男の痰壺

映画の感想中心です

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ナオミ

★ 1981年1月13日(火) 毎日ホール ウブな設定のナオミは到底ウブには見えず、又財と知性を付与されたとされるナオミも全然そう見えないという、どっちに転んでも見るべきもの無しであるなら、どうしてこんな出涸らし題材に触手を伸ばすのか。媚びた姿勢と時…

ダンマリ天国の光明

コロナの感染に通勤満員電車の危険性は少ないのだと言う。 真偽のほどは定かではないのだが、感染は飛沫経由オンリーであって空気感染はナッシングってのは事実らしい。 であるから、人々が総じてダンマリ決め込んででスマホに向き合う状況は、一見あぶなっ…

おもひでのしずく (2003年8月23日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 強制送還(フィリピーナ完結篇) (承前)結局、先輩は俺たちの為に店と交渉して早々に帰り、1時半まで店に残った俺たちは、指名した女の子たちに引き合わされ、店のワゴンに乗せられて、焼肉屋に連…

大いなる西部

★★★★ 2013年2月14日(木)TOHOシネマズ梅田10 笑ってしまうくらいな大構えがお茶目。新旧や東西の対立軸を錯綜させた構成は見事だが、旧世代の終焉による収め方が性急過ぎ。シークェンスの頭に何度か置かれたカウボーイ達のダラな日常。ワイラーのこう…

古都

★★★★ 1981年1月7日(火) 伊丹ローズ劇場 「百・友映画」の最後に崑を持って来た掉尾の一新作。相変わらずのリメイクだが主演2人の弱さを補うに登用した岸恵子と實川延若が絶品であり、旧家の佇まいや山間の風情も中村登版に比肩し得る。(cinemascape) keni…

衆愚政治の行末

日経新聞のフィナンシャルタイムズの転載欄なんて読んだこともなかったのだが、今回の世界的コロナ禍の勃発以後見るようになった4月16日。 掲載記事の暗澹たる予測に気が滅入りつつ帰宅したら女房が騒いでいる。 「やったー!やったー!ウシシ」 「なんや…

おもひでのしずく (2003年8月20日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 ニシキヘビ(続フィリピーナ) (承前)飯喰ったりして時間を潰して言われた店に着いたのが10時頃。かなり広いフィリピンパブだった。俺とAは店のママさんらしき人に先輩の名前を出し聞いた。「○○…

モンスターズ 地球外生命体

★★★★ 2013年2月14日(木) トビタシネマ 惨状想定のロケ努力は尊重するが、所詮「ふーん」としか思えない。しかし、已む無く行動を供にする男女という青臭くもトキメく設定が物語を一応牽引。そんな2人が事後の算段から解かれ今の想いに身を委ねる、その契…

旅芸人の記録

★★★★ 1981年1月15日(木) 三番街シネマ3 姦通と復讐が主題のギリシャ神話を基底にし超絶長回しと1シーン内の時空錯綜をもって語られる難攻略な近代史なのだが、曇天狙いの沈鬱な画面内を目紛しく変転する為政者を遠くに見つつ歩き続ける彼らを通して虐げ…

悪魔の囁き

⓵医療崩壊 本来あと1、2年でご臨終するはずだった人たちがコロナにかかったからってんで、貴重な医療資源や人的資源を膨大に消費してるんちゃうか?。コロナの死者数は5年くらいのスパンで伸ばしてみれば、統計に加算されるようなもんじゃなくチャラやっ…

おもひでのしずく (2003年8月19日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 フィリピーナ ※本文には船戸与一著「虹の谷の五月」のネタバレがあります。 船戸与一の直木賞受賞作「虹の谷の五月」のラスト。フィリピンはセブ島の辺境の村で生まれ育った汚れを知らぬ聖少女メグが…

TED テッド

★★★ 2013年2月14日(木)TOHOシネマズ梅田3 下ネタ言うテディベアというアイデア以外は、在り来たりの男と女の惚れた腫れたのアップダウンストーリーで、まあ主演2人が好感度良いのが救い。小ネタ依存の単発ギャグは同時代的に結構ツボではあるが、そ…

復活の日

★★ 1981年1月27日(火) 毎日ホール 世界からの孤絶と追い討ちをかける孤独だけを念入りに描けば良かった。下手にハリウッドマターに竿刺すような前半はチープな上に無闇に暑苦しい。それが身上の深作ではミスチョイスであった。世界の終焉後を描いた鎮魂歌…

ワールドウォーH

カラ出張を繰り返し釈明会見で号泣するという幼児もどきのウルトラスペシャルな解読不能技を繰り出した県会議員。 40代にもなって新人同僚虐めるのに激辛カレーを口に押し込むという幼児性が隔絶社会で世間と対峙せぬまま過ごしてきたことを露呈してしまっ…

おもひでのしずく (2003年8月6日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 暑中見舞い まぶたに焼ゴテ(あははーん)受けてるみたいな(ふーふー)夏の日の太陽がまぶしくて今にもあなたが(あははーん)頭のネジ切れて(ふーふー)かけて来る包丁もって はやく熱冷ましたくて…

ムーンライズ・キングダム

★★★★★ 2013年2月17日(日) MOVIXあまがさき8 潔癖すぎるまでの構図や美術を始めとした世界観、笑わない低温な人物群などがタチを思わせるが、境界超え寸前の猥雑なエロティシズムや狂気手前の偏執も混在してる。ミクロな世界で閉じてるかに見せつつ、…

ルードウィヒ 神々の黄昏

★★ 1981年1月30日(金) 阪急文化 とち狂った王を描くのに演出者までとち狂ってはどうしようもなく、大根なバーガーを取り巻く無秩序なカメラワークと無神経な音楽の被せ方…挙げ句に自身も昇天しかけたと言う。そっちの方がおもろそう。指揮官は醒めてないと…

知事の受難

今回の緊急事態宣言をめぐるあれやこれやで大阪吉村知事の評価が上がってるらしい。 2015年の大阪都構想の住民投票が僅差で否決されてしまった際に引退表明した橋下の後任候補として遊説にきたのを近所の公園に聞きにいった覚えがある。当時の俺は橋下引…

おもひでのしずく (2003年7月22日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 パーキングエリア 仮にも「総裁」との肩書きを持つ爺いが、手前えの公団の貸借対照表も見たことがなく、やばいかなと思って「お勉強会」で部下に作らせてみたら、当たり前だが大赤字で、何だか、おっ…

レッド・ライト

★★★★ 2013年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田5 閉じた世界での刹那な人間関係の救われなさ。そういうマイナー領域に目線を向けるコルテスは全く好ましい。切ない情感が否応無くダダ漏れ来るウィーバー軸の前半に比し、後半のデ・ニーロは軸を転換させて…

僞大学生

★★★★★ 1981年2月21日(土) SABホール 加被虐のこういう尖鋭化は時代的に珍しくもないが、泥塗れのジェリーに対してのクールネス若尾と伊丹の配置がエロスと胡散臭さも兼務する重層。息をもつかせぬ脚本のスピードと構成。エッジ効きまくりの村井のモノク…

事後の世界

先日の日経新聞に転載されたフィナンシャルタイムズの投稿記事「無極化した世界」をつらつら読んでいると、ふと映画「日本沈没」の1シーンが頭をよぎった。 映画の後半で島田正吾のフィクサーが自身のシンクタンクで結論づけたプラン4を丹波総理に言う。も…

おもひでのしずく (2003年7月18日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 流行歌 聞いた風な流行に紛れて俺の目当ては流さていく安いカストリ酒みたいでレジの姉ちゃんに悪い ひどいもんさ生臭坊主半チャンラーメン餃子付俺は我慢したのさバイアグラ頼み 昔の流行り歌が最近…

ゼロ・ダーク・サーティ

★★★ 2013年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田8 「捕獲」でなく「殺し」に行くということの是非なぞビグローの念頭には無く、代わりに大穴プロジェクトを的中・成功させた女の子のサクセス譚として語られる。頑張った自分への感傷に涙されても正直シラける…

神々の深き欲望

★★ 1981年2月15日(日) SABホール 徹底した取材を通して叙情を浮かび上がらせることに長けた今村が壮大な叙事詩を紡ごうとして破綻した。そういう意味で『ええじゃないか』と双璧かも知れない。一種の日本人論なのだろうが主題もつまらないし、姫田無き…

一度死んでみた

★★★★ 2020年4月2日(木) 大阪ステーションシティシネマ11 すずがヘビメタ?って絶〜対ムリやんって思ったし、予告で見た幽体離脱した堤の浮遊霊の安さにゲンナリしたりもしたのだが、何故か見てしまって、やっぱ映画って見てみないとわからんねって思った…

おもひでのしずく(2003年7月11日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 仇討 眼には眼を、歯には歯を…残虐な殺人事件が起こる度に何百年にもわたって人々の口辺に立ちのぼる古代ハムラビ法典の余りに有名な復讐法の一節。論旨は明快で、この論理で全てを括れたら簡単ではあ…

世界にひとつのプレイブック

★★★★★ 2013年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田2 病み人たることからの帰還は済し崩しだが、ジェニファーのケツの据わった真っ直ぐ視線を受け、その純情を受け止める男冥利な桃源郷。ワイルダー『アパート』の男女逆転倒置の素晴らしい焼き直し。ラッセル…

鉄路の斗い

★★ 1981年1月11日(日) 大阪府中小企業文化会館 映画史の進展に於いて「列車の疾走」と言うスペキュタリティが担ったであろう役割の片鱗をこの映画から感じることはできない。ドキュメンタリズムに立脚したレジスタンスのヒロイズムは過剰とも思わないが妄…

音楽

★★★★ 2020年4月2日(木) シネリーブル梅田2 ズバリ「音楽」というシンプルなタイトルが表すように、人類の初源的な音楽との出会いみたいなのを描こうとしている。 のだと思います。 喧嘩くらいしかやることない不良の3人が、ひょんなことから手に入れたベ…