男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ああ~あの】

悪の教典

★★★ 2012年11月11日(日) MOVIXあまがさき6 主人公の来歴なぞ必要もないものを寸語りするので純度が落ちる。故に一方的に「モンスター」に蹂躙されまくるだけのバカ絶対映画の地位さえ失った。でも、そんな地位に意味があるとも思えない。伊藤は確か…

アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち

★★★★★ 2012年12月27日(木) シネリーブル梅田1 心を病むことは特別なことでもない。地続きの日常の中で他者と混じわい軋轢があってこそ少しづつでも前に行ける。宴と前後する数日の人の出入り捌きの錯綜のダイナミズムはアルトマン級で、痛さを直視する怜…

アナザー・カントリー

★★★ 2013年1月17日(木) テアトル梅田1 おっさんがもったいぶって語らう回顧譚に驚くほど何も無い事が衝撃でさえある。ゲイ天国と化したらしき全寮制ハイスクールのパワーゲームは本質を描かぬことでスカスカだ。「惑星」のボーイソプラノとアイビーに惑う…

アウトロー

★★★★ 2013年2月7日(木) MOVIXあまがさき6 ダサいカットバックに疑念を感じる冒頭だったが、やはりトムのキャラ把握の的確とカリスマは大したもんだと思わせる。一瞬の躊躇を挿み軽くコードを超える「やってもた」感が快感。久々のデュバルの闊達とウ…

愛、 アムール

★★★★ 2013年3月15日(金) シネリーブル梅田1 捻りも無い老老介護映画とも思えるのだが、それでも、感情を抑制し事の進行を淡々と凝視する精緻さには引き込まれる。鳩とトランティニャンの引き芝居の長廻しこそハネケの真骨頂。過酷な帰結のあとの黄泉への…

アッシイたちの街

★★ 1981年3月11日(水) SABホール 中小企業を題材に虚々実々の親会社との攻防を描くのであれば、脇を固める山本ファミリーが俄然水を得たであろうに、工員バンド「アッシイ」が高らかに労働讃歌を歌うアナクロぶりが観客の心を絶対零度に凍てつかせてし…

アニマル・キングダム

★★★ 2013年5月13日(月) 新世界国際劇場 過剰なものに慣れすぎたからだろうか。極悪ファミーリアから連想される激刺激は皆無である。心理的葛藤劇としてのサスペンス醸成にも無頓着であり、肩寄せできるキャラが無く淡々と流れていく時間。それが味と言えば…

アイランド

★★★★ 2013年6月24日(月) トビタシネマ 新味無き題材をベイが如何に料理するか期待もしてないが、体力勝負に出たあたり涙ぐましくさえあった。半端ない中盤の展開。高層ビルの縦方向の落下チェイスが高速道の横方向の弩級の破壊ショーに繋がる緩みの無さ。…

アシャンティ

★★ 1981年3月21日(土) トビタシネマ 顔見せ程度にちょっと出ては消えていくロートルスター達が緩すぎる。ユスティノフは全然怖くないしホールデンは柄じゃない。一方で砂漠で光るアラブの男ベディは嘗てのシャリフをも髣髴とさせ光る。冷えた好食材は親爺…

ANO ANO 女子大生の基礎知識

★★★ 1981年5月4日(火) ダイニチ伊丹 どうでもいい話だってのは皆十分に判った上で、それでも精一杯努力し貨幣対価に相当するものを創ろうとすることは素晴らしいことだ。ロリータな森村陽子はロマンポルノ史上空前絶後の可愛らしさだった…と思う。(cinemas…

アタラント号

★★★★ 1981年5月21日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 上流から下流へ田舎から都会へと小さな船で下って行くってのがミソで、流れる景観は開放と希望を表象する。船内密閉空間でも気の置けぬ爺さんとガキに囲まれ若夫婦を包む慎ましくも幸せな共同体幻影…

アイリッシュマン

★★★ 2019年11月25日(月) シネマート心斎橋2 以前、スコセッシはフィルムへの拘りを語る作家だった。 はずであるが、そういう拘りの人なら、当然にスクリーン投影の映画館主義であってもいいはずなのに、NET配信映画になびいた。 かわりに、明後日の方…

明日に向って撃て!

★★★★ 1975年6月1日(日) 阪急プラザ劇場 1976年4月18日(日) 伊丹グリーン劇場 どうやっても躱し切れない追手の松明の灯りにアウトローであることの虚飾ない居た堪れ無さが心に沁みる。無口な人嫌いが絞り出す「泳げない」の一言と眼差しの哀しみ。この中…

秋津温泉

★★★★★ 2019年11月3日(日) シネヌーヴォ 長らく見たかった映画で、俺の直感は見るべしと発し続けていたが機会がなかなか無かったのだが、やっと見れた。 これは、傑作だと思う。 昨年、旧作の日本映画で今更のドギモを抜かれた小津の「浮草」に匹敵するポジ…

アップグレード

★★★ 2019年10月30日(水) 大阪ステーションシティシネマ7 そんなに期待してたわけでもない。 で、期待通りに普通だった。 AIが飛躍的に発達し何かと人口に膾炙する今だからこそ、この程度の旧態な機械に人間が支配されるみたいな話では普通すぎるんやな…

アナザ・サイド

★★★★ 1981年6月14日(日) 夕鶴小ホール 1982年11月2日(火) 関西学院大学1号別館1号教室 当時の自主映画界の少女趣味とパロディとエログロの三角形の内部で形成された真摯過ぎるまでの本物志向に撃たれた。宵闇の街角をそぞろ歩く葬式帰りの奴らの喪失感と行…

アド・アストラ

★★★★★ 2019年10月21日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 これは一目瞭然なのだが、「地獄の黙示録」かその元ネタの「闇の奥」の劣化版のSFへの置換だと思う。 何故に劣化版かっていうと、まあ大山鳴動して鼠一匹どころかなーんにも出てきませんでしたっ…

悪人志願

★ 1981年6月20日(土) 今津文化 被虐の果ての抵抗を描くに対立項として擁立された炎加世子が極めて抽象概念の産物にしか見えないのが弱い。おかげで全てのドラマトゥルギーは形骸化しており見ててむず痒くさえなってくる。表現の抽象化も所々見せるが如何にも…

惡の華

★★★★ 2019年10月11日(金) TOHOシネマズ梅田7 原作未読です。 中二病を病んだ少年が、本物に出会って自虐感にとらわれ、自らも本物になろうと足掻く話ってことでいいのだろうか。 その本物ってのが、玉城ティナ演じる女子高生なのだが、見てる方として…

アイネクライネナハトムジーク

★★★ 2019年10月2日(火) TOHOシネマズ梅田10 見る気のない映画だったのだが、多部ちゃん主演ってことでムビチケを買っていた。 ところが、結婚するんだそうで、そんなことなら見んかったわ、金返せー。 とまあ、ええ歳こいたおっさんが何ほざいとんね…

悪女軍団

★★★ 1981年10月25日(日) ダイニチ伊丹 東映ピンキーバイオレンス的鈴木節を日活ロマンポルノの枠組みで復刻したおかげで、枷が取れてサバケた開放感がありカラリと晴れ上がったかの如く爽快である。乗りに乗る3女優を前に小沼も耽美派の旗を降ろし職人に徹…

愛と希望の街

★★★★ 1981年6月20日(土) 今津文化 殊更に斬新な主張があるわけでもないのだが、それでも別格的な印象を受けるのは、作り手の強固な意志の存在が抜きんでているからだ。人間感情の曖昧なロジックではなく幾何学的論理性のみに立脚した脚本。その蒲田イズムと…

あなたの名前を呼べたなら

★★★★ 2019年6月17日(土) テアトル梅田2 恋は障壁があるほど燃え上がる。 なんちゃって、柄でもないこと言ってますが、実際、夫婦であっても、隙間風が吹き出したとき、なにか共通の障壁が出てきて、やむをえず一緒に乗り越えていかないとしゃあなくなる。…

悪の法則

★★★ 2013年11月23日(土) 大阪ステーションシティシネマ12 「起」を抜いた進行形の渦中にいきなり叩き込まれるのは良しとしても、板子一枚下の地獄をブラピの台詞で全語りするのは小説的に過ぎないか。糞尿の中で彷徨い続ける死体等如何にもな文学臭が美…

赤い鳥逃げた?

★★★ 2019年7月7日(日) シネヌーヴォ 原田芳雄と桃井かおりと藤田敏八。 といえば、70年代を代表するアイコンで、この3人の組み合わせってのが、ありそであまりないんじゃなかろか。 のであるが、藤田敏八の映画に、あまり感じ入ったこともないので期待…

嗚呼!おんなたち 猥歌

★★ 1981年10月25日(日) ダイニチ伊丹 森崎的猥雑な女性賛歌として語られるはずだったろう世界が、神代のスタンスが定まりきれずに、虚無と狂気と阿呆と律儀を往還する内田裕也に振り回されてついてくのが精一杯に見える。ギャグが上滑りして笑えない漫才を延…

新しき世界

★★★★★ 2014年2月22日(土) シネリーブル梅田1 既視感のある設定とも言えるのだが、豊穣で魅力ある細部の連鎖と組み合わせの妙が否応なくアドレナリンをかきたてる。一筋縄でいかぬキャラもてんこ盛りだが特筆のジョンミンの大友イズムと大陸の物乞い。そし…

愛の渦

★★★★ 2014年3月15日(土) テアトル梅田1 一応は醒めた社交性が支配する場に於いて乱交ではない相対の交合いが秩序を保たれつつ繰り広げられる点に於いてマニュアルに支配された今を撃っている。宴のあとの冷めた朝の空気が良い。その中で唯一何かを穿とう…

アデル、ブルーは熱い色

★★★★★ 2014年4月12日(土) 梅田ブルク7シアター3 出会いと別れに纏わるザ・シンプルな内容で、物語的なギミックは皆無。同性愛をめぐる周囲との軋轢が後半放逐されるあたり寧ろ興味がないのだろう。ひたすら2人の射抜き射抜かれる視線の交錯と最深部まで…

赤×ピンク

★★★ 2014年4月17日(木) 梅田ブルク7シアター5 男の子と称される主人公がバリバリ女の子にしか見えぬのがヤボと思ってはいかんのだろう。これはタカラヅカのようなファンタジーなのだ。一方、多田あさみの腋汗がリアリズムを一身に背負い感動的。山口・榊…