男の痰壺

映画の感想中心です

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

大統領の執事の涙

★★★ 2014年2月22日(土) 大阪ステーションシティシネマ2 所詮は執事の垣間見たそっくりさんショーレベルの物語で、米近代史の隠された裏面というほどのものはないし、ダニエルズらしい毒気も封印されている。しかし、ウィテカーの絞った体躯での洗練された…

オーメン 最後の闘争

★★★ 1981年8月31日(月) 新劇会館 天使にも準える幼気な子供が悪さするのがシリーズのキモだった筈なのに、おっさんになってしまったのでは妙味を欠く。しかも一大コンツェルン総帥にして政界進出を目論むと大風呂敷広げた割には追われて防戦一方なのが竜頭蛇…

下り階段をのぼれ

★★★★★ 2019年6月9日(日) プラネットスタジオプラス1 ロバート・マリガンって「アラバマ物語」1本で辛うじて映画史に名を遺した人でしょう。 って予断は、ぶっとんだ。 これは、傑作だと思う。 今年、公開されたフランス映画「12か月の未来図」ってのと…

シテール島への船出

★★★★ 2014年1月22日(水) 梅田ブルク7シアター5 持って回った感が無くもない寄る辺なき放浪の途に就いた先人への挽歌。しかし、その持って回った感が須らく味わい深くて堪らない。序盤の『81/2』や『軽蔑』的メタ映画への傾斜と、終盤の正調アンゲロ節とも…

嵐が丘

★★★ 1981年9月5日(土) ニューOS劇場 オベロンに若々しく透明な情熱が足りなくオリビエには粗野な反逆のエナジーが足りない。39年のハリウッドではやむを得ないにしても、おっさんとおばはんでは根本的に成立しない。つまらないダイジェストの域を出るも…

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

★★ 2019年6月3日(月) 大阪ステーションシティシネマ1 なんやねんと思った。 何がって、ラドンである。 キングギドラに歯がたたないとわかったら、手のひら返して軍門に下りモスラに襲い掛かりやがんの。 それで、ギドラがゴジラに負かされると頭を垂れて…

ホワイトハウス・ダウン

★★ 2014年2月5日(水) トビタシネマ 戦争しなけりゃ衰亡する国という自覚が無いから、こういう今更の対立構図が出てくる。久々に「やっちまったなエメリッヒ」という感じ。目くるめく使い古しネタのオンパレに萎えていく俺は少女の星条旗の馬鹿馬鹿しいまで…

草原の輝き

★★★★ 1981年9月5日(土) 毎日文化ホール 50年代作家カザンのファザコン&マザコン絡みの「青春の悶々」には又かと思うが60年代的美男美女のベイティ&ウッドを配して新味を出しカウフマンのカラーが又絶品で一種の総括的名篇となった。青春の終焉に万感を…

空母いぶき

★★★ 2019年5月30日(木) TOHOシネマズ梅田3 原作未読です。 ぜんぜん見る気がしなかった。 なぜなら、日本の専守防衛とやらに雁字搦めになっている自衛隊の現状を、忠実に敷衍する内容であればあるほど煮えきらない代物になるに決まっているからだ。 …

早熟のアイオワ

★★★ 2014年2月22日(土) シネリーブル梅田1 手前味噌な自伝という印象も否めぬが、それでも不快ではない。なぜなら、身の丈に合う世界で慎ましやかでも真摯に生きることに意味を見出そうとしているから。ジェニファーの健康体だが心はやさぐれてる風情が男…

夕なぎ

★★★ 1981年9月9日(水) 毎日文化ホール 男2人の間で揺れ動く女心という骨子が3角関係の微妙な空気感に紛れていく。中年の地味な市井人の心の揺れ動きをハッタリズムを廃して叙情性を押し出し描くフランス映画の伝統的王道とも思わせる。煮え切らない主人…

さよならくちびる

★★★★★ 2019年5月31日(金) TOHJOシネマズ梅田10 【塩田明彦】 立教パロディアスユニティの黒沢清につぐナンバー2であり、当然にハスミンの薫陶を受け、「映画術」なる著作をものにする。…なんて、バックボーンの割りに、終わってるやん。 って思っていた…