男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【い】

1987、ある戦いの真実

★★★ 2018年9月27日(木) シネマート心斎橋1 ナ・ホンジンの2作(「チェイサー」「哀しき獣」)で主演をつとめたキム・ユンソクとハ・ジョンウの3度目の対峙作。 なんて見方は、本質からずれているのだろう。 それでも、この中盤でほとんど消える検事のジ…

イコライザー

★★★★ 2014年11月6日(木) 大阪ステーションシティシネマ11 全ての男どもが思い描く夢の最大公約数を具現化するに全く躊躇せず工芸品を愛しむように丹念に磨き上げられた世界。この微妙な過剰さの匙加減がフークワの特質だろう。終盤のそこまでいっちゃう…

愛しのアイリーン

★★★★ 2018年9月17日(月) 大阪ステーションシティシネマ5 原作未読…っちゅうか、ここ20年くらい漫画読んでません。 であるから、この展開の転がり方に驚いた。 吉田恵輔監督の「ヒメアノ~ル」の印象があって、狂気の予断があったのかもしれない。 確か…

インターステラー

★★★★ 2014年11月22日(土) 梅田ブルク7シアター7 尺を費やした親子の絆を水の惑星のエピソードでものの見事に断ち切る意外性は後段の未だ見ぬ地平への期待を弥増させるのだが、周回しての落し所はそこかという万人の安心ラインが失望だ。絵面は多少『オブ…

異邦人

★★★ 1980年9月14日(日) SABホール 一流の匠達が粋を尽くした立派な器に盛られた純文学の贋作だが、終ぞこのムルソーからは真の実存主義的テーゼは見えてこない。原作を絵にしただけならまだしもだが、後半の裁判シーンの冗長さが相当に下司なのだ。(cinem…

インクレディブル・ファミリー

★★★ 2018年8月4日(土) TOHOシネマズ梅田5 「ファインディング・ドリー」のときも感じたのだが、10数年を経ての続篇って何か胡散臭い。 儲かるもんなら何でもの映画産業に於いて、敢えて当時作らなかったのは、これは一発限りという矜持みたいなのが…

犬ヶ島

★★★★★ 2018年5月28日(月) TOHOシネマズ梅田4 「七人の侍」の主題曲を、俺は今までいい曲だと思ったことはあんまりなかった。 のであるが、やさぐれた捨てられ犬たちが愛犬を探しにきた少年のために一肌ぬぐってとき。 それが高らかに鳴り出して、胸が…

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

★★★ 2015年3月18日(水) TOHOシネマズ梅田7 エニグマ解読の軌跡は幾何学図形やレトロCPの形象の珍奇さで誤魔化され結局決め手はそんなことかいという落胆。文系男子が理系題材を調理したってこの程度かと思う。終盤、大局的非情と性嗜好の露見が錯綜する…

イン・トゥ・ザ・ウッズ

★★★★★ 2015年4月4日(土) 梅田ブルグ7シアター5 可愛くも綺麗でもない御伽噺の人物挿話がパロディックに連関する前半が絶妙の端折り具合で、又王道ミュージカルな楽曲の冴えが70年代的芳香なのだが、一転、テロルの連鎖に晒された今に如何に向き合うか…

インヒアレント・ヴァイス

★★★ 2015年4月21日(火) シネリーブル梅田3 ウィルソン登壇辺りから流れを見失い気が付けば終盤だった。そういう迷宮世界の混沌に酩酊する物語だとしても、キャストの鮮度落ちの熟成が足りなく生腐りで旨み成分が出てない。天使のようなキャサリンちゃん再…

いぬやしき

★★★ 2018年5月1日(火) TOHOシネマズ梅田10 佐藤信介の映画は初期の「修羅雪姫」と直近の「アイアムアヒーロー」しか見ていない。 だが、そのアクション演出はシャープでキレがあると思っている。 で、本作であるが、悪いが物語の構築をてんで考えて…

怒りの葡萄

★★★★★ 1980年12月7日(日) SABホール 現実に貧乏な時代に作られたからこそのリアリティと現実に家族が固い絆で結ばれていた時代だからこその感銘が抜きん出ている40年代フォードの貧乏アメリカ3部作の初作にして最高作。トーランドの撮影も特筆もの。(c…

伊藤くん A to E

★★★★ 2018年1月19日(金) TOHOシネマズ梅田5 TVドラマがあったようだが、未見。 なので比較のしようもないが、予想外に良かった。 「伊藤くん」とタイトルに冠されているが、これは木村文乃扮するアラサー女の再生譚だ。 で「伊藤くん」は単なる狂言…

犬どろぼう完全計画

★★★ 2015年7月25日(土) シネマート心斎橋2 子供のチャチい計画を大人脳で斟酌せぬまま出されても仕方ない左程ポップでもなく諧謔も皆無な児童映画。ただ安易に太平楽な結末を迎えるのではなく現実を噛みしめたかのようなラストがいい。何よりイ・レちゃん…

IT “それ”が見えたら、終わり。

★★★ 2017年12月4日(月) MOVIXあまがさき10 原作は、ずいぶん昔に読んでいるのだが、ほとんど記憶になかった。 ただ、冒頭の弟が失踪する場面はなんとなく覚えている。 キングお得意の細密な環境描写が冴えまくっていたような気がする。 で、この映…

いぬむこいり

★★★ 2017年7月29日(土) 第七藝術劇場 この監督の「アジアの純真」って映画を何年か前に観たとき一種の覚悟のようなものを感じた。 平和な日本で安穏と暮らす緩んだ感覚を撃たれた気がした。 4時間、2,500円って普通なら俺は見に行かない。 「ハッピ…

★★ 1977年6月5日(日) 東梅田シネマ 失踪というアントニオーニモチーフは日本風土で内田私世界に還元され藤田のモラトリアム価値観を乗され意味不明の混濁に至る。ベビーフェイスの巨乳が襖一枚隔てて今の世界は情緒を廃され風船は萎む。ファーストシーンから…

イナゴの日

★★★★★ 1977年12月11日(日) 元映 兎に角、嫌らしい奴と情けない奴しか出て来なく、悪が弱者を駆逐していく構図の先端に少年を配するという徹底振りが突き抜けている。スペクタキュラーな要素も織り込んでハリウッドへの憎悪を込めた退廃ムードが出色。(cinema…

犬神家の一族

★★★ 1976年11月16日(日) 伊丹ローズ劇場 泥々の因縁話を欲の皮の突っ張り合い程度で茶を濁した感があり本質は遠ざかる。ジャパネスクと崑テクの融合はコンセプトは明快だが、腐乱死体の湖中ショットや金田一閃きの3連繋ぎなど冴えた断片が馴染みきれてない…

怒り

★★★★ 2016年9月18日(日) MOVIXあまがさき5 ミスリード職人吉田修一に生真面目に正面突破で立ち向かう演出の剛直と凡庸な内実をギリシャ悲劇めいた大上段からのドハッタリで崇高にまで高めてしまう思い入れ。だが、それを不快に思わないのは社会か…

五日物語 3つの王国と3人の女

★★★★★ 2016年12月20日(火) 大阪ステーションシティシネマ6 中世欧州を舞台にした奇譚なんて、もう、うんざりっす。 テリー・ギリアムとかティム・バートンとかピーター・ジャクソンとかどれも似たり寄ったりやん。 と、思ってましたが、これ良いです…相当…

いまを生きる

★★★ 2016年10月7日(金) 大阪シテーションシティシネマ7 佳境とも言える事件が終盤の展開の為にする感濃厚で、そういう構造を見えすいてると思い出すとフィナーレもどっチラケだ。大体この先生のぶつ凡庸な教育論を成り立たせる為には時代の抑圧が描写不足…

イージー・ライダー

★★★★ 1976年9月5日(日) 伊丹グリーン劇場 「俺たちゃあ束縛されないぜ!」と時計を投げ捨てたキャプテン・アメリカが渇望し広大な大地をひたすらバイクでぶっ飛ばした「自由」は徴兵制等のリアルな束縛からの解放願望と思えば切ない。自由が横溢する世界で…

インフェルノ

★★★ 2016年11月19日(土) 梅田ブルク7シアター7 まあ、全然面白くもない映画だが、腹も立たぬのは小賢しさのないロン・ハワードの人徳でしょうか。 主人公の記憶喪失から始まるありがちな導入ではあるが、戻ってくる記憶のピースがはまっていく構築の快感…

イレブン・ミニッツ

★★★★ 2016年9月12日(月) シネリーブル梅田1 時制の反復や彼岸と此岸の融解など既視感ありのテクを詰め込んだ精緻なバッタもんやんけとも思うし大風呂敷広げてその程度かとも思うのだが、それでもスコリモフスキ爺さんのしてやったりでダークな無邪気さは…