男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふあ~ふの】

ふくろうの河

★★★★ 1980年4月23日(水) 関西学院大学学生会館201号室 殊更目新しいアイデアでもないがモノクロ撮影で捉えられた森の光と影がもたらす全篇に漂う幻想味が秀逸。この世界は掛け替えのないもので充ちており、そのことに気づいたあとの喪失は1度目より苦渋…

ファースト・マン

★★★★ 2019年2月8日(金) TOHOシネマズ梅田7 なんだかテレンス・マリックの映画みたいに内省的で静謐なのが案外チャゼルの本質なのかと思う。 劇的な要素にあまり関心がないみたいだ。 であるから、人類初の月面着陸の高揚もそんなには描かれない。 ニ…

オーソン・ウェルズの フェイク

★★ 1980年4月12日(土) SABホール フェイクをめぐるフェイクドキュという入れ子構造が何かの化学反応を呼び起こすわけでもないしウェルズ自身が自身について言及するに大ぼらこいてシャレのめしても今更感が拭えない。多分にテキトーだし何と言ってもネタ…

ファイナル・カウントダウン

★★ 1980年6月23日(月) SABホール 曲がりなりにもタイムスリップという映画的題材を主題としながら、見所は本物の空母ミニッツと艦上から発進する戦闘機だけという竜頭蛇尾ヘタレ映画。大体、肝心の「パラドックス」ネタに踏み込む前に終わっちまうんだっ…

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

★★★ 2018年11月26日(月) MOVIXあまがさき11 まず、俺は「ハリー・ポッター」シリーズは1本も見てません。 でも、この映画の前作は見た。 で、おもしろかった。 とにかく、主役の2人が良かった。 子供のころから、魔法動物しか友達がいなかったら…

豚と軍艦

★★★ 1977年11月20日(日) 東梅田シネマ 豚の大群とマシンガンが全ての汚濁を無に帰するというクライマックスありきで、そこに至るあれやこれやが喜劇というには重くシリアスには役者陣も戯画的に過ぎる。ヒロイン吉村実子も風穴を開ける清風を纏うには内実が…

FORMA フォルマ

★★★★★ 2014年10月6日(月) TOHOシネマズ梅田5 画面隅々まで張り詰める情動の予兆。長焦点レンズで切り取られた枠が日常を異化させるダイナミズムを生理的に知悉してるが、根底に横たわるのは同族嫌悪とも言える悪意。その確執は物語内の2人の女に留ま…

ファーナス 訣別の朝

★★★★ 2014年10月12日(日) MOVIXあまがさき2 「行くか叔父貴」「うむ」と阿吽の呼吸の後『残侠伝』的破綻へは向かわぬところが美点でもあり糞詰まり的でもある。『ディア・ハンター』ライト版な展開も既視感バリバリだが、それでも素晴らしい。最高な…

福福荘の福ちゃん

★★★★ 2014年11月29日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 壊れた者を世界に取り込む理想郷は母性的であることが要件と思われ、リアクター福ちゃんは男と設定されても大島が女であることは皆知ってるから成立する。ノンケ山田が察知して去るジェンダー混沌…

フィニアンの虹

★★★ 2018年7月15日(日) プラネットスタジオプラスワン コッポラのメジャーデビュー作であるし、かの「ゴッドファーザー」の2本手前の作。 なんだから、もっとフィーチャーされてもいいんだけど…。 まあ、あんまりオモロくもないんだわ。 ブロードウェイの…

フォックスキャッチャー

★★★★ 2015年2月24日(火) 大阪ステーションシティシネマ8 精緻な心理劇であり全篇にわたり不穏な緊張を持続させる演出は文句なく素晴らしいのだが、言うたらデュポン一本かぶりの展開で余りに単線構造で視野が狭い。孤独なマザコン大富豪の自己崩壊を描く…

ふたりでスローダンスを

★★ 1980年11月18日(火) 大毎地下劇場 冴えない親爺の話というなら、それはそれでいいのだが、良識的で良心的なる仮面の下のおっかなびっくりの下心を爆裂もさせぬままに曖昧に温く物語りは進行するだけ。いくらなんでも地味すぎる。(cinemascape)

瘋癲老人日記

★★★★ 2018年6月5日(火) シネヌーヴォ 谷崎原作のド変態映画なのだが、奇をてらったところがないのがいい。 増村あたりが撮った「卍」や「刺青」。 市川が撮った「鍵」や「細雪」。 とか、色気を出して原作に拮抗するもんをっていう力みがあります。 その点…

復讐するは我にあり

★★★★★ 1979年4月29日(日) ダイニチ伊丹 1980年11月5日(水) 伊丹ローズ劇場 噴火寸前のマグマを押し隠した如き交わす視線の腹芸合戦を堪能する映画で主演5人の組み合わせバリエーションが堪らん。浜松シークェンス導入の手持ちカメラのライブ感を筆頭に姫田…

ファール・プレイ

★★★ 1979年7月21日(土) 大毎地下劇場 ハリウッド王道のロマンティック・コメディ・スリラーだが、エレガンスが足りずもさく、スリルを醸すには下手で、ゴールディのコメディエンヌは買うがチェイスは鈍重な木偶の坊だ。ダドリー・ムーアの異常だけ突出してい…

フェリーニのローマ

★★★★ 1978年4月2日(日) SABホール 自家籠中の猥雑と郷愁のカオスとして呈される古代から現代に至るローマに纏わる エトセトラ。闊達だが食傷も感ずる中、「地下工事の掘削機」・「高速道の渋滞」・「古都 遺跡の照明」など偏愛的な無機物質愛には惹かれる…

風林火山

★★ 1978年5月28日(日) 伊丹ローズ劇場 何もデヴィド・リーンを期待したわけでもないが、大河感が無さすぎる。歴史の陰にスポットを当てる井上原作の滋味を三船が仕切って台無し。土台解釈が違いすぎる。謙信裕次郎登場に至っては最早哀しく笑うしかない。(ci…

FOUJITA

★★★ 2015年11月29日(日) シネリーブル梅田1 どう考えても2つの時代の作風の変節に踏み込むしかない映画なのだが、風景や環境描写だけでアプローチしようとして木端微塵に玉砕したみたいだ。パリ時代のデカダンやアナーキズムの欠如が致命的。ど素人の学…

ふたりの旅路

★★★★ 2017年7月29日(土) 第七藝術劇場 異郷の地で自分を見つめなおす。 内省的で真摯で静謐。 「24時間の情事」 「ロスト・イン・トランスレーション」 といった映画の逆バージョン。 そんなに期待もしてなかったが、予想外の出来に驚いた。 全篇、全カ…

フェリーニの アマルコルド

★★★★★ 1976年1月11日(日) 毎日文化ホール 1977年7月10日(日) ビック映劇 朝靄の中の巨船も雪の中の孔雀も木の上の叔父貴もフェリーニ的はったりに充ちてはいるが挑発は影を潜め郷愁に塗り込められる。共同脚本に内実にまだしも重きを置くグエッラが参加した…

ふたりの女

★★★ 2016年8月20日(土) プラネットスタジオプラス1 大戦末期の各国列強が侵攻する伊半島内陸部の混沌とその奔流に流されるしかない人々。中空からの掃射で目の前の人が倒れても構ってる余裕もない。そういう現実認識のリアリズムはある。ただ、輪姦描写の…

ふきげんな過去

★★★ 2016年6月25日(土) テアトル梅田1 全篇狙ってる感が横溢し、だから?と心中呪詛を念じつつ見たが、こうまで徹底すると絶対映画に近づいたかもと思ったり。キョンキョン・ふみ共にダルさを精一杯表現するがどっか無理感がある中、脇を固める女たち4人…

淵に立つ

★★★★ 2016年10月8日(土) シネリーブル梅田 舐めてると牙を剥いてくる悪意の奔流は遍く我々のすぐ隣に内在する。残念ながらそれに抗する術は無いのだという諦念に於いて優れてイ・チャンドン的だ。カメレオン作家深田の新たな鉱脈で男優2人に四つで対峙す…

フェリーニの道化師

★★★★ 1977年12月11日(日) 元映 1980年5月11日(日) SABホール 少年時代の回想は『アマルコルド』へ、監督自身が登場するフェイクドキュは『ローマ』へと伸延されて結実する。幼少時の記憶の中の残像は得てして主観に装飾された虚像なのだ。これは老いて消…

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

★★★★ 2017年1月15日(日) MOVIXあまがさき8 マニュアルライクな代物と高を括っていた。 なんせ俺は「ハリー・ポッター」だって1本も見たことない男なのだ。 でも、素直にハリウッドの誠心誠意の本気汁が注力された本作に平伏します。 30年代と思し…

ファインディング・ドリー

★★★ 2016年7月27日(水) TOHOシネマズ梅田1 ドリーの故郷の設定は物語の必然というより後付けだ。人工的箱庭世界の方がアクションのプロットを立て易いからだろうが正直退屈。前作のワンダーは消失した。生き別れの子を暗い近海水域で待つ親の想いにもスト…