男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ゆ】

ユーズド・カー

★★ 1981年6月28日(日) 伊丹ローズ劇場 荒野に道を隔てて向き合う中古車屋の販売合戦という如何にも映画的な設定。なのに全然面白くない。カート・ラッセルがコメディに向いてないのもあるのだがアメリカン・ローカルなギャグの釣瓶打ちが性に合わない。自棄…

夕なぎ

★★★ 1981年9月9日(水) 毎日文化ホール 男2人の間で揺れ動く女心という骨子が3角関係の微妙な空気感に紛れていく。中年の地味な市井人の心の揺れ動きをハッタリズムを廃して叙情性を押し出し描くフランス映画の伝統的王道とも思わせる。煮え切らない主人…

郵便配達は二度ベルを鳴らす

★★★★ 1980年6月22日(日) 梅田東映ホール 冷血なアメリカン・ハードボイルドを情のイタリアン・ネオリアリズモに置き換えても、必要以上にベタつきもしないのはヴィスコンティの破滅志向が根底にあるからだろう。絶妙のバランス感覚に立った処女作。カラマイ…

夕暮まで

★★ 1980年10月19日(日) 伊丹ローズ劇場 焦らされる過程を楽しむには料理番組程度のグルメぐりではデカダンが足りないし、鈴木のカメラも平板で安い。オリーブオイルで素股の性愛描写も覚悟が無いから訳わからん体たらく。処女性への拘りがかおり相手ではどう…

雪の轍

★★★★★ 2015年7月11日(土) シネリーブル梅田3 ベルイマン・カサヴェテスクラスの深層心理の表出により切り裂かれる魂の痛みは、インテリゲンチャ崩れな高等遊民の防御壁をやがて徐々にだが融解する。ニヒリスティックな世界観だが、それでも融和と希望を託…

ユリゴコロ

★★★★ 2017年9月27日(水) 大阪ステーションシティシネマ3 原作未読。 【ネタバレがあります】 冒頭10分で主人公の少女時代が描かれるが、その凡庸さに観るのやめたくなった。 「頭のネジが外れてる」と自己分析する異常者を、ああいう如何にもな演出でし…

夕陽の群盗

★★★ 2017年6月24日(土) プラネットスタジオプラス1 ロバート・ベントンのデビュー作で、撮影が「ゴッドファーザー」のゴードン・ウィリスだが、更にカメラオペレーターとしてが「タクシー・ドライバー」のマイケルチャップマンがクレジットされている。 …