男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふは~ふん】

プロジェクト・イーグル

★★★ 1991年10月20日(日) 新世界国際地下劇場 和洋中揃い踏みな女3人引き連れて悦に入るジャッキーのお気楽アドベンチャー。見てる方は本人が喜んでるほど楽しくないのが難点だが、一応の見せ場は間断しつつも挟み込まれ、最後はジャッキーのキートンへの傾…

フランケンシュタイン対地底怪獣

★★★ 1991年11月17日(日) 日劇シネマ 典型的キワモノの持つ悲哀感が愚直なまでのストーリーとシンクロし骨太と言えるまでの骨格を確保している。怪獣同志のバトルもスピーディで相当に見せる。しかし、愚直すぎて少々退く。(cinemascape) kenironkun.hatenabl…

ブレイキング・ニュース

★★★ 2008年6月21日(土) トビタシネマ 紛れもなく図抜けた冒頭の数分で沸点に達した期待は、世間体を気にしまくるふやけた連中の生ぬるいドタバタに急速冷却されていく。ジョニー・トーは少人数の段取り芝居は制御出来ても集団に対しては全く力が及ばないこ…

プロミシング・ヤング・ウーマン

★★ 2021年7月21日(水) TOHOシネマズ梅田10 アメリカのリベラル層が選定するアカデミーや批評家協会の賞で高評価だそうです。 昨年の「スキャンダル」みたいなペラペラ映画がフェミニズムのバイアスがかかって高得票するのを見てるので、またぞろやら…

ブルースチール

★★★★ 1990年7月8日(日) 新世界国際劇場 煮え切らない展開なのだが、冷めざめとしたメタリックな感触が全篇を被っており、演出に対する強固なスタンスが感じられる。巻き込まれながら同一地平まで降りていかざるを得ない主人公の疎外感と孤独感。タイトでクー…

無頼漢

★★★ 2009年3月21日(土) トビタ東映 爛熟江戸文化の頽廃を表した撮影・美術・音楽のコラボの成果には或る程度魅せられるが、寺山の形骸的反体制イズムと仲代のルーティーン芝居には可成りうんざりする。水野VS河内山の傑物対決に庶民小沢の絡みが鈍く仲代…

ブレイド2

★★★ 2009年5月9日(土) トビタシネマ 少なくとも序盤まではヴァンパイア軍団の面構えに相当な期待もさせられたが、折角のスナイプスの闘技の鈍重な味わいを貶める漫画以下の糞CGの無粋さは許し難いし、粘液過剰満開のデル・トロクリーチャーは好きくない…

プロミスト・ランド 青春の絆

★★ 1989年7月16日(日) セントラル劇場 リセット出来ない失敗人生の無常観が泣かせる映画ではあるが、とりたてて起伏のあるストーリーでもなく淡々と進行し終わってしまう。これといって際だつ部分も無く華もない。「私」を垂れ流さないだけましとも言えるが…

ブラックレイン

★★★★★ 1989年10月8日(日) 長崎宝塚劇場 汚泥まみれの2人とノーブルな2人。4人4様のキャラが、それなりに立っていてハードボイルドな対立と融和がロジカルに構築されていく。それが終盤昇華したとは言えないが、不思議の国ニッポン・OSAKAの予想外の…

フレディVSジェイソン

★★★ 2009年11月7日(土) トビタシネマ まあ、『エルム街』も『13日』も1本も見てないのだが、単細胞路線のジェイソンに比して、夢という逆しまな形而上的世界で現実を翻弄するフレディの方が、どう見ても役者が上ですなあ。それが悪いわけでもなく演出も…

ブロードウェイのダニー・ローズ

★★★★★ 1987年9月13日(日) SABホール 振り回されキャラの善性がレモンを当てたかの如きペーソスから匂い立つ点で正しくワイルダーへのリスペクトだしギャグやスラプスティックの匙加減も正鵠を射る。『カメレオンマン』で発芽した語り口としての実しやかな…

プラトーン

★★★ 1987年5月31日(日) 友楽スカラ座 何時どこから弾が飛んでくるか判らないジャングル戦の強烈な臨場感があるが、ボンボンが社会勉強でちょっとだけ覗いて見ましたベトナムって感じが、この映画を真の感銘から遠ざけている。しかし、それは又ストーンの誠実…

BLUE ブルー

★★★★★ 2021年4月11日(日) MOVIXあまがさき1 持てる者持たざる者の話は「アマデウス」とか色々あるんだろうけど、ギラついた嫉妬を内向させて終ぞ現せない男を描いて得も言われない深々とした味わいがある。本作のサリエリを演じた松山ケンイチは独壇…

フローズン・リバー

★★★★ 2010年3月9日(火) シネリーブル梅田1 主人公の入墨やピアスや下着の趣味や銃捌きの躊躇無さが語る語られざる来歴。映画だけが駆使し得る話法を知悉し使いこなす妙。そして、当たり前の母性が当然のようにある世界では社会も当然優しいという絶対的確…

ブルジョワジーの秘かな愉しみ

★★★ 1986年3月9日(日) SABホール 強固な意志で鋭利に階級を撃つのではなく、後の『自由の幻想』に連なる諧謔趣味が顔を出すことによって冴えたシーンもあるにせよ総じて緩慢になった。大体、悪いことしてる奴らが撃たれるってんでは捻りもクソもなくそう…

プレシャス

★★★★★ 2010年4月27日(火) TOHOシネマズ梅田5 負の十字架をこれでもかと背負わされても人は希望を見出そうとすべきで、さすれば必ず何かが変わるという確信。母親をも断罪し決して後戻りしないプレシャスは素晴らしい。役者は皆良くモニークもポーラも…

フロイド 隠された欲望

★★★ 2021年3月20日(土) プラネットプラスワン フロイトの学説ってよくはわかりませんが、リピドーとか勿体ぶって言ってるけど、要は人間すべて意識下のスケベ心に突き動かされている、ってことでいいんでしょうか。 であれば、当時のウィーンの保守的な学…

フリージア 極道の墓場

★★★★ 2010年5月8日(土) トビタ東映 似非『黄色いハンカチ』めいたロードムービーの最果てに、いきなり来る突き放しに躊躇する。その非情な帰結に意味は見出せないが、北野的或いは黒沢的語り口に絵画的構図を導入する柴主のセンスが微妙な味わいを付与した…

ブルーノ

★★★★★ 2010年6月26日(土) 新世界国際劇場 a チャップリンみたく古式床しく自ら道化となり反権威や反偽善を謳いつつもディヴァインみたく破壊的で自壊的なコーエンのカリスマ。外したネタもあるが、場末のゲイバーの宴会芸は終盤のアーカンソーの真アナーキ…

プレイス・イン・ザ・ハート

★★★★★ 1985年7月6日(土) 新世界国際 黒人が虐殺され銀行は搾取しハリケーンは全てを破壊し身内はドン詰まりの不倫に身を窶す。救われぬ時代に生きる術を閉ざされた彼女は寄る辺ない人を受け入れて必死に生きる。そういう母を見て育った子供たちに託す希望。…

プロジェクトA

★★★ 1985年10月20日(日) 新世界国際地下 ジャッキー自身の演出は集団戦の捌き方が雑然としクリアな迫力に欠ける。スタントありきのプロットの構築をベタギャグで彩るパターンの反復は悪くもないが、そこはかとなく匂う俺様王国の嫌味が影を射す。クライマッ…

ブロンド少女は過激に美しく

★★★★★ 2010年11月20日(土) 第七藝術劇場 根性悪に見えても清新な気概を持ち、無垢な魂の裏には悪魔が潜む。仄かにズレた間合いの居心地悪さと一筋縄ではいかない狂気の片鱗を散りばめたオリヴェイラ節の最高度の凝縮と結実。畳み掛けるラスト3カットの内…

ブレードランナー

★★★★★ 1984年9月24日(月) 大毎地下劇場 精緻な未来造形と主人公のハードボイルドな内省文体とレプリカントのアイデンティティへの哲学的憧憬。3者の完璧な統制の奇跡的な蓋然性。未だ神話領域にいたスコットの達成した偉業。『シャイニング』未使用フィルム…

プレデターズ

★★★ 2011年1月22日(土) トビタシネマ 全然意外性のないことを、エッヘン!と大見得を切って見せられた挙句に、とっくに正体だってわかってるのに大袈裟なフリして見せる。ある意味偉いのかもしれない。撮り方も決してお座成りでもない。でもヤクザと武士を…

ブルーバレンタイン

★★★★★ 2011年5月7日(土) 梅田ブルク7シアター4 剃刀で切られるような進行形現在に寄り添う長焦点カメラの優しさが寧ろ痛ましい。ラブホ浴室でのピン送りはアイデアではなく必然。敷衍される過去が内包する破綻の萌芽が哀しい。だが、それでも皆生きてい…

ブラック・スワン

★★★★ 2011年6月19日(日) MOVIXあまがさき2 高度に精緻な達成とは思うが意外性が無いし、純粋に性的な鬱屈のみで極めた『反撥』なんかと比べると夾雑物があるだけエッジが効かない。大体に安直な黒鳥たるべき資質だが、それをクリアできた劇的クライ…

フルーツ・バスケット

★ 1983年6月4日(土) 大阪府立文化情報センター 少なくとも俺は映画内世界に於いて誰がどういう嗜好を持とうとも寛容に受け止めようというくらいの心構えは持ってるつもりであるが、こうも相容れない趣味の世界を確信的に繰り広げられると狭量な我が身を呪い…

不良番長 やらずぶったくり

★★★ 2011年11月26日(土) 日劇会館 お嬢学園の良家の子女も口八丁手八丁で瞬く間にスッポンッポンのオッパイ丸出しにされてしまうあたり不良番長も憎めないのであるが、ド田舎舞台の間延びしたユルさが締りない。乱闘でのマグロ攻撃程度の寒さでは足りない…

フライトナイト 恐怖の夜

★★★★ 2012年1月15日(日) MOVIXあまがさき8 大人悪ガキでマッチョな吸血鬼ファレルの押し出しパワーが序盤のルーティーンを打破し、中盤以降は砂漠の孤立ニュータウンと一本道で繋がる歓楽都市ベガスの距離感も展開に絶妙に寄与。テナントの胡散臭さ…

アパッチ砦 ブロンクス

★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 街「ブロンクス」が一方の主役と言うコンセプトなら、あくまで淡々とドキュメンタルにアプローチすべきでニューマンは不要だし、造形を凝らしてギミックの1つもというなら芸がない。何れにしても厳しさが無い。(cinemascap…