男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ああ~あの】

愛と哀しみのボレロ

★★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 全く連関の無い並立的な4つの挿話を強引にクライマックスに収斂しようとするのが粋とも思えず強引の印象になったのは、ノンジャンルに音楽界ビッグネームを並べ立て伝記然とした括りをつけたが為だろう。闇雲なパワーは認…

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!

★★★ 2012年1月21日(土) 新世界国際劇場 掴みからして完璧にサイコーだし、主人公2人のキャラに絡んだボケ・ツッコミ設定は総じてギャグも高度である。特にエヴァ登場時のマークのリアクションは納得もの。ただ、どうにも肝心の事件絡みが弾けないのだな。…

あゝ野麦峠 新緑篇

★★ 1982年2月6日(土) 伊丹グリーン劇場 初期プロレタリ運動勃興を描き1作目よりもスケールアップすべきところがショボくなり貧相さが際だつ。傍観者三原のニヒリズムと後半の主軸となる石田の対比が序盤から設計されぬので場当たり的でドラマトゥルギーが生…

アウトランド

★★★★ 1982年3月10日(水) 伊丹グリーン劇場 SF的意匠を凝らした形而上的設定ではなく、『真昼の決斗』焼き直しの地に足を着いたストーリーが寧ろ新鮮。そして、美術など画面を彩る仕掛けも手抜き無くハイブロウだ。多くのグッドジョブを残していくハイアム…

悪魔の部屋

★★ 1982年4月24日(土) ダイニチ伊丹 ガラス窓1枚隔てた外は大都会の喧噪というのが映画を「監禁もの」の刹那感から遠ざけた。そんなことを抜きにしても密室で続く男と女の関係が変質していくドラマが淡泊でペラペラ。ただただ中村れい子が美しい。それしか…

アクシデント

★★★ 2012年5月26日(土) 新世界国際劇場 彼らの仕事の徒に複雑化した阿呆らしさが映画的趣向だと認めるものの、やっぱ阿呆らしい。その阿呆らしさが肝心の疑心暗鬼劇を矮小化させてしまい、主人公がピエロに見える。ただ、4人の人物設定の背景世界をも垣間…

愛と誠

★★★★ 2012年6月17日(日) MOVIXあまがさき9 今時「ブルジョワ」対「不良」のお笑い構図をやる為の納得コンセプトではあるが、にしては終盤結構マジ涙腺を刺激され、嘗ての三池が必ず陥った破綻を回避するネバリ腰。ただ、その一歩手前を線上で維持し…

アタック・ザ・ブロック

★★★ 2012年6月23日(土) シネリーブル梅田2 少年達が主役なので、所詮はコード内に留まらざるを得ない生ぬるさで、かと言って友情や成長といった真摯なジャンルテーマにも感度低い。外景や遠景を駆使せぬ演出は高層住宅という魅力的空間を活かし切ったとも…

悪魔の金

★★★★ 2020年7月19日(日) プラネットスタジオプラス1 悪意に魂を売った男の話は「ファウスト」はじめごまんとあるのだが、これがちょっと異質なのは、ダニエル・ウェブスターなる実在の政治家を物語に配したとこで、まあ言うなれば彼の英雄譚だ。 なんじゃ…

悪人伝

★★★ 2020年7月17日(金) 梅田ブルク7シアター3 「新感染 ファイナル・エクスプレス」で日本でも認知され、主演映画が続々公開の運びとなったマ・ドンソク様の新作でございます。 そして、今回はシリアルキラーとノワールのジャンルミックスという新たな地…

愛と喝采の日々

★★★ 1978年8月29日(火) 大毎地下劇場 バリシニコフとブラウンという若い2人のバレエシーンの本物の前にベテラン女優の肝心のドラマが霞んでしまう。凌駕できるような圧倒のドラマトゥルギーが不足してるから。岐路での選択への屈託が女同士のつかみ合い喧…

アウトレイジ ビヨンド

★★★★★ 2012年10月7日(日) MOVIXあまがさき11 今更な西田や中尾の起用が『代理戦争』の旭や梅宮級の触媒となり化学反応を及ぼした。余りな単線いてまえ構図を小日向の介入を随所に錯綜させ複層化した巧味と終局の詠嘆。強固な顔面羅列の言葉のどつき…

AKIRA

★★★ 2020年6月7日(日) TOHOシネマズ梅田9 80年代の連載当時、ヤンマガは読んでたし、あのどでかい単行本も買っていた。で、この映画化作品をなぜ当時スルーしたのかと思うに、大友の完成され尽くした漫画が、あるべき地平まで行き着いてしまってる…

愛と青春の旅だち

★★★ 2020年5月31日(日) 大阪ステーションシティシネマ2 玉の輿を狙って士官学校の若いのをたぶらかそうとする女の話で、私は違うのと言ったりするが結局はそういうことなのである。 80年代初頭の映画だが、70年代の終わりには「結婚しない女」や「ミ…

秋のソナタ

★★★★ 1982年9月26日(日) 三越劇場 透徹された表現主義は影を潜め自然主義的表現だからこその火花散る演技合戦に圧倒され、ショッキングなディテールも冴える。そして、カメラの前後の葛藤にも。対極の映画史を背負った2人のBergman。絶望の深淵からしか得ら…

悪の教典

★★★ 2012年11月11日(日) MOVIXあまがさき6 主人公の来歴なぞ必要もないものを寸語りするので純度が落ちる。故に一方的に「モンスター」に蹂躙されまくるだけのバカ絶対映画の地位さえ失った。でも、そんな地位に意味があるとも思えない。伊藤は確か…

アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち

★★★★★ 2012年12月27日(木) シネリーブル梅田1 心を病むことは特別なことでもない。地続きの日常の中で他者と混じわい軋轢があってこそ少しづつでも前に行ける。宴と前後する数日の人の出入り捌きの錯綜のダイナミズムはアルトマン級で、痛さを直視する怜…

アナザー・カントリー

★★★ 2013年1月17日(木) テアトル梅田1 おっさんがもったいぶって語らう回顧譚に驚くほど何も無い事が衝撃でさえある。ゲイ天国と化したらしき全寮制ハイスクールのパワーゲームは本質を描かぬことでスカスカだ。「惑星」のボーイソプラノとアイビーに惑う…

アウトロー

★★★★ 2013年2月7日(木) MOVIXあまがさき6 ダサいカットバックに疑念を感じる冒頭だったが、やはりトムのキャラ把握の的確とカリスマは大したもんだと思わせる。一瞬の躊躇を挿み軽くコードを超える「やってもた」感が快感。久々のデュバルの闊達とウ…

愛、 アムール

★★★★ 2013年3月15日(金) シネリーブル梅田1 捻りも無い老老介護映画とも思えるのだが、それでも、感情を抑制し事の進行を淡々と凝視する精緻さには引き込まれる。鳩とトランティニャンの引き芝居の長廻しこそハネケの真骨頂。過酷な帰結のあとの黄泉への…

アッシイたちの街

★★ 1981年3月11日(水) SABホール 中小企業を題材に虚々実々の親会社との攻防を描くのであれば、脇を固める山本ファミリーが俄然水を得たであろうに、工員バンド「アッシイ」が高らかに労働讃歌を歌うアナクロぶりが観客の心を絶対零度に凍てつかせてし…

アニマル・キングダム

★★★ 2013年5月13日(月) 新世界国際劇場 過剰なものに慣れすぎたからだろうか。極悪ファミーリアから連想される激刺激は皆無である。心理的葛藤劇としてのサスペンス醸成にも無頓着であり、肩寄せできるキャラが無く淡々と流れていく時間。それが味と言えば…

アイランド

★★★★ 2013年6月24日(月) トビタシネマ 新味無き題材をベイが如何に料理するか期待もしてないが、体力勝負に出たあたり涙ぐましくさえあった。半端ない中盤の展開。高層ビルの縦方向の落下チェイスが高速道の横方向の弩級の破壊ショーに繋がる緩みの無さ。…

アシャンティ

★★ 1981年3月21日(土) トビタシネマ 顔見せ程度にちょっと出ては消えていくロートルスター達が緩すぎる。ユスティノフは全然怖くないしホールデンは柄じゃない。一方で砂漠で光るアラブの男ベディは嘗てのシャリフをも髣髴とさせ光る。冷えた好食材は親爺…

ANO ANO 女子大生の基礎知識

★★★ 1981年5月4日(火) ダイニチ伊丹 どうでもいい話だってのは皆十分に判った上で、それでも精一杯努力し貨幣対価に相当するものを創ろうとすることは素晴らしいことだ。ロリータな森村陽子はロマンポルノ史上空前絶後の可愛らしさだった…と思う。(cinemas…

アタラント号

★★★★ 1981年5月21日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 上流から下流へ田舎から都会へと小さな船で下って行くってのがミソで、流れる景観は開放と希望を表象する。船内密閉空間でも気の置けぬ爺さんとガキに囲まれ若夫婦を包む慎ましくも幸せな共同体幻影…

アイリッシュマン

★★★ 2019年11月25日(月) シネマート心斎橋2 以前、スコセッシはフィルムへの拘りを語る作家だった。 はずであるが、そういう拘りの人なら、当然にスクリーン投影の映画館主義であってもいいはずなのに、NET配信映画になびいた。 かわりに、明後日の方…

明日に向って撃て!

★★★★ 1975年6月1日(日) 阪急プラザ劇場 1976年4月18日(日) 伊丹グリーン劇場 どうやっても躱し切れない追手の松明の灯りにアウトローであることの虚飾ない居た堪れ無さが心に沁みる。無口な人嫌いが絞り出す「泳げない」の一言と眼差しの哀しみ。この中…

秋津温泉

★★★★★ 2019年11月3日(日) シネヌーヴォ 長らく見たかった映画で、俺の直感は見るべしと発し続けていたが機会がなかなか無かったのだが、やっと見れた。 これは、傑作だと思う。 昨年、旧作の日本映画で今更のドギモを抜かれた小津の「浮草」に匹敵するポジ…

アップグレード

★★★ 2019年10月30日(水) 大阪ステーションシティシネマ7 そんなに期待してたわけでもない。 で、期待通りに普通だった。 AIが飛躍的に発達し何かと人口に膾炙する今だからこそ、この程度の旧態な機械に人間が支配されるみたいな話では普通すぎるんやな…