男の痰壺

映画の感想中心です

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

タップス

★★ 1982年4月14日(水) SABホール 少年達が守ろうとするものが旧時代の軍事的遺物である点をアイロニカルに掘り下げて問題提起でもしてくれるならまだしも、ブラッドパック街道まっしぐらのモロ商業路線に乗っかった代物として提供されると戸惑う。何より…

mid90s ミッドナインティーズ

★★★★ 2020年9月12日(土) シネリーブル梅田4 行き場のない少年が、スケボー仲間と出会い経験を積んでいくという幼年期の自我の芽生えもんなのだが、この少年が本当にいい。 俺くらいの歳になると、世俗の色気から遠ざかり枯淡の境地に達しつつあるので、街…

おもひでのしずく (2010年2月15日 (月))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 現実のリアルとシンクロする映画の虚構 20代の前半であったから、今から20数年前のことだ。ある週末、大阪はミナミ、道頓堀の居酒屋で学生時代の連れと4人で飲んでいた。10時ごろになり、帰ろ…

マイ・ウェイ 12,000キロの真実

★★★ 2012年4月21日(土) 新世界国際劇場 数奇であることにかまけている。描くべきは2人の心理的葛藤や確執なのに、釣瓶打ちに色々起こりすぎて、その勢いに気をとられてる間に終わってしまう。受けに徹するドンゴンに対してオダギリの遣り放題な七変化責め…

風とライオン

★★★ 1982年3月12日(金) シネマ温劇 ルーズベルトとの対立軸は申し訳程度の扱いで、物語はひたすら女目線と子供目線で男コネリーを描くことに奉仕する。正直つまらん。異文化との邂逅は『アラビアのロレンス』を踏襲、馬の描写はミリアス信奉の黒澤チック。新…

マロナの幻想的な物語り

★★★★ 2020年9月12日(土) 梅田ブルク7シアター3 生まれてから3人の飼い主のもとを転々とするワンちゃんの物語であるのだが、描かれてることは、ワンちゃんは人間に忠実で可愛い、なのに人間は身勝手で利己的な生き物だ。 ってことで、まあ目新しくもなん…

おもひでのしずく (2010年2月8日 (月))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 扇動される世論 小沢一郎も鳩山由紀夫も「政治と金」の問題とやらでとやかく言われてる。自民党とかの野党が言うのは仕方ないとしても、TV・新聞とかのマスコミの一本調子の論調と、それに扇動され…

バトルシップ

★★★ 2012年4月15日(日) MOVIXあまがさき5 序盤で「絶対に勝てるわけないやん」的圧倒的力量差を提示してるのに、結局はガッツと友情で何とかなっちまう相変わらずの竜頭蛇尾。が、今回はアホ映画であることを最初から結構曝け出してるので許せる気が…

悪魔の部屋

★★ 1982年4月24日(土) ダイニチ伊丹 ガラス窓1枚隔てた外は大都会の喧噪というのが映画を「監禁もの」の刹那感から遠ざけた。そんなことを抜きにしても密室で続く男と女の関係が変質していくドラマが淡泊でペラペラ。ただただ中村れい子が美しい。それしか…

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

★★★★ 2020年9月12日(土) シネリーブル梅田1 イケてない女子高生2人が、卒業式の前日、最後だからハッチャケちゃおうとする話で、そうなると展開は自ずと見えているように思える。 しかし、主演の2人が適度に肥えていたり、適度に性根曲がってそうに見え…

おもひでのしずく (2010年1月29日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 酒断ち 年頭に立てた誓い…「腹へこます」今までの50年近い人生。言うだけ番長の名を欲しいままにし、有言不実行を旨として生きさらばえて参りましたが、いつまでもそんなんじゃどうしようもない。……

北国の帝王

★★★ 2012年5月5日(土) プラネットスタジオプラス1 走行中や停車中の列車の脇や屋根上をボーグナインがひたすら行ったり来たりする。そこに直線運動の映画的ダイナミズムがあると言えばあるし画としても魅力的。ただ、頂上決戦的な男の確執のドラマが淡白…

フェーム

★★★ 1982年3月27日(土) ビック映劇 プロを夢見る若者達にしては散りばめられたエピソードはどれもプロトタイプで、尚かつパーカーの演出がMTVの出来損ないのように場当たり的にカットを細分化し、そこにはエモーションを定着させる計算は片鱗さえも感じら…

叩くのなら本元を撃て

映画「ムーラン」が人権派から袋叩きにあっている。 火をつけたのが、香港問題についての主演女優による中共支持発言で、油を注いだのが新疆ウイグル自治区での撮影の露見みたい。 もともと、この映画、今年になってから嫌っていうほど予告篇を見せられてき…

おもひでのしずく (2010年1月23日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 ずるむけの耐えられない痛さ ~イタイぜ!番長!~ 先週の月曜日に買った靴が合わず足の踵の皮がずるむけになった。それも又ありがたいことだ…とか何とか言ってみたものの、数日後、最早、精神に異常…

果てなき路

★★★ 2012年4月7日(土) 第七藝術劇場 ノワールだと言うならフィルムの醸す鈍色のハッタリやケレンが全然足りず、撮影裏話と言うならトリュフォーやゴダールほどの確信的自己陶酔が不足。実俳優への言及や過去名画のインサートも閉じた世界を露呈させる。構…

転校生

★★★ 1982年4月22日(木) 伊丹グリーン劇場 少年文学故の踏み込めない描写は仕方ないとしても尾美・小林共にどっちかといえば中性的キャラなので性の転換という設定が余り際だたってこない。それでもこれは、どう描くかに傾倒していた大林が何を描くかに踏み込…

宇宙でいちばんあかるい屋根

★★★★ 2020年9月7日(月) 梅田ブルク7シアター7 継母とオヤジの間に子どもができたってことで、実の子でない私は…っていう女子高生の悶々。悩んだり反抗したりの定番ドラマと近所のお兄さんへの憧憬。 まあ、見たい気力は起こりません。 そこに、ホームレ…

おもひでのしずく (2010年1月19日 (火))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 ずるむけ天国 ~徒然なるままに~ 昨日、昼ごろ靴を買った。飯を食って地下街をぶらぶらしてたら、新しそうな靴屋で「¥ 1,050~」という表示があったのだ。健康サンダルではなく革靴である。全身バッ…

フレンチ・コネクション

★★★★★ 2012年5月6日(日) TOHOシネマズ梅田10 張込と尾行に特化したベッケル・メルヴィル発ニューシネマ経由の純粋映画の昇華形がロイズマン撮影の即物感と相俟り最高。一発の銃弾を契機に爆走に転ずる展開の妙とラストの詠嘆。ポパイのキャラはアメ…

刑事物語

★★★★ 1982年5月1日(土) 伊丹ローズ劇場 武田鉄矢に何一つ期待するものもなかったが、予想外の蟷螂拳の健闘に加え直情的に盛り上げる激情の爆発。ベタを恐るるなかれ。聾唖者をヒロインにというのも、あざとさを感じないくらいに心情が籠もっていた。拓郎主題…

男の正念場

おいおい勘弁してくれよ。 何がって?「とんかつDJアゲ太郎」に決まってんじゃん。楽しみにしてんだよ。 出演者がとっ捕まったから世間様に阿ってお蔵入りとかの流れはもう飽き飽きだぜ、ベイビー。 作品には罪はねーとかクソ気持ち悪い綺麗事言う気はサラ…

おもひでのしずく (2010年1月13日 (水))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 イーストウッド教 2009年のキネマ旬報ベストテンが発表された。外国映画の①と③にクリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」と「チェンジリング」が入った。まあ、正直、この結果に関しては、…

ワイルド・スピード MEGA MAX

★★★ 2012年4月21日(土) 新世界国際劇場 皆一応『オーシャンズ』みたいに和気藹々でノリノリモードな雰囲気を醸しだしてはいるが、肝心の映画は一向に弾けないのである。ワル度も過激度も低い。定型通りに序盤と終盤に2大見せ場を配するがキレが悪くカタル…

ザ・レイプ

★★ 1982年5月16日(土) トーエイ伊丹 レイプされた女性が被る心的・社会的ダメージをルポルタージュすることには意義はあるのだろうが、恋人との葛藤が男側のヘタレな描写を始め普遍性があるとは言えず映画の大義を薄めてしまった。本職弁護士を使った法廷シ…

ゴーストタウンの黄昏 シネヌーヴォの憂鬱

阪神電車の九条駅を降り、地上に出ると強烈な日差しが容赦なく俺を焼き尽くした。中央大通りと交わる道は片側3車線の広い道なのに、日曜の午前中とはいえ車が全く見えない。蝕まれ続けた日常のゴーストタウンめいた光景が日差しの痛みを心理的に倍加させる…

おもひでのしずく (2010年1月8日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 フィクショナル吉野屋 ~理想郷~ 50代と思しき疲れきった出勤前のサラリーマンが入ってきて席についた。「ご注文おきまりですか?」「並と卵」「はい、並1丁!卵!」 60代と思しき作業服の男が…

海燕ホテル・ブルー

★★★★ 2012年4月21日(土) テアトル梅田1 象徴には遠い安価なホテルのロケセットの寂寥感が意外に棄て難く、吸引力の無い片山瞳の木偶人形ぶりも案外に好ましい。そういう紙一重な未達感が、解ったようで解らん世界を心地よく覆う。今の時代、こんなもんは…

爆裂都市 Burst City

★★★ 1982年4月7日(水) 梅田東映ホール 映画の暴動というシステム破壊の意図はクライマックスで暴動を描いた映画にすり替わってしまう。殻を破砕して観客に突きつけるべき何かは現場の狂騒への自己充足で収縮してしまった。若気の至りとも言うべき薄さ故に、…

オヤジのラッパー 怒りのデスロード第2章

アベ叩くのけっこうごりっぱ泣けるぜ咽せるぜ飽き飽きだーぜ それよりマシなのエダノだーぜって本気で思って信じてる、ダセーぜクセーぜ救われねーぜ 政治って、ご立派な理想、ゲスの手管使っても実現するもん、当たりマエダのクラッカー そのことわかってな…