男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【お】

オペレーション・クロマイト

★★★ 2018年1月20日(土) 新世界国際劇場 安いヒロイズムと安いCGとご都合主義がテンコ盛りで食傷します。 …で、済んじゃうような映画です。 が、それでも、あらためて朝鮮戦争って何だったのかを考えてみる切欠にはなる。 リーアム・ニーソン扮するマッカ…

鬼火

★★★★★ 1979年2月18日(日) 大毎地下劇場 1980年8月3日(日) SABホール 強固なまでに内省的で文学臭ふんぷんたる出来だが、惚れ惚れするくらいに堂に入ってる。トーマス・マン「魔の山」めいたサナトリウムの似非会話の空疎。クロケのモノクロームの艶とサテ…

オリエント急行殺人事件

★★★ 2017年12月10日(日) MOVIXあまがさき5 原作未読なので、どうしたって1974年版の映画と比較してしまう。 しかも、俺は見たのが数年前なのであった(午前10時の映画館)。 まず、ポワロだが、フィニーの作り込んだ造形からすれば凡庸。 「ナ…

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け

★★★ 1978年3月17日(金) アサヒシネマ 重心を2つ持たせて成功した例もある(『知床慕情』)ので一概に言えないが、宇野重吉が立ちすぎて太地喜和子のキャラが霞む。そして、霞むには惜しすぎるキャラなもんだから重吉翁が鬱陶しくさえ思えてくる。 (cinemasc…

男はつらいよ 翔んでる寅次郎

★★ 1979年8月4日(土) ダイニチ伊丹 階級が滅んだ時代に、形骸化したそれに拘る姿勢は、底辺からそれを撃つかにみせかけ続けた山田の姿勢がポーズにすぎないことを逆説的に露呈させる。異端の桃井起用も更なる無惨さを煽るだけ。シリーズでも最悪の部類。(cin…

俺物語!!

★★★ 2015年11月1日(日) MOVIXあまがさき6 何だか進捗しないままループしてるかのような展開がどうかとも思うし、増量したから偉い訳でもない亮平に殊更な感興も湧かない。全ては永野芽郁ちゃんの1点の曇りなき性格の可愛らしさ。彼女のお蔭でこの胡散臭…

男はつらいよ 寅次郎相合い傘

★★★ 1978年3月17日(金) アサヒシネマ お嬢さん女優浅丘ルリ子の演じる裏街道ヒロイン「リリー」のキャラは評価が高いが何だか作り物めいて見える。コテコテすぎるのかも知れない。同じ道往く者同士の連帯愛はシリーズの決め事を破壊させかねない。そういう苦…

男の子の名前はみんなパトリックっていうの

★★★ 2017年9月23日(土) プラネットスタジオプラス1 なんというか、まあ、スケコマシ野郎の掌話であります。 これを、「いとこ同志」で同じような役を演ったジャン=クロード・ブリアリがお手の物で演じる。 2股かけられたルームメイトの女の子2人は3股…

幼な子われらに生まれ

★★★★ 2017年9月23日(土) テアトル梅田2 バツイチ同士の再婚家庭で連れ子との関係がうまくいかないという、何の奇矯な設定もない話。 なのだが、終始不穏な緊張感が持続する。 キャスティングに因るのだろう。 「淵に立つ」の限りない悪意を飲んで潜めた男…

オルカ

★★ 1978年5月5日(金) 伊丹グリーン劇場 『ジョーズ』便乗企画を巨大シャチで勝負するラウレンティスの映画屋魂はありとしても無機的な殺人魚に対して情てんこ盛りの擬人化親子愛ダダ漏れでは古めかしすぎる。北海の景観は情緒を味わうまえに寒々しくて辛気く…

俺は田舎のプレスリー

★★ 1978年8月7(月) ダイニチ伊丹 勝野・鮎川ラインのドラマが弟子筋仕事で気の無い山田イズムに乗った微温の極みでどうしようもない。いっそ毒を食らわばでカルーセルで押しまくってほしかった。所詮は混入した異物は弾き出され異化作用を及ぼすことなく日々…

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール

★★★★★ 2017年9月23日(土) TOHOシネマズ梅田8 極めて普遍的な感情を描いて、文字通り絵に描いたように映像に定着させる…ってことは結構に壁が高い。 漫画でよくある男子が可愛い娘ちゃんを見て目がハート心臓ドッキュンみたいなのはリアルな映像に定着され…

オン・ザ・ミルキー・ロード

★★★ 2017年9月18日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 冒頭の30分くらいは凄い。 動物君たち大集合の生きとし生ける生業と無常が炸裂。 人もまた何時終わるやも知れぬ戦闘状態下で疲弊し自棄のやん八で生ける生業と無常が滞る。 ミルク売りの娘の家では…

オレンジロード急行

★★ 1978年4月29日(土) ダイニチ伊丹 1982年11月3日(水) 関西学院大学1号別館1号教室 モラトリアムが意味を失った時代にファッションとしてそれを仮装するダメさを。或いは苛烈な旅路の果てに迎えた老境をコンテンポラリーな可愛い年寄り像へと封殺する愚を…

男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく

★★1978年8月7(月) ダイニチ伊丹 慎ましやかな人々を描いてこその山田演出は花形スターをマドンナに持ってきて端から届かぬ感を漲らせシラける。SKDの楽屋裏の描写が旅一座的猥雑さを混じえて良いのだが、華のあるべき場面まで泥臭いのでは救われん。武田…

男はつらいよ 葛飾立志篇

★★★ 1978年3月17日(金) アサヒシネマ シリーズで再三サブテーマのように取り上げられる「教育」が決して教条的にならないのが山田の上手いとこだと思う。中年勉強バカ同士の恋を描いて本線から離脱ぎみだが小林桂樹が巧く飽きない。役名「田所教授(『日本沈…

オリエント急行殺人事件

★★★★ 2016年2月6日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 貧民どもを蹴散らしブルジョワたちが乗車するプロローグが豪気で笑える。フィニーが造形したポワロのゲイ的変質味が突出し12人顔出し凡アンサンブルを統御。雪に閉ざされた情緒は『12人』の暑熱…

オデッセイ

★★★ 2016年2月6日(土) TOHOシネマズ梅田2 総花的に過ぎる。地球を全カットしてジャガイモの栽培にでもセミドキュメンタルに尺を費やせば、もうちっとマシなもんになったかもしれない。定められた結末から逆算構築されたかのようなマニュアル臭。丸判り痩…

女が眠る時

★★★★ 2016年3月22日(火) 梅田ブルク7シアター5 剣呑なド変態を盗視するインテリなプチ変態という図式が乱歩チックであり、それがジャパネスク淫靡なアプローチでなく平凡な日本の景観を大陸の感性で濾過した世界で繰り広げられ倒錯的にエキサイティング…

おとなの事情

★★★★★ 2017年5月2日(火) シネリーブル梅田4 コンセプトは、ありがちと言うか食指の湧くもんでもない。 嘗めてかかって見たが、10分もせぬうちに引き込まれ、怒涛の流れに身を委ねた。 何がいいって、役者なのだと思う。 全員知りません…が。 リアクショ…

男ははつらいよ 寅次郎かもめ歌

★★★★ 1980年12月30日(火) 伊丹ローズ劇場 傍流とも言うべき作品ではあるが夜間学校という題材を描くに相当に腰が据わっており又松村達雄が好演で見せる。しかし、哀感ただよう伊藤蘭が兎に角可愛い。薄暮の橋の上でピンクのカーディガン。色計算をしたとも思…

お嬢さん

★★★★★ 2017年3月4日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 どんでん返しな構成も吸引力を牽引するのだが、勿論それだけではない。 ①清順仕様かと見紛うキッチュでお下劣な意匠。 ②どこかの国の頭でっかちポルノを嘲笑うかのような具体性をもった濡れ場。 ③…

俺たちに明日はない

★★★ 1976年4月18日(日) 伊丹グリーン劇場 南部の倦怠とドン詰まり感。行き場のない連中が吹き溜まりに寄せ集められたワイルドバンチの痛々しいカラ騒ぎは祝祭的に描かれる余り胸に迫らない。終盤の非情への一気の転調が揺らめき交錯する視線の刹那に結実する…

お嫁においで

★★ 1976年11月16日(日) 伊丹ローズ劇場 明らかに『若大将』シリーズの後発亜流として作られたわけだが突き抜けずイジイジ感がある。東宝的明快さで語られる社会的ヒエラルキーは打破されるのでなく温存され安住へと埋没する松竹的ことなかれ主義。それを悪い…

おかしなおかしな大追跡

★★ 1976年5月16日(日) SABホール スラプスティックはシテュエーション・コメディより難易度が高いことをマザマザと見せつけられる。命を張らんばかりの芸のみが感銘を与え得るのに坊ちゃん嬢ちゃんのママゴト芸を頭でっかちが撮ったって小賢しさしか覚え…

男と女

★★★★ 1976年10月14日(金) ビック映劇 主役2人の微妙なエッジの効き加減がモノクロ画面とシンクロして甘さを緩衝。そのうえでルルーシュは砂糖菓子のようなボサノバを流し恰好つけまくりのソフトフォーカスをこれでもかと垂れ流し臆面もない。ヌーベルバーグ…

オーバー・フェンス

★★★★ 2016年9月23日(土) テアトル梅田2 彼女のスイッチが入るのが早すぎ、いくら何でももう無理やろ思う彼がそれでも腐れ縁的に関係を続けるには描写が足りない。山下は女が描けぬのだと思う。しかし、一方でこのレア環境に置かれた男たちの沸点臨…

実録外伝 大阪電撃作戦

★★★ 2016年12月10日(土) 新世界東映 タイトルバックに未だスラムの残る70年代の大阪の空撮映像が出る。 脇雑な混沌に期待が深まるのだが、結局凡百の実録物と差異性はほぼ無い。 神戸の巨大組織の侵攻に長いものには巻かれるしかしゃあないんちゃうとい…

お父さんと伊藤さん

★★★★★ 2016年10月10日(月) 梅田ブルグ7シアター7 見栄や偏見や妬みといった感情に左右され俺たちは生きているのだが、そういう社会的関係性を削ぎ落としたっていいじゃないかとさえ思える我欲の無さが好ましいとか好ましくないとかでなく厳然と自然体で…

溺れるナイフ

★★★★ 2016年11月12日(土) TOHOシネマズ梅田3 和歌山が舞台ということで中上健次が引き合いに出されるのだが、正直読んでないんでわからない。しかし、この映画のテイストの粘度に70年代の映画「青春の殺人者」を鑑賞中連想した。さすれば、その映画の原…