男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しは~しん】

終電車

★★★ 1982年7月2日(金) 大毎地下劇場 50年代ロマネスクの主要舞台であった大戦下のパリに舞台を設定し文句無しのスター2人を主演に迎えて極めつけのメロドラマになるかと思いきや、2人の男の間を揺れ動くドヌーブが何考えてるのやら解らないトリュフォー…

新喜劇王

★★★★ 2020年7月18日(土) 新世界国際劇場チャウ・シンチーは「少林サッカー」からしか見てないので、この映画のオリジナル「喜劇王」は未見。本作はシンチー自身によるそのセルフリブートである。前作は主演もシンチーだったが、今作では女性に変更された。…

白薔薇学園 そして全員犯された

★★★ 1982年7月5日(月) ダイニチ伊丹 ただただ女を犯しまくるという全く無意味な設定をコメディ色で味付けし、ひたすらに突っ走る。アナーキーだと思う。職人小原のウェルメイドを港雄一の怪演が穿つ。しかし、定型に収束する。三崎奈美も良いだけに惜しい。(…

新少林寺 SHAOLIN

★★★ 2012年7月28日(土) トビタシネマ 流れを読ませない多くの予兆を秘めた前半は素晴らしい。だが、少林寺VS圧政者という構図はラウVSツェーの個人レベルの内部闘争に摩り替わる。熱いのだが釈然としない。ただ、ラストジャッキーに担わせた万感の想い…

女囚さそり けもの部屋

★★★ 2012年8月25日(土) トビタ東映 冒頭の地下鉄シーンは良い。だが、その後街中を腕ぶら下げて走る梶は、さそりじゃなくて女の子になっちゃってるのだよ。伊藤演出の本気度の低下は著しい。その後も何に抗うのか不明の物語が綿々と続き白ける。李の怪演も…

情事

★★★ 1982年11月8日(月) 梅田ロキシー 前代未聞の問題作であったろうしアイデアは文句無く傑作ではあるが、未だ中途半端に自然主義の尾をひきずっており、圧倒的な喪失とヒリヒリした不安を抽象化し画面内に定着させ得ているとは思えない。撮影者の問題だと思…

新・男はつらいよ

★★★★ 2013年1月17日(木) トビタ東映 真面目なさくらが不在の中、擬似寅的おいちゃんおばちゃんがフィーチャーされ、前半のドタバタは破壊力は無いが安定強度抜群。で一方で栗原小巻の可愛らしさは破壊的で、寅のダメージが沁みる。演出の見劣りは感じなか…

ジャンゴ 繋がれざる者

★★★★ 2013年3月8日(金) MOVIXあまがさき1 『キル・ビル2』に類した語り口は闊達な一方で説明的リアクションショットが気になる。臨界寸前の腹の探りあいは相変わらず見所だが、破壊的に越境するでもなく良識コード内で納まる。肥えたタラの今後が危…

少年

★★ 1981年3月1日(日) SABホール この題材を黒塗りの日の丸で規定してしまうところに大島の横暴を感じる。情緒的な泣かせと論理的な政治的指向の狭間で物語は宙に浮いて居所を失っている。思っていた内容と余りに違いすぎ、見てる間ギャップを埋め切れない…

シャイニング

★★★ 1981年3月21日(土) トビタシネマ 過去の時制が侵食するスタティックな超常現象の描写やスタディカムの長尺使用の酩酊感などの鉄壁はニコルソンの迎合的な過剰演技に侵食される。全く相容れない両者は統一を攪乱してるし予想を超えるイメージも少ない。…

ジョジョ・ラビット

★★ 2020年2月13日(木) TOHOシネマズ梅田5 なんだか、チュウボーが学校で教わったヒトラーユーゲントやゲシュタポや「アンネの日記」とかのネタを組み合わせて作って、ビートルズやらボウイやらをバックに流してイカスじゃんみたいな小賢しさを感じて…

自由を我等に

★★★★ 1981年4月19日(日) SABホール 大甘理想主義を謳歌する映画だが、予想外にクールなデザインも有している。その辺の欧州的ニヒリズムの存在がキャプラの勇気と信念のマッチョな透徹と同工にして異曲だ。工場シーンが『モダン・タイムス』の元ネタっ…

心中天網島

★★ 1981年3月1日(日) SABホール 脚本・撮影・美術・音楽と成る程、時代の先鋭を感じさせる前衛的スタッフワークは素晴らしいのだろうが、何だかこれみよがしな感じがする。そんなのばかりが前面に出て心中に至るパッションが後方に霞むのであれば本末転…

じゃりン子チエ

★★★★ 1981年4月13日(月) 伊丹グリーン劇場 『ハイジ』なんかで培った徹底現地ロケハンを大阪に導入し写実の中の虚構とナンセンスが際立つ。時折見せる戯画的なチエの横顔がリアル少女してるのが高畑の趣味か…。限り無くバカな父親と果てしなく優しい母親が…

少女娼婦 けものみち

★★ 1981年6月4日(木) 毎日ホール 少女が男を乗り変えるに際してのスッタモンダを持って回った観念劇エッセンスで修飾して可愛げが無い。加えて、母親との関係描写がでてくると益々何が何だか解んない世界で、煙に巻く寺山なら未だしも神代では見てられない…

白雪姫と鏡の女王

★★★ 2013年7月11日(木) トビタシネマ ティム・バートンやテリー・ギリアムが遣り尽くしたジャンル攻略に新たな趣向が加味されたわけでもない。刺激度ゼロ。フィル・コリンズの娘の育ちの良さ気な物怖じの無さと凛とした太眉が唯一の見所か。ジュリアは継子…

ジョン・ウィック パラベラム

★★★ 2019年10月18日(金) 梅田ブルク7シアター11 始まってから30分ほどは、このシリーズも遂に、ある種の頂に到達したんやなあという感慨をもって見ていた。 物語は、渦中から始まりノンストップであります。そして、出ました!100人斬りってなわけ…

真実

★★★★ 2019年10月13日(日) MOVIXあまがさき7 見る前に、日曜朝のトーク番組で是枝がこの映画の子役について語っているのを見た。 とんでもないクソガキだと。もちろん好意をこめてだが。 慣れ親しんだ面子の現場ではなく、初めての顔合わせの現場に入…

ジョーカー

★★★ 2019年10月8日(火) TOHOシネマズ梅田1 再三にわたり、ゴッサムシティの荒廃した現状が語られるのだが、ニュースの音声のみで、そこをもうちょっと丁寧に描かないと終盤の暴動とその中で格差への怨恨を晴らすジョーカーのアイコンとしての役回りが…

ジャッジ・ドレッド

★★★★ 2013年9月14日(土) 新世界国際劇場 スローモーなるドラッグの幻視効果を執拗に描いて、そのハイスピード撮影が人体破壊に敷衍するあたり、この際どい専制題材を描くに毒をもって制する感がある。設定の空間限定の閉塞は容赦の無さによって破砕され、…

シュロック

★ 1981年7月25日(土) 三越劇場 当時、我が日本の片田舎にだってブルース・リーや優作の真似事をしたくって、そんなバカみたいなことに明け暮れていた野郎どもは自主映画世界にはやまほどいたのであって、金取って見せるものではないと思った。パロディという…

死霊館

★★★ 2013年10月21日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 のっけから霊媒夫婦を登場させ、被害者一家と並置して物語を展開することにより、冷めた客観性を獲得している。70年代を再現する意匠の数々も慎み深く、又一家の子供が5人姉妹というのがミソで…

春婦伝

★★ 1981年10月31日(土) 関西学院大学学生会館大ホール 土台ちゃんとした物語なのだから、いじくる必要もないのに、いじくってしまったケレンが煩わしくさえある。清順流の繋ぎは時と場所を選ぶと言うことじゃなかろうか。場末的廉価感は的を射るにはターゲッ…

SHADOW 影武者

★★★★ 2019年9月6日(金) 大阪ステーションシティシネマ10 俺は、チャン・イーモウの熱心な鑑賞者ではない。 のだが、初期のころの「菊豆」、「紅夢」を見て、このおっさん形式主義に拘泥して早晩行き詰るわと思っていたら、「あの子を探して」でいきなり…

十兵衛暗殺剣

★★★ 2013年11月16日(土) トビタ東映 十兵衛は序盤けっこうリアルに弱腰だし、実践経験無き剣が道場剣法と謗られるのも正論。そういう生煮え展開故に終盤の逆転にカタルシスは無い。闇夜の大友の8人斬りの非情。湖賊女頭目の懊悩とエロティシズム。見どこ…

人生は素晴しい

★★★ 1981年8月5日(水) SABホール ロシアの過酷な風土に根差したチュフライの鋭角的視点は地中海の陽光下でポカポカと間延びし、かといってラテン的になれようもなく中途半端な映画になってしまった。全体に緩い印象だが、とにかくオルネラ・ムーティが…

ジョー

★★★ 2019年8月12日(月) プラネットスタジオプラス1 1970年のアメリカ映画だそうな。 前年の1969年には「イージー・ライダー」「真夜中のカーボーイ」「明日に向かって撃て!」「ワイルドバンチ」が公開され、映画ジャーナリズムはまさにアメリカ…

ジャッカルの日

★★★★ 2013年11月19日(火) 大阪ステーションシティシネマ11 ジンネマン演出はけっこう粗いのだがテンポだけはやたら良く、感情を排した即物的描写の連鎖が気持ち良い。こういうのを力技と言う。テロルのヒロイズムに言及するわけでもないのだが、この徹底…

シャーロック・ホームズの冒険

★★★ 1981年7月7日(土) 毎日文化ホール パロディとしての彼是は俺には解らぬのもあり舞台がロンドンの前半はけっこうダレる。スコットランドに移ってからの描写の方が好き。後半、漫画に堕したと言おうが哀切極まりないラストだけでも見る価値あり。ニヒリ…

ジャッジ!

★★★★ 2014年1月12日(日) イオンシネマ大日7 見てくれは相当エッジが効いてる割に言ってることはマトモ過ぎ、一種の回顧趣味だとしても気恥ずかしい。何と言っても景子と京香に分断されたヒロイン設定が致命的で煮えきらず、ツンデレのデレも不足だ。ただ…