男の痰壺

映画の感想中心です

2021-03-22から1日間の記事一覧

Wの悲劇

★★ 1985年2月3日(日) 友楽会館大劇場 新派劇のような大時代な設定と台詞の数々にパロディを透過して周回し本物としてのエモーションを発動させるに澤井演出は生真面目過ぎ。チープで少女漫画的な女優という虚構が素で晒し出されてとてもじゃないがついて行け…

17歳の肖像

★★★★ 2010年5月12日(水) TOHOシネマズ梅田6 足るを知るには、あっち側に行き戻って来るしかないという言説を語りつつ、教条的価値基準には準拠しないというポーズがクールな一方で感じる時流への媚びの微妙。ただ、圧倒的なのはロック勃興前夜のロン…

カポネ大いに泣く

★★ 1985年2月16日(土) 観光会館地下劇場 オフビートな安っぽさを狙うには実は戦略的周到さが要件なのに露骨に安さが画面を牛耳ってしまった。監督がアホしても熟練のスタッフが支えた日活時代をまんまシステム崩壊後の80年代にリピートしようとしても通じ…

春江水暖

★★★★ 2021年2月27日(土) テアトル梅田2 グー・シャオガンという新人の長篇デビュー作で、撮影に2年をかけたという力作である。 力作とは思いますが、影響を受けた監督にエドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーの名前を挙げている通りの…