男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【す】

スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃

★★★★ 2002年7月20日(土) 北野劇場 圧倒的な物量で繰り出される戦闘機械やクリーチャーの数々が素晴らしく特に終盤30分のバトルは圧倒的。しかし、所詮、解ってる結末に向かい整合性を付けるべく展開されるアナキンの変容が、どうにもヒネリなく深みが無い…

SPY_N

★★★ 2002年7月29日(月)~30日(火) ホクテンザ1 2枚目半が似合いそうな紀香にマタハリ的絶世の美女スパイを演らせたのが座りが悪く、本人もしんどそう。主人公と女スパイの軸に1元化してくれないからクライマックスへ収斂していくカタルシスが無い。とは言…

スパイキッズ

★★★ 2002年8月15日(木) トビタシネマ 主役の姉と弟に、胡散臭い愛らしさが無く変にヒネてもないのは良いが、対するのが、ガキ大人とガチャピンみたいな連中で、ロドリゲスが、そういうお子様ワールドに耽溺してるらしいのが、ついていけない。(cinemascape) …

スリープレス

★★★★ 2002年8月30日(金) ホクテンザ1 少なくとも前半1時間は全く緩まないし、後半も展開はダレてもマックス・フォン・シドーの起用で一昔前のホラーの持つ品性が滲み出ていた。夜間撮影で走る列車の内部をフルショットで映すロニー・テイラーの技量が際立…

ズーランダー

★★ 2002年9月14日(土) ホクテンザ2 内輪でやってる感が強固に過ぎて不愉快だ。大体肝心のキメ顔ってのが丸っきり面白くないし、パロディやるなら徹底的にやってほしいのに学芸会レベルの茶番でシラける。構成も敵役と仲良くなっちまうのが早過ぎて手緩い。…

スタン・ザ・フラッシャー

★★★★★ 2002年10月11日(金) 扇町ミュージアムスクエア 他律的に壊れていく男を描いた映画は山ほどあるが、自覚し受容し淡々と運命を受け入れるこの中年禿デブおっさんは何処か哀しく愛おしい。縦構図の充足感とドレスの少女を始め充血眼のゲンズブールに至る…

ストーリービル 秘められた街

★★ 1993年4月4日(日) 新世界国際劇場 古い因襲に囚われる地方都市を舞台に繰り広げられる出来損ないの横溝正史米国版。リンチのような偏執描写に突出するわけでもなく、ストーリーテリングに長けるわけでもない。そもそもに真っ当な骨子があるとも思えぬ展開…

スペースノア

★★ 1993年5月5日(水) 新世界国際劇場 ひたすらに地味であるのだが地味であることを逆手にとって何かを意図を付加させることもない。寧ろ生真面目にSFしようとしているところが如何にもエメリッヒらしく単細胞的でカーペンターやルーカスに及ぶべくもない。…

洲崎パラダイス 赤信号

★★★★★ 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 虚無とか不毛とか殊更に言わずとも地に足をついたアンチドラマチックな日常のドラマを描きながら例えようの無い無常感が滲み出ている。ちんけな憐憫も同情も拒絶したそれは川島が狙ったものではなく本質…

スパイキッズ2 失われた夢の島

★★ 2003年4月18日(金) トビタシネマ 子供が主人公の映画が嫌いなわけじゃないが作り手の大人が子供に媚びた映画は反吐が出そうだ。葛藤というものがない迎合的な出来合のお子様ランチを嬉々として作る大人は気持ち悪い。1作目の不快部分の拡大再生産。ハリ…

スコーピオン

★★★ 2003年6月19日(木) トビタシネマ とことんな2大ワルの騙し合い化かし合いを期待したのにラッセルは結構良い人だしコスナーはガラじゃない感じ。そういう中途半端さはのっけのギンギラプレスリーコスプレ大会でのマジかシャレかの微妙な煮え切らなさから…

スカイハイ 劇場版

★★★ 2003年11月8日(土) 梅田ブルク7シアター7 『あずみ』には辛うじて部分的に残っていた編集の冴えは消滅し凡百の映画に堕した。折に触れて原点回帰を図る石井や塚本やライミに倣ってマイナー魂を忘れないで欲しい。釈ちゃんの殺陣もこうやって見るとあん…

推定無罪

★★ 1992年2月16日(日) 新世界国際劇場 スタッフ・キャストの面子だけはやたら揃えたが斜陽パクラの下では緩い映画にしかならなかった。振り回されるだけのフォードに主役としての精彩無く木偶の坊と化する。デネヒー、スカッキの欧州勢登用もこうも役が仕様…

スルー・ザ・ワイヤー

★★★ 1992年4月21日(火) シネマヴェリテ 気の利いたミュージック・クリップではあるが、逃亡する脱獄囚ってのが如何にもな設定で無常の中に有情を見出すカウリスマキの愛すべき資質が発揮されたとは言い難いだろう。ズレた諧謔は未だ見出せず流された感が払拭…

スパイダーマン2

★★★ 2004年7月31日(土) 梅田ブルク7シアター3 バイトをクビになるにせよ成績が下がるにせよ苦悩と言うには日常的に過ぎ、だから愛と天秤にかける正義が薄っぺらい。1作目同様主観的でアクロバティカルなカメラワークに拘泥し過ぎで糸1本で全体重を支え摩…

スターシップ・トゥルーパーズ2

★★★ 2004年8月21日(土) ホクテンザ1 素知らぬ素振りで馬鹿を演じる役者バーホーベンと白昼の一大白兵戦を展開する前作に低予算で抗するには、包丁で首ぶった切るおばさんの不屈の闘志をB級テイスト全開で抽出した一連の逝った感覚を全篇に漲らせて欲しかっ…

スパイ・バウンド

★★★ 2005年2月16日(水) 梅田ピカデリー3 本物のスパイなんてのは小説や映画と違って地味で間尺の合わない稼業なのさと言うのなら徹底して地味に極めて欲しいのに中途半端でいただけない。ただ、余りに無意味な導入部やおざなり極まりないラスト等妙に変なの…

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐

★★★★ 2005年7月23日(土) 梅田ブルク7シアター1 悪への転向過程があの程度の物語じゃ納得できぬし、元々予定調和に欠落した円環を補完するのみの物語に殊更の感興も覚えないが、全編ゴテゴテと画面の隅から隅まで遣りすぎ位に何かを飛ばし填め込み大概ウン…

スウィート・シング

★★★★★ 2021年11月3日(水) テアトル梅田1 アレクサンダー・ロックウェル初見です。 だいたい寡作だし日本での公開作も少ないのだが、本作を見ればもっと公開しやがれ!と思うこと請け合いですな。カサヴェテス次世代のアメリカインディーズの巨塔なんでし…

砂の女

★★★★ 1991年4月29日(月) シネマヴェリテ梅田 具現化されたイメージが原作読みの想像世界を超えたか微妙。外世界の村人たちが形象を付与され土俗的猥雑さが増す一方でシュールなエッジは後退した。岸田今日子のネバつくようなエロスも同義だがこれは原作を凌…

スパイダーマン3

★★★ 2007年5月12日(土) 梅田ブルク7シアター6 増やした敵の混合戦を綺麗に収束したと言え、負の触媒に冒されても髪垂らして町中で踊るくらいが関の山野郎では物語のエモーションが生じるわけもない。相変わらずの有り得ないグルグルカメラの動きのCG度…

スザンヌ、16歳

★★ 2021年9月5日(日) シネリーブル梅田2 16歳って、演じてるスザンヌ・ランドンは20歳近いんやんか、サギやー金かえせー。 といちゃもんつけたくなるような出来だ。 クラスの中で同級生とかにとけ込めない。みんながやってることはガキレベルの遊びで…

スネーク・フライト

★★ 2008年1月14日(月) トビタシネマ 密室に蛇と閉じこめられるということだけで完結し切っている点で清々しいまでに一本気な程度の低さと言いたいところだが、矢張り一本気すぎで芸もくそもない。笑いもお色気も今一の弾け度合いの中、終盤のヤケッパチが…

スラム砦の伝説

★★★ 1991年9月22日(日) みなみ会館 あまり深く考えずにイメージの世界に浸ろうとしたが、深く考えなかったのが災いし物語がさっぱり入って来ず「砦」とか「伝説」といった中世的イメージとは無縁の土着世界に戸惑うだけ。復讐をめぐる編年奇譚は画力への注力…

スパルタカス

★★★ 1991年11月4日(月) OS劇場 トランボの反骨も霞みハリウッドコードに蹂躙された形骸的キューブリック。濫作された有象無象の史劇映画と殊更には変わらぬ出来具合。ただ戦闘シーンだけは突出して美しい。『バリー・リンドン』で全編に渡ってリニューアル…

スピード・レーサー

★★★★★ 2008年7月12日(土) TOHOシネマズ梅田4 バッタのように跳ねたり垂直の崖を登ったりする世界にリアリズムなんざ有り得ないしキッチュなしたり顔されても小うるさい。ウォシャウスキー兄弟はど真ん中からダサ正確に射抜いたと思う。チンパンの芸も…

スカイ・クロラ

★★★★ 2008年8月9日(土) 梅田ブルク7シアター2 虚無的な無限連鎖の頽廃に刹那なクサナギも彼岸と此岸を往還するに従順で無機的なカンナミも、棒読み台詞のみでは表現としてはこっ恥ずかしいまでに青過ぎる。一方で陽光下での多くの飛翔や戦闘のシーンの完…

SPIRIT スピリット

★★★★ 2008年9月13日(土) トビタシネマ とことん嫌な野郎のジェット・リーが、お約束通りとは言え開眼し、ええ男になっていくのはやっぱよろしいなあ。それを大気に身を委ね受け入れるという観念的且つ直截なエコ風味で表現したのが結構胸打つ。獅童もよう…

スイッチング・チャンネル

★★★★ 1990年7月29日(日) 新世界国際 仕事に奔走する男と女の互いの距離感が絶妙で、主演の2人の相性がぴったりとピースがはまった感じで安定。リーブに逸脱の兆しがあるが、それも又良い意味での付加価値という好循環。懐かしきウェルメイドなアメリカ映画…

ZOO

★ 1990年9月16日(日) シネマヴェリテ梅田 一片のアナーキズムでもあれば生理的に合わないもんでも何かが共振し得るだろう。しかし、現実から乖離した独自世界で完結する理解不能な物語は余りに閉塞的で退廃的。過剰な手法や音楽のみが自走しても空虚でしかな…