男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【はあ~はの】

ハサミ男

★★★★ 2005年6月15日(水) 動物園前シネフェスタ4 米2大サイコホラーをミックスしたかの如きオリジナリティの欠如に加え豊川&麻生コンビにも最早新味の欠片も無い。ただ池田の演出が正面から衒いなく収斂しゆく「愛」と「再生」の物語に向き合うので魅せら…

馬鹿が戦車でやって来る

★★★ 1992年8月29日(土) サンポードアップルシアター 小さな悪意の総和が加虐のマスエネルギーへと変質する閉鎖集団の暴走を描いているのだが『ドッグヴィル』な不可逆的帰結ではなく安寧な寓話世界へ閉じ込めようとする。戦車というアイコンの衝撃性が殻を打…

ハウス・オブ・ザ・デッド

★★ 2005年6月15日(水) 新世界国際劇場 ゴダールが既成の映画文法を破壊しして半世紀。更なる解体を試みた男ウーヴェ・ボル…って嘘で単なる馬鹿なのだと思う。繋ぎを無視して御丁寧に主人公全員を『マトリックス』っちまう歌舞伎の大見得かと見紛う馬鹿馬鹿し…

バス停留所

★★★★ 1992年9月20日(日) シネマアルゴ梅田 アクターズスタジオを経たモンローの転換点。彼女の表情に窺える疲労感が狂騒的でステロタイプなハッピーエンドストーリーとミスマッチを起こし物語とは遊離した悲哀感を醸し出す。その瞬間が堪らなく愛おしい。(ci…

爆 BAKU!

★★★ 1992年12月12日(土) 天六ユウラク座 巻き込まれ型ヒロインを緩いタレントと思っていた西村知美が頑張って体当たりで演じているのに予断を覆される。一方で松尾にせよ片岡にせよ男側は背景設定が稚拙でリアリティを欠いてこっ恥ずかしい。演出は奇異さを…

パガニーニ・ホラー 呪いの旋律

★ 1991年3月21日(木) 新世界国際劇場 ホラーとあらばとにかく見ずにはおれないというマニアッック層以外には未来永劫用無し間違いない恐るべき退屈映画。ヒロイン以外が次々殺されるプロットはあれど趣向は無い。大体ロックとクラシックが何故に同じ地平で当…

バタアシ金魚

★★★ 1991年4月21日(日) シネマアルゴ梅田 漫画だから成立するストーキングに近似な行為を延々と繰り返すキャラクターの支離滅裂は生身の人間が演ずるが為に程良い案配に収められ少し出来の良い青春映画以上のものではなくなった感じがするが、高岡早紀のおっ…

八月の狂詩曲

★★★★★ 1991年5月26日(日) 日劇シネマ 黒澤の周回遅れの幼児性と残存した先鋭の切れ味が錯綜して化学反応でも起こしかねない予兆がある。意図したズレでなく真剣に撮ってズレており予定調和的でない。蟻と薔薇や老婆の対峙や過剰な風雨などの前衛を差し挟む児…

華岡青洲の妻

★★★★ 1991年7月27日(土) みなみ会館 嫉妬と自己犠牲がスパイラルに昇華し某かの崇高さを獲得するドラマトゥルギーに於いて増村は有吉に勝てない。だが、その葛藤に躊躇しつつも希求は別ベクトルな雷蔵のスタンスの微妙。そこに同期する生理こそ納得もの。小…

パッチギ! LOVE & PEACE

★★★ 2008年2月16日(土) トビタ東映 禁じ手の筋ジスやベタなフォークに流されまいとしても暮雨だの如く流れる涙は止まらず、今更の史観を声高に論じて憚らぬ臆面の無さは嘗ての木下恵介にも匹敵。コミュニティの孤絶に見出す居心地良さは最高級だが、矢張り…

裸で御免なさい

★★★★ 1991年10月12日(土) キリンプラザ大阪 全く馬鹿馬鹿しいまでにお気楽天国を謳歌するバルドーが問答無用に初々しく、となればストーリーに曲球は不要とばかりに素直に可愛らしい。ノワール系パージュのモノクロームとトローネルの細緻で大仰な美術が平易…

拝啓天皇陛下様

★★★★ 2002年8月19日(月) 日劇シネマ 映画では地獄みたいな軍隊ばかり描かれるが、良き上官と良き戦友に恵まれ、案外このヤマショーみたいのが実感の人も多かったかも。やがて、大陸で殺戮マシーンと化して行くとしても…なんて考え出すと楽しめないからやめと…

花折り

★★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX 他愛無い日本昔ばなしもどきのようだが、それは日本昔ばなしを貶めるような意味ではない。 小坊主のゲス性根や住職の俗物ぶりが余す所なく徹底的に笑いのめされて溜飲が下がります。 それは、既成概念にしがみつくバ…

白衣の男

★★★ 2021年8月1日(日) プラネットプラスワン *プラネットでは「白いスーツの男」のタイトルで上映されましたが、ここでは流通している「白衣の男」を採りました。 「イーリング喜劇」という言葉を初めて知ったのだが、1950年代のロンドンの片隅にあっ…

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2

★★★★★ 1990年1月28日(日) 長崎ステラ座 現在・過去・未来と目くるめくまでに大風呂敷を拡散しつつPART1とのシンクロは的確と言うしかない桃源のダイナミズムに達している。未来世界の造形の妙と過去世界のパラレルな反復もだが、数役をこなす役者陣も敢…

博奕打ち 総長賭博

★★★★★ 1990年3月21日(水) 日劇会館 三島由紀夫がギリシャ悲劇になぞらえて評したという…言い得て妙だ。のっぴきならないところに追い込まれて行くロジカルすぎる構成とため息の出るほどの折り目正しき格調。(cinemascape)

博奕打ち いのち札

★★ 1990年4月15日(日) 日劇会館 義理と人情の狭間で煩悶する仁侠映画のロジックは後方に退けられ単線的な男と女の話になってしまった。意図としては良しとしても、大時代なアナクロ臭が鼻について乗れない。その帰結がラストの70年代的前衛風味な殺陣では…

バッド・ガールズ

★★ 2008年11月22日(土) トビタシネマ ドリューとアンディはあんなもんかと思うが、主軸を担うマデリーンとメアリーはカリスマと言わずともせめてレズ的風情の深遠な思いの交錯でもあれば…などと真剣に考えるまでもないお嬢さん芸の似非『ワイルドバンチ』…

白昼の通り魔

★★★ 1990年9月22日(土) みなみ会館 脚本の倒叙法的語り口が本来言うべきことを阻害し、役者の曖昧且つ強度の欠如が阻害された物語の普遍化を剥奪する。トリックスターを論じたいなら川口小枝では憶つかないし、1500のショット割は疑問だし、台詞が生硬す…

背徳の囁き

★★ 1990年10月14日(日) 塚口サンサン劇場1 ギアの悪役は、女をたらし込むくらいしか取り柄が無さそうなので何ともパンチ力に欠け、警察の裏側で隠然たるカリスマを発揮するには役不足。ガルシアも彗星の如き登場から時を経ずしてルーティーンの陥穽にはまり…

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3

★★★ 1990年10月29日(日) 三番街シネマ3 これがシリーズのPART3でなかったら何の変哲も奇想も無い凡庸なてんで面白くもない物語が受け入れられただろうか。キャラはシリーズに負んぶに抱っこで3番煎じで出し殻。アイデア枯渇の果ての西部ネタには逃げ…

バグダッド・カフェ

★★★ 1990年11月24日(土) みなみ会館 太ったおばはんが空気を和らげ、ささくれた人間関係を緩和する。殊更目新しくもない上に、如何にもな設定があざとさキワキワ。1歩間違えば見れたもんじゃなかったと思うが、女2人の掛け合いの妙味が真実味を付与。気障…

裸の大将

★★★ 1990年11月11日(日) 日劇シネマ邪や悪も描く人が善人ばかりの出てくる性善説を御丁寧にお花畑で縁取って繰り広げても、不思議とこれ見よがしなあざとさがない。人の良心が信じられた時代もあろうが、堀川の本質はこっち側なのだろう。小林桂樹の超絶な巧…

幕末太陽傳

★★★ 1990年11月12日(月) トビタ東映 悲愴を諧謔と喧噪で覆い隠す粋。最高の設定に多彩な日活役者陣も的確な配置を成されている。だが、どうにもヒリヒリ感が足りない。川島・今村師弟は単体では最高の作家だがコラボの相性は悪かったとしか思えない。(cinema…

裸の銃を持つ男

★★★★ 1989年5月7日(日) 長崎宝塚劇場 単発ではシラけるベタギャグも釣瓶打ちに恥も外聞もなくクドいまでに反復されると昇華され変容して得も言われぬ領域へと到達するのであろうか。O・J・シンプソンによるつかみこそ最高で、そこで乗せられてしまうと瞬く…

八月の鯨

★★ 1989年5月27日(土) セントラル劇場 ベルイマン的姉妹の相克ではあろうが、干枯らびた人々ばかりが登場するのでパサパサして味気ない。濡れたヴァギナあってこその女の諍いであって91歳のギッシュを担ぎ出すにはテーマが場違いだ。映画史に遡及する言説…

バット★21

★★ 1989年5月21日(日) 新世界劇場 後に『ダイ・ハード』で取り入れられたコンセプトだが、この設定のみで反撃のない逃げ一手の展開を保たせるのは如何にもしんどい。良心作だが地味で刺激に欠け役者力に依存する題材ゆえに端境期にいたハックマン不遇の80…

花火

★★★ 2021年5月6日(木) シネヌーヴォX 水兵というのは何かゲイのアイコンなんでしょうね。ファスビンダーの「ケレル」でも象徴的に使われていたのを思い出しました。 これは、たくさんの水兵に取り囲まれて凌辱されたい願望が、実に素直に表現されていて徒…

博奕打ち

★★★★ 2009年10月10日(土) 新世界東映 任侠の閉じた世界の中の更にミニマムに限定された領域で鶴田・待田・山城VS河津・若山(快演)・小池のシンプル構図も心地よく、小沢演出もアップ使いの時宜を得てナイス。後の組織論的笠原世界とは違う味わいが又良…

バットマン

★★★ 1989年12月28日(木) ピカデリー劇場 本来はパルプな世界で語られるべき物語だが目一杯ゴシックでダークなゴッサムシティの美術とメカフェチズムを強引に投入する。その一方でニコルソンの暴走に任せたキッチュな造形は何故か予定調和的。どっちもバート…