主演の2人が出会うのが、 モルモン教…

レッド・ファミリー

★★★★ 2014年11月6日(木) テアトル梅田2 南の物質文化に感化されるパターンの米国的価値基準に転びそうになりつつ寸でのとこで躱す繰り返しなのだが、やがて、腐れ嫁基準で回る南のダメファミリーさえ一生見果てぬ羨望であることの北の現実を思い知る。温…

華麗なる一族

★★★★ 1981年7月31日(金) 湊川温泉劇場 大時代な紙芝居たることを自己認識しつつも軽重数多の役者陣を自在に操って紡ぎ上げた文字通りのピカレスク。山本の作劇は闊達そのもで、冷静に考えたら馬鹿らしいと思うだろう隙を時代認識の先鋭さで覆い一瞬たりとも…

SUNNY 強い気持ち・強い愛

★★★★★ 2018年9月12日(水) 大阪ステーションシティシネマ6 韓国版オリジナルも見ているが、佳作だと思った覚えがある。 その日本版リメイクとくれば、昨年の「22年目の告白」がてんで劣ったように見えた苦い思い。 そういうのがあって、さして見る気にも…

白痴

★★ 2014年11月9日(日) シネヌーヴォ フィルムを切られた不運より、この地に足のつかぬ大芝居の小っ恥かしさを4時間見せられずに済んだ幸運を味わいつつ観た。胡散臭い白痴森が照射する汚濁は好演する原節子から一応は透けてきそうな気がするが凡庸で退屈…

赫い髪の女

★★★ 1980年8月22日(金) 毎日ホール 過去になぞ興味無く未来なんてどうでもいい…と言うのは解る。性欲世界に埋没していきそうに見えて、しかし結構リアルな生活者であったりする。その匙加減の問題なのだと思うが生活臭のある台詞から、かえって作意が垣間見…

逆噴射家族

★★★★ 2018年9月9日(日) シネヌーヴォ あー…やっぱ今更見る映画じゃなかったかも。 と見始めて、そんなことを思ったりもした。 色褪せ感というか救い難いズレ感が横溢する。 ATG大全集という企画で見たのだが、むしろ製作に長谷川和彦と高橋伴明がクレジッ…

紙の月

★★★★ 2014年11月16日(日) MOVIXあまがさき6 境界を踏み越えてしまう女心が十全に描かれぬのは良しとしても、どうにもりえの疲弊が出すぎて痛々しい。だから単なるバカ女に見えてしまう。一方、相変わらず演出はキザで随所で小粋な画をみせるのは一応…

奇跡の人

★★ 1980年10月26日(日) 伊丹グリーン劇場 怜悧なモノクロで繰り広げられた血の滲むような激闘史は弛緩したカラーでの縮小再生産で凡庸化。ヘレン役メリッサは頑張ってるのだろうが所詮は伝統芸の通過儀礼に過ぎない。世界の拡張を表現する演出上の気概も欠如…

小間使

★★★ 2018年9月8日(土) プラネットスタジオプラスワン ルビッチの遺作らしいが、世界は狭い。 小ネタが振られるが、正直おもしろくない。 まあ、これは個人のアンテナの問題で、俺はこの時期の例えばキャプラなんかも性に合わないのです。 旧弊を重んじる社…

インターステラー

★★★★ 2014年11月22日(土) 梅田ブルク7シアター7 尺を費やした親子の絆を水の惑星のエピソードでものの見事に断ち切る意外性は後段の未だ見ぬ地平への期待を弥増させるのだが、周回しての落し所はそこかという万人の安心ラインが失望だ。絵面は多少『オブ…

シベールの日曜日

★★★★★ 1980年9月2日(火) 梅田コマシルバー 少年大人顔のクリューガーと大人少女顔ゴッジの2人が超絶に後向きな物語の片隅感を弥増させる。その背徳すれすれの世界にドカエカメラがワンショット毎に宝石を磨き上げるが如く精緻な技巧を弄して詩情と死臭を加…

泣き虫しょったんの奇跡

★★★★ 2018年9月8日(土) TOHOシネマズ梅田4 らしくない映画やなと思ったら豊田利晃は奨励会出身のバリバリの棋士出身だそうな。 本当に意外であって、石井岳龍の次世代のパンキッシュ映画の担い手という印象があったから。 だって、平気で新井浩文を直…

日々ロック

★★★★ 2014年11月22日(土) 大阪ステーションシティシネマ3 お姫様をめぐる3馬鹿トリオはたのきん映画みたいなベタさであるが、ウザさ臨界線上な野村の演技がそれでも取り敢えずの強度を映画に付与し物語を強引に牽引した挙句のクライマックスは爆裂的だ。…

父よ母よ!

★★ 1980年9月26日(金) 伊丹ローズ劇場 結局、親が悪いのだという単視眼的な見解しか持ち得ないのが限界と思うが、それ以前に80年代バブルのとば口の時世と乖離しまくりの年寄りの描いた妄想の若者群像は見てても木っ恥ずかしい。自己の懐旧的な想いに内省…

判決、ふたつの希望

★★★★ 2018年9月8日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 あまりに短気すぎるやろってところに違和感がある。 これでは、諍いの根底に根ざす民族的な問題がフィーチャーされる前に個人の特殊性に起因することになる。 と、見始めた当初は感じたのだが展開が…