男の痰壺

映画の感想中心です

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

バイオハザードⅤ リトリビューション

★★ 2013年7月27日(土) トビタシネマ 脳内で構築された世界に屋上屋を重ね、もはや余人の与り知らぬ妄想世界に突入。それが、斬新ならともかく、過去作のキャラ総動員的なアイデア枯渇展開とあった日にゃあ目も当てられない。大体ミラ始めド素人連中が決め…

ヨコハマBJブルース

★★★★ 1981年6月3日(水) トーエイ伊丹 優作の思い込みが高結晶化し日本映画に馴染まないチャンドラー的乾いたハードボイルドを現出させた。物語に大した意味など全く求めぬ中、同類項裕也と浸りきって演じる2ショットはスゲーの一言。全篇スタイリッシュで格…

最前線

★★★ 2019年10月20日(日) プラネットスタジオプラス1 低予算の小隊ものの戦争映画って山ほど作られてきたんやろうな。 とは思うが、第二次大戦を舞台としたものが主で、不思議とベトナム戦争や中東の戦争が舞台になるとあまりないように思う。 そうでもな…

ウルヴァリン SAMURAI

★★★ 2013年9月15日(日) MOVIXあまがさき7 葬儀場から新幹線を経て長崎に至るシークェンス。四つ巴のチェイスが縦横の錯綜を絡めつつ移動する佳境なのだが、マンゴールド演出が、どうにも理詰めのキレを欠きいただけない。で、他は正直どうでもいい。…

アナザ・サイド

★★★★ 1981年6月14日(日) 夕鶴小ホール 1982年11月2日(火) 関西学院大学1号別館1号教室 当時の自主映画界の少女趣味とパロディとエログロの三角形の内部で形成された真摯過ぎるまでの内省的な本物志向に心撃たれた。学生服で宵闇の街角をそぞろ歩く葬式帰り…

アド・アストラ

★★★★★ 2019年10月21日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 これは一目瞭然なのだが、「地獄の黙示録」かその元ネタの「闇の奥」の劣化版のSFへの置換だと思う。 何故に劣化版かっていうと、まあ大山鳴動して鼠一匹どころかなーんにも出てきませんでしたっ…

臨場 劇場版

★★★ 2013年8月17日(土) トビタ東映 内野のモッサリ喋りが、それなりの味わいではあるが、構造が複線的でズレ感が拭えない。平田の諦念に隠された怨念や若村の遣り切れなさに足掻く悔悟は爺いの末期の正義感より傍扱いかと思ってしまう。商店街のシャッター…

詩人の血

★★ 1981年6月14日(日) SABホール 例えばメリエスの『月世界旅行』に違和感を感じず本作に感じるとするなら、全ては技術との調和の問題なのだ。コクトーの描きたいものにシンパシーは感じないが映像表現者として意識レベルだけは時代の先を行きすぎていた…

ジョン・ウィック パラベラム

★★★ 2019年10月18日(金) 梅田ブルク7シアター11 始まってから30分ほどは、このシリーズも遂に、ある種の頂に到達したんやなあという感慨をもって見ていた。 物語は、渦中から始まりノンストップであります。そして、出ました!100人斬りってなわけ…

そして父になる

★★★★★ 2013年9月29日(日) MOVIXあまがさき6 1人の父親の子どもとの或いは社会との親和性の喪失と再構築の物語で、極限化された快楽システムに疑問を呈し、時には自壊する必要性を問うている。それだから終盤の父子の移動シーンは複層的に涙なしには…

惑星ソラリス

★★★ 1979年3月21日(水) SABホール 1984年1月5日(木) SABホール SFと言う意匠を纏ったからにはどうしてもそれなりのエフェクトを期待してしまうので、ステーションの厚みのないセット美術やソラリスの表層的な海面の造形が喪失を描きたいタルコフスキ…

都会の叫び

★★★★ 2019年10月20日(日) プラネットスタジオプラス1 警官殺しで自分も重傷を負ったリチャード・コンテを病院にヴィクター・マチュアの警官が訪れるシーンから始まるのだが、もうひとつの老婆強盗殺人事件の嫌疑を彼にかけていて、というけっこう複雑なプ…

SAFE セイフ

★★★★ 2013年7月27日(土) トビタシネマ ロシアや中国のマフィアに拮抗する3枚目のカードが汚職警官ってのが新味で三つ巴の混沌感をいや増させている。とにかく殺戮への躊躇がなく好テンポで、アクション演出に於ける手持ち長廻しとズームダウンが高度に意…

悪人志願

★ 1981年6月20日(土) 今津文化 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 被嗜虐の果ての抵抗を描くに対立項として擁立された炎加世子が感情のない抽象概念の産物にしか見えないのが弱い。おかげで全てのドラマトゥルギーは形骸化しており見ててむず痒…

蜜蜂と遠雷

★★★★★ 2019年10月17日(木) 大阪ステーションシティシネマ11 原作未読だが、物語を語るに妥協しないし、骨子がブレない頑強さを感じた。 言わばこれは、3人の天才たちの数日間の物語なのであるが、彼らは社会から孤絶することに何の疑問も持たないし、そ…

パリの恋人

★★★★ 2013年10月6日(日) MOVIXあまがさき2 序盤はもたついてるが、場がパリに移ってからの多幸的躍動感は素晴らしく、オードリーも茶目っけ満載のオーラを発散し、アステア&トンプソンの老練実力者と好コラボを形成している。廉価版『マイ・フェア…

アルタード・ステーツ 未知への挑戦

★★★ 1981年6月21日(日) 池田中央第二映劇 SFXは相当に良いが結局進化の過程を遡行するというアイデア以外に何もなく、ならばいっそのこと生半可なストーリーなんて不要で『2001』みたいにドラッグイズムの果てに哲学し自壊に至れば良かったのだ。より…

真実

★★★★ 2019年10月13日(日) MOVIXあまがさき7 見る前に、日曜朝のトーク番組で是枝がこの映画の子役について語っているのを見た。 とんでもないクソガキだと。もちろん好意をこめてだが。 慣れ親しんだ面子の現場ではなく、初めての顔合わせの現場に入…

ダークスカイズ

★★★ 2013年9月14日(土) 新世界国際劇場 1軒家に住む家族を襲う怪異譚として趣向の新奇さは無いのだが、平板なのっぺりした画面で淡々と語られるのが安くて悪くない。寧ろ顛末が明らかになるにつれ、ジャンルに対して正鵠を射てると思えてくる。J・K・シ…

真夜中の向う側

★★ 1981年7月3日(金) 梅田ロキシー 矢継ぎ早に何かが起こればいいというもんでもない。ハーレクインな割り切った展開とも言えず、執念が怨念に転化するほどの泥沼でもない。骨子を定め切れず行方を見失い流されているだけの感があり中途半端で凡庸。主役2人…

惡の華

★★★★ 2019年10月11日(金) TOHOシネマズ梅田7 原作未読です。 中二病を病んだ少年が、本物に出会って自虐感にとらわれ、自らも本物になろうと足掻く話ってことでいいのだろうか。 その本物ってのが、玉城ティナ演じる女子高生なのだが、見てる方として…

パッション

★★★★ 2013年10月11日(金) TOHOシネマズ梅田10 嫉妬と懐疑の錯綜するタペストリーを心ゆくまでねっとり巧緻に織り成したいというデ・パルマイズム純粋系譜上の佳作。ただ、技巧的には随分淡白になった。来たーっと思ったら、あっさり切ってしまう長回…

漂流

★★ 1981年6月22日(月) 伊丹ローズ劇場 鳥の描写だけはやたら凝りに凝って海外ロケしたりして熱がこもってるのだが、肝心のサバイバルのリアリティに本当らしさが欠ける。大体、日本版「ロビンソン・クルーソー」としては生き延びる為のオリジナリティが無さ…

金環蝕

★★★ 2019年10月6日(日) シネヌーヴォ 子供の頃にTV放映で見て、とんでもなくオモロイと思った記憶がある。 それは、多分に宇野重吉の歯抜けメイクが醸すいかがわしさと仲代のクールで怜悧な佇まいのガチ対決によるもんだったと思う。 何十年も経ってよう…

ソルジャー

★★★ 2013年9月28日(土) トビタシネマ けっこう性欲に悶々とするあたり、「ソルジャー」として未熟なのではと思ったりするが、作り手はそこは適当に流してる。明らかに『T2』以降の寄せ集めの傍流作であり、多くの類似品と差異は無いが、カート・ラッセル…

ろくでなし

★★★★ 1981年6月20日(土) 今津文化 おっかなびっくりで作られた親父太陽族映画の系譜線上に現れた同時代感覚の虚無感。成島東一郎の撮影が素晴らしく『勝手にしやがれ』と表裏のラストも映画史の奇妙な蓋然性を思わせ興味深い。(cinemascape) kenironkun.hate…

ポラロイド

★★★ 2019年10月5日(土) 新世界国際劇場 ショートフィルムがあまりに怖いと評判になって長篇デビュー。 ってどっかで聞いたよなって、老化で記憶もままならないとこを黙考して、やっと思い当たった。「ライト/オフ」ってのがあったよなって。 でも、15分…

R100

★★★★ 2013年10月12日(土) 梅田ブルク7シアター4 生きる辛さに耐える密かな愉しみがマゾヒズムでは、趣向を取り揃えてみても所詮は凡庸なのだが、渡部の登場を契機に半ばから壊滅的に流れは崩壊する。70年代パープリンアナーキズムの復刻。「丸呑み」・…

グロリア

★★★ 1981年7月12日(日) 大劇名画座 クールなオープニングに期待は昂まったがカサヴェテスの演出には、こういう物語を転がすの為のケレンやハッタリが足りない。市井人を描いてのヒリヒリ感はアンチリアルでは可逆的に作用しワルも市井人じみては盛り上がらな…

ジョーカー

★★★ 2019年10月8日(火) TOHOシネマズ梅田1 再三にわたり、ゴッサムシティの荒廃した現状が語られるのだが、ニュースの音声のみで、そこをもうちょっと丁寧に描かないと終盤の暴動とその中で格差への怨恨を晴らすジョーカーのアイコンとしての役回りが…