男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【お】

狼たちの午後

★★★ 1976年12月7日(日) 伊丹グリーン劇場 成り行きから初舞台に立った男が空気に慣れ饒舌化し自分をさらけ出し始める。整った設定と申し分ない役者を誂え、それでも弾け切らないのは演出が流されてるだけだからだ。外の炎暑の不足は中での不穏な冷気を弱め…

オンリー・ゴッド

★★★★ 2014年1月25日(土) 梅田ブルク7シアター7 原色に濡れたアジアが異界めいてるのだが、そこに理解を超越した倫理が跋扈し通り一遍のノワールを遥かに逸脱している。堪らなくゴアでクールだがギリシャ悲劇のようでもあり吉本新喜劇のようでもあり香港…

黄金の腕

★★★★★ 2019年6月23日(日) プラネットスタジオプラス1 子供のころにTV放映で見た覚えがあるのだが、ほとんど忘れていた。 エルマー・バーンステインの主題曲があまりに有名。 故に、曲だけが残って、映画本篇はたいしたことないんだろうと思っていた。 …

おもいでの夏

★★★★ 1981年9月5日(土) 毎日文化ホール 泡沫の如くに過ぎ去るひと夏の思い出が人生に何を呈するのかなぞと野暮は言わずに浸りきろうという割り切り。ズームやスローモーションの多用がかなり煩いが、ここまで戦略的にやられると諦めがつく気もする。ベタに…

オーメン 最後の闘争

★★★ 1981年8月31日(月) 新劇会館 天使にも準える幼気な子供が悪さするのがシリーズのキモだった筈なのに、おっさんになってしまったのでは妙味を欠く。しかも一大コンツェルン総帥にして政界進出を目論むと大風呂敷広げた割には追われて防戦一方なのが竜頭蛇…

犯された白衣

★★ 1981年10月17日(土) 新世界東宝敷島 内向し自己完結するテロリズムはオナニーに過ぎない。足立が投げたテーゼは若松と唐の商業主義的妥協に媒介され半端な形で現出してしまったのではなかろうか。画力はあるが俺にはマイナーすぎ。(cinemascape)

オズの魔法使

★★★ 2014年4月16日(水) 大阪ステーションシティシネマ12 芸達者だがトラウマを抱えたおっさん3人衆が少女を庇護しつつの珍道中もので、彼らはその過程で悩みから解放されるが、ドロシーは何かを得るわけではない。その無私性は愛すべきだが啓蒙的な強圧…

オーソン・ウェルズの フェイク

★★ 1980年4月12日(土) SABホール フェイクをめぐるフェイクドキュという入れ子構造が何かの化学反応を呼び起こすわけでもないしウェルズ自身が自身について言及するに大ぼらこいてシャレのめしても今更感が拭えない。多分にテキトーだし何と言ってもネタ…

思えば遠くへ来たもんだ

★★★ 1980年8月19日(火) 伊丹グリーン劇場 古生代ジュラ期の化石の如き民青イズム臭横溢する物語とニキビ汁と四畳半のスペルマを彷彿させる海援隊というマイナス要因が合体し2乗されれば何故か普通の映画になった。叙情性あふれる主題歌は実は好きだった。(c…

オール・ユー・ニード・イズ・キル

★★★★ 2014年7月6日(日) MOVIXあまがさき11 リセッタブルな運命なんて糞食らえだが、こうまで過剰にリセットしまくりだと、ギャグ臨界線上での均衡がスリリングに感じられ、反復の省略術が基本に忠実で巧緻なのも快感神経を刺激する。演出は安定感が…

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花

★★★ 1980年8月19日(火) 伊丹グリーン劇場 寂れた風情がしっくり来る寅に常夏の沖縄が似合ず、シリーズのキモである孤独感は表出されずじまいだ。又、リリーと同居するという決定的な設定を否応なく組まざるを得なくなってもシリーズ存命の為に、肝心要なとこ…

お茶漬の味

★★★★★ 2018年10月18日(土) シネヌーヴォ 小津の映画を観るのは数十年ぶりです。 4Kデジタルリマスター版とか称してるけど何ほどのもんでもない。 て言うか音ずれしとるやん、舐めとんのか! 大体やねえ、デジタルリマスターとか恰好つけて言ってるが、そ…

小野寺の弟 小野寺の姉

★★★ 2014年10月25日(土) MOVIXあまがさき7 彼女の心を斟酌できぬ遮眼帯弟と同タイプ男に翻弄される姉という閉じた世界の救われなさに本気で向き合うことなく流され已む無しとするのは映画処女作としてこの監督どうなのよと思う。表現的にも見所も無…

女と男のいる舗道

★★ 1980年10月5日(日) 大阪府中小企業文化会館大ホール 娼婦であるというリアリズムが、ドライエルを見て涙し哲学者と会話するゴダール脳内醸成された「女性」と乖離しまくる。見てて恥ずかしくなるような青臭さ横溢。カリーナ愛はけっこうだがジャンル冒涜…

犯す!

★★★ 1980年10月14日(火) 関西学院大学学生会館大ホール レイプを契機に最初はイヤよでもやがて淫乱街道まっしぐらな八代に哀感はなく、かといって爽快でもない。寧ろ胡桃とかナイフとか勿体ぶって象徴性を暗示させてしまうとこが内向的に淫靡。長谷部の資質…

喜劇 女は男のふるさとヨ

★★★★ 2015年1月17日(土) トビタ東映 美津子や魔子を巡るエピソードがそれ程に感銘的とも思えぬとっ散らかし的混沌なのだが、或る意味でのラストリゾート新宿藝能社を営々と維持する森繁・メイ子に改めて敬意と羨望を抱く。理想郷に於ける理想の夫婦像を巧…

女と男の観覧車

★★★ 2018年7月7日(土) シネリーブル梅田3 どうも、前作の「カフェ・ソサイエティ」から撮影を担当しているヴィットリオ・ストラーロが今いちに思われる。 アレン作品の撮影監督はどっちかというと硬質な画作りをする人が多かった気がするのだ。 初期のゴ…

終わった人

★★★★ 2018年6月22日(土) 大阪ステーションシティシネマ4 まあ、俺にとって身近な問題を描いた映画ってことなんです。 が、貯金ゼロ・借金いっぱいの俺には悠々自適の日々なんて一生こないんだろう。 それに比べて、この主人公はたんまり退職金もらって、…

男のゲーム

★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ グロい顔面破壊のバリエーション集は、一応ゲームボードのような選手のクルクル動きとビール&クッキー片手のTV観戦男の無情と熱狂観衆フィルムとの反復モンタージュ&呑気な音楽で修飾されるのだが、基本、スポーツ…

おしゃれ泥棒

★★★ 1980年8月1日(金) 毎日文化ホール ピークアウトした妖精とマッチョレスな性格俳優では御伽噺は成立しない。ワイラーは鍵やブーメランで冗長なネバリを見せるがベッケルやメルヴィルになろう筈もなく、全篇緩みっぱなしのこれが、あの『ローマの休日』の…

陥し穴と振り子

★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ 設定に関して驚きは無いものの、拷問機械の子供じみた悪魔チックデザインの御愛嬌を舐めてるうち執拗に反復運動を繰り返し迫り来るそれが平衡感覚を麻痺させる。平常心は次第に蝕まれ判断力は夢幻の彼方に葬られる。そ…

大いなる幻影

★★★ 1979年3月11日(日) SABホール 敵味方が同じ貴族であることをもって、お互いを理解し合うというのが如何にも太平楽であり、あんまり琴線には響かなかった。ただ、脱走後に庶民であるギャバンが一時の平穏を得る山間部の描写は輝いている。(cinemascape)

男はつらいよ 噂の寅次郎

★★ 1978年12月28日(木) ダイニチ伊丹 シリーズには間違いなくバイオリズムがあって、不調期に奇を衒ったものを連発して みたものの益々病状が悪化し、ヤバイと思ってオーソドックスに回帰したもののルー ティーンワークにしかならなかったという冴えない作品…

オレの獲物はビンラディン

★★ 2018年4月19日(木) 新世界国際劇場 ラリー・チャールズの映画は、「ブルーノ」しか見てないのだが、あれは傑作だった。 なんというか、胆の据わり方がハンパなくって、殺すもんなら殺してみやがれっていう開き直りがたまらんかった。 「ブルーノ」を含…

俺は上野のプレスリー

★ 1978年12月28日(木) ダイニチ伊丹 制作当時でさえアナクロであった純情男の恋がヘナチン男なのに簡単に成就してしまうのが温すぎ、しかも、それをクド過ぎる吉幾三とカルーセル麻紀をサブストーリーに配し縁取るとあっては見てるのが一種の苦行にさえ思え…

女は二度決断する

★★★ 2018年4月14日(土) シネリーブル梅田1 こういうことを言いたいなら、主人公の設定はどうにかならなかったのかって思う。 冒頭、刑務所に収監中の男と結婚。 男は出所後、悪行から手を引いたらしいが、それでも胡散臭い連中と付き合いがある。 女も体…

オール・ザット・ジャズ

★★★ 1980年11月18日(火) 大毎地下劇場 お手盛りの自画自賛映画だとしても、せめて10年早くフォシー自身の主演で撮って欲しかった。ショービズにどっぷり浸かった男の佇まいがシャイダーではどこか嘘っぽい。ロトゥンノを擁してもフェリーニの夢幻の境地に…

オーケストラ・リハーサル

★★★ 1980年12月27日(土) 三越劇場 映像ハッタリ翁フェリーニも目眩く虚仮威しを封印されたワンセット劇でなんとなく冴えない。そもそも描かれるべきエモーションは映画には存在せず場当たりな帰結で誤魔化すのであれば破壊のカタルシスは生じようがない。ポ…

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分

★★★★★ 2015年7月11日(土) シネリーブル梅田1 愛する妻子をどん底に落とし責任を負った仕事を放っぽらかしても男には断腸の思いで果たさねばならぬ信義則がある。リミッターが振り切れそうな真夜中の疾走と孤独が皮膚感覚で迫る濃厚な86分。アウトバーン…

オペレーション・クロマイト

★★★ 2018年1月20日(土) 新世界国際劇場 安いヒロイズムと安いCGとご都合主義がテンコ盛りで食傷します。 …で、済んじゃうような映画です。 が、それでも、あらためて朝鮮戦争って何だったのかを考えてみる切欠にはなる。 リーアム・ニーソン扮するマッカ…