男の痰壺

映画の感想中心です

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

恐竜の島

★★★ 1981年8月2日(日) トビタOS劇場 着ぐるみともダイナメーションともCGとも異なる実寸大張りぼてロボの恐竜たちが、実風景の中でリアルな肌触りを醸す。動けないものを如何にして脅威として見せるかの初源的活劇性への探究がなかなかの味わいで楽し…

悪魔の金

★★★★ 2020年7月19日(日) プラネットスタジオプラス1 悪意に魂を売った男の話は「ファウスト」はじめごまんとあるのだが、これがちょっと異質なのは、ダニエル・ウェブスターなる実在の政治家を物語に配したとこで、まあ言うなれば彼の英雄譚だ。 なんじゃ…

おもひでのしずく (2007年4月30日 (月))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 リアルな世の中 例題1サトシ 「行けー!ピカチュー!10万ボルトだ」ピカチュー「ピカー!」バリバリバリ!ズドーン!ウギャー!サトシ 「やったー!ゲットだぜ!」 例題2のび太 「うわーん、ドラ…

バイオハザードⅣ アフターライフ

★★★ 2012年7月28日(土) トビタシネマ 冒頭、渋谷のザック・スナイダー的ケレンに期待値は上昇したが、ダークスーツ黒眼鏡野郎と分身の術で一気に氷点下に下落。あとはマジ凡庸な出来。多くのアンデッド化した魂は無視され高位の抗組織戦に収斂するなら急転…

九月の冗談クラブバンド

★★ 1982年6月11日(金) 三番街シネマ3 撮影事故で中断の不幸が尾を引いたか停滞感が横溢する。澱んだ思い入ればかりが空回りし全く疾走感の無い映画になってしまった。そして、その想いが予想外に黴臭いのもアナクロで不幸だった。いっそのこと浪花節にでも…

新喜劇王

★★★★ 2020年7月18日(土) 新世界国際劇場 チャウ・シンチーは「少林サッカー」からしか見てないので、この映画のオリジナル「喜劇王」は未見。本作はシンチー自身によるそのセルフリブートである。 前作は主演もシンチーだったが、今作では女性に変更された…

おもひでのしずく (2006年11月8日 (水))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 感慨 こないだの金土日。世間では3連休だったかもしれないが、俺は金土は仕事であった。金曜日は夜中から仕事して昼間に家に帰って酒を飲んでフローリングの床の上で寝てしまった。それが拙かったの…

ザッツ・エンタテインメント

★★★ 2012年7月28日(土) TOHOシネマズ梅田10 所詮、俺は50年代MGMミュージカルが好きでないことが解った。アステアがパウェルと狂演するタップの白熱は見とれたが、ケリーの明朗はプレーンすぎる。寧ろ忘れられた水着の女王の壮大な白痴性や『シ…

ひめゆりの塔

★★★ 1982年7月23日(金) 伊丹ローズ劇場 『あにいもうと』が成功したものだから同じ水木洋子脚本の再映画化第2弾ということだろうか。が、ここには天才(秋吉久美子)が不在であったし戦争への思いは年とともに風化する。職人芸は健在で予想外に悪くはないが…

悪人伝

★★★ 2020年7月17日(金) 梅田ブルク7シアター3 「新感染 ファイナル・エクスプレス」で日本でも認知され、主演映画が続々公開の運びとなったマ・ドンソク様の新作でございます。 そして、今回はシリアルキラーとノワールのジャンルミックスという新たな地…

おもひでのしずく (2006年9月18日 (月))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 DARK CITY ~日々徒然~ 昨日、同僚が車に轢かれたとの電話があった。同僚といっても、そんなに親しいわけではない。勤務場所も違うし、会っても黙礼を交わす程度だ。轢き逃げであったそうで…

ダーク・シャドウ

★★★ 2012年8月11日(土) 新世界国際劇場 タイムマシン的ギャップネタも『ドボチョン一家』的キャラネタも今更感満載で、70年代テイストの復古趣味も徒に手数を揃えた打算にさえ思える。そういう黴た世界がそれなりにゴージャスに演出された中、三角関係の…

招かれざる客

★★★★ 1982年6月17日(木) 毎日文化ホール 人種問題という時代の先鋭を語る為に「白人による白人の為の」古き良きオールドハリウッドの老コンビを配する逆説的な諧謔ともいうべき製作者クレーマーのセンス。必要十分な脚本があれば名優達は自走し自ら付加して…

風が吹けば桶屋が儲かり、病が流行れば病院潰れる

本来は万人が健康なら商売上がったりってのが病院経営のはずであり、でもそこは何ぶん収益企業である以上、経営的見地からなんとかせんといかんの意思が働いてきた結果がこんな事態を引き起こしたんだろう。 コロナ禍のもとで経営難に陥る病院が増えているら…

おもひでのしずく (2006年7月25日 (火))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 マクガフィン 「今日こそは何とかしましょうよ。時間がないんですわ、時間が」「おう!何とかしようぜ!」かれこれ20数年前、俺は先輩とシナリオを書こうとしていた。ところが、何回も先輩の家に行…

ダークナイト ライジング

★★★ 2012年7月29日(日) MOVIXあまがさき6 究極悪だか絶対悪だか知らぬが、9・11から10年を経て尚、イスラム景観な地獄穴から来し爆弾テロリズムという底浅ぶりの陳腐。しかも、ヘタレ野郎だったというんじゃ自壊領域の張子の虎。冒頭を筆頭に肉…

殺しの烙印

★★ 1982年6月23日(水) 関西学院大学学生会館大ホール モノクロ画面で若干はそれらしく見えるものの、透徹した様式美が未だ確立されているとも思えないので、「ごっこ」のような小便臭さだけが画面に蔓延している。中身ゼロの物語には相当な覚悟が要る。日活…

のぼる小寺さん

★★★★★ 2020年7月10日(金) 梅田ブルク7シアター5 不思議ちゃんキャラの同級生の女の子に惹かれるってのが、昨年の「殺さない彼と死なない彼女」みたいな滑り出しなのだが、あれが2人だけの世界に耽溺していくのに対し、今作は複数人に余波がもたらされる…

おもひでのしずく (2006年6月16日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 BRICs おい、お前や、何やねん、さっきから見とればウーロン茶ばっかり飲みくさって、辛気臭いやんけ、酒飲みに来とるんちゃうんか、えっ、明日の仕事に差し障りがある?そんなもん皆あるやんけ…

密告・者

★★★★ 2012年8月11日(土) トビタシネマ イヌの妹への又ボスの情婦への想いと、刑事のイヌへの思いと元妻への想い。暴力まみれの殺伐な泥沼の中で4つの想いの真摯で衒いがないことに打たれる。中でもイヌと情婦の成り行きに導かれた道行は行きつくとこまで…

女の都

★★★ 1982年7月2日(金) 大毎地下劇場 女性への憧憬というよりマゾヒズム願望に思える。何れにせよ『8 1/2』『魂のジュリエッタ』系譜の夢か現かのゴチャマゼ世界の成れの果てが、こういう幼児的願望をさらけ出す帰結とは…老醜とも思うが、それも又ええやんと…

レイニーデイ・イン・ニューヨーク

★★★★★ 2020年7月5日(日) MOVIXあまがさき6 撮影がヴィットリオ・ストラーロに代わってからの「カフェ・ソサエティ」と「女と男の観覧車」に何となく違和感を感じて、演出意図と撮影戦略が噛み合ってないような印象で、なんで撮影者変えたん、と思っ…

おもひでのしずく (2006年6月6日 (火))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 村上ファンド 「人の幸福は俺をヘコませる」と前回書いてしまったのだが、やっぱあかんね、そんなんじゃ。「人の幸福は俺の生きがい」て言うのは嘘くさいが、せめて「人の幸福は俺を奮い立たせる」く…

かぞくのくに

★★★★ 2012年8月11日(土) シネマート心斎橋1 300%の理不尽が罷り通る現実に、遣る瀬無い怒りと、憤怒の彼方に到達した諦念と、心の揺れを圧殺する服従とで向き合う3人。そして、その家族・友人の押さえても噴き出る感情の吐露の慎ましさ。この日本的…

白薔薇学園 そして全員犯された

★★★ 1982年7月5日(月) ダイニチ伊丹 ただただ女を犯しまくるという全く無意味な設定をコメディ色で味付けし、ひたすらに突っ走る。アナーキーだと思う。職人小原のウェルメイドを港雄一の怪演が穿つ。しかし、定型に収束する。三崎奈美も良いだけに惜しい。(…

千姫と秀頼

★★★★ 2020年7月4日(土) 新世界東映 千姫と秀頼とあるが、秀頼は冒頭で消える。 がっつり千姫物語です。 歴史とか疎いので、千姫のこともよくは知りませんが、wikiとかで調べたのとはかなり違うみたい。 映画は概ね、千姫と5人の男との関わりにまつわ…

おもひでのしずく (2006年5月17日 (水))

おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 幸福 「昨日ちょっとええことあったんですわ」「なんやねん」「朝からWINS行きましてん、G1やってましたやろ」「ああ」「で、第1レースとメインだけ買って帰ったんですわ」「ああ、そうなん、ふ…

新少林寺 SHAOLIN

★★★ 2012年7月28日(土) トビタシネマ 流れを読ませない多くの予兆を秘めた前半は素晴らしい。だが、少林寺VS圧政者という構図はラウVSツェーの個人レベルの内部闘争に摩り替わる。熱いのだが釈然としない。ただ、ラストジャッキーに担わせた万感の想い…

花のれん

★★★ 1982年7月8日(木) 新世界東宝敷島 ストーリーテラーとしての山崎豊子は文句付けよう無いのだから黄金期の手慣れたスタッフとキャストが撮ればこの程度には面白くなろう。が、豊田は山本や市川みたくピンポイントでエッセンスを抽出しようとしないので漫…

ワイルド・ローズ

★★★★ 2020年7月4日(土) シネリーブル梅田1 ナッシュビルってそんなに遠いんかいな。 とか、思いながら見ていて、ずいぶん経ってから、えっこれイギリスの話なん、とか気づいた体たらくであります。 イギリスでカントリーシンガー目指す人ってどういう位置…