男の痰壺

映画の感想中心です

2021-03-08から1日間の記事一覧

紀ノ川

★★★★★ 1985年8月17日(土) SABホール 有吉原作の母娘ものとして『香華』と比較されると常識的とも言えるが、大河感を醸すノーブルさで圧倒的なまでに秀でている。何より成島東一郎の『古都』と双璧なカメラが絶品で、序盤30分で圧倒する。あとは司・岩下…

瞼の母

★★★★ 2010年6月26日(土) 新世界東映 序盤は緩いのだが、忠太郎が江戸入りしてからは神懸り的に締まってくる。特に浪花・沢村・木暮と3連チャンされる錦之助との相対芝居はローアングル・ワイド構図・長回しの圧縮濃度に演技が拮抗し国宝級。だが終盤は又…

ウーマン イン レッド

★★★ 1985年6月9日(日) 友楽スカラ座 気が弱いのか強引なのかよくわからん主人公も不倫を扱いながらサラリと流すブラックな背徳も題材としては面白いのだがどうにも微温的でパンチが無いのでナンセンスは自走し損ねる。全盛期のメル・ブルックスならと思わせ…

あのこは貴族

★★★★ 2021年2月27日(土) テアトル梅田2 「あの子は貴族」という物言いの裏には当然に「私は平民」という立場の思いが隠れているわけだが、映画はそういった格差について切り込もうという意図はない。どっちに属して生きたって楽しいこともしんどいことも…