映画感想【ろ】
★★★★ 2004年3月11日(木) 梅田ブルク7シアター3 信義故に己を見捨てし者の為に起つ王と失意の底から勇気を汲み出した王女。その親子愛が対照する王子の一方通行な父への愛。陸空のパノラミカルな大攻防戦の中で凝結したインサイドストーリーがシリーズで初…
★★★★★ 2004年6月22日(火) シネリーブル梅田1 この日本観に辟易したとしてもグローバルスタンダードな視点からは、こう見えるということを真摯に受け止めるべきで、なのに、さらりと日本専売とも思われるヴィヴィッドな男と女の機微を全うしてしまう。器の違…
★★★ 2006年2月6日(月) ホクテンザ1 殺戮の加担者たることと家族を思う良識人であることのアンビバレンツを突き詰めるににしては踏み込みが浅く表層に流れ過ぎ軽い。もっと悪魔的にブラックにデフォルメしたジョークとして撮られるべき題材と思う。(cinema…
★★★ 1992年10月10日(土) 新世界国際劇場 前作以上の世紀末的ムードが魅力と言えば魅力だし特撮も上々なのだが、えげつないキャラがオンパレードで余りに遣りきれない気分にさせられる。それが加速され突き抜ければカルティックな評価にも至ろうが御用監督と…
★★★★ 1991年6月2日(日) トビタシネマ ひとつのシークェンスを見る為に2時間耐えたっていい映画もある。大して面白味無く感情移入も出来かねる青い恋物語が続くのには大概うんざりする。しかしラストで至福がやって来た。本物の迫力と緊張感は半端ないね…C…
★★★ 1991年9月15日(日) 新世界国際劇場 製作マクティアナンが何処まで噛んだのかは知る由もないが、『プレデター』のジャングル描写にセンスを感じた者なら本作のシャーウッドの森にもその片鱗を嗅ぐかも知れない。アーヴィンにしては意外な程堅実な出来だが…
★★★★ 2008年3月8日(土) 新世界国際劇場 しょたれたトラヴォルタ&ダーンの老いらくコンビの風情が素晴らしい一方、ロンリーハーツコンビのボニー&クライドめいて止め処なく墜ちゆく様も過不足無い。抑制がある演出だが深淵まで踏み込んだとも言いかねる。…
★★★★★ 2009年2月26日(木) テアトル梅田1 緩いダンスに身を委ねるチャキリスとケリーの客演が醸す微妙な都落ち感に遠くイーストウッドを想起する。その被虐感とルグランのジャジーな粋とクロケの白い街ロシュフォールと冴えないDD姉妹と毒と邪気の壮大な…
★★ 1990年9月2日(日) 新世界東映 破れかぶれな男達のアナーキズムの混沌からやがて顕れ出ずる純情。『竜馬暗殺』と同じコンセプトが黒木の念頭にはあったろう。しかし田村や鈴木だから成し得る領域がある。撮影が凡庸すぎた。原田も無意味にむさ苦しすぎ。(c…
★★ 1990年11月24日(土) みなみ会館 何も消費社会を風刺しろとか教条的善悪論で価値観を縛ってほしいとか思うわけでもないが、題材が題材なだけにもう少し現実に棹さすべきだろう。完全なアイデア倒れであり、リアリティを欠いたこの楽天主義は稚拙すぎて無闇…
★★★ 2009年11月7日(土) ホクテンザ2 成る程導入は期待させる。芸者とロボとお座敷と「素」が混在する空間を辛うじて映画は支配しているかに見える。だが、あとは既存のバカ話のトレースに終始した。正直、眠かった。土台、俺は芸者よりミニスカのコンパニ…
★★★★★ 2010年6月12日(土) TOHOシネマズ梅田5 流されてるようでいても正念場では主体的に「決める」ことを繰り返し描き、何かを得る為には何かを棄てないといけないことを正確に描いている。何度も描かれた物語だが、競技に打ち込む小柄なペイジの躍動…
★★★ 1985年11月15日(土) 戎橋劇場 手法は思いつきでしかなく物語とは何ひとつ必然な連関を持たない。10分目のカット繋ぎの黒身が来るたびに「ホーッ」とか「ナ~ル」とか思ってしまうのはどうか。唯、こういう時代に変質者を主役に据えて平然と映画を撮っ…
★★★ 2010年12月11日(土) TOHOシネマズ梅田4 圧政王VS義賊という対立構図が確立する前の混沌の前史だとしても、最大クライマックスの対仏攻防戦でその確執のピックアップが弱すぎなのでピンボケ感が甚だしい。自己模倣に流れるスコット演出はウンザ…
★★★★ 1983年6月21日(火) 伊丹ローズ劇場 直情的でヒネリの無いストーリーだが、それだけに2作目という監督・主演のコンビが気取りもてらいもなく見せる職人芸が頃合いの安定感。パンチの効いた描写も充分に堂に入って飽きさせない好篇。(cinemascape) kenir…
★★★ 1982年5月1日(土) 伊丹ローズ劇場 おそらく大した内実も無いのに映画を何とか1本作ったろかという山師連中が集う製作過程が、描かれる海のもんとも山のもんとも知れん男の大陸横断野望と同期し微温的ながらもベタつかないテイストを醸し出した。撮影長…
★★★ 2011年9月18日(日) MOVIXあまがさき4 溜めが無い直截さを美点と思おうとしても、一方で海兵隊の面々を描くに情緒を垂れ流している。ミクロなエリアでのロボット兵じみたエイリアンとの戦いは『ブラックホーク』以後の映画内での近代市街戦描写の…
★★★★ 2020年7月18日(土) 新世界国際劇場 ロングショットっていったいなんじゃいな。 さしたる関心もなく見たあとタイトルの意味を考えてて、なるほどこれは、PAR4のホールをホールインワンしたようなありえない恋のロングショットを決めた男の話ってこ…
★★★ 1982年7月16日(金) 毎日文化ホール チャンドラーとアルトマンの喰い合わせが問題。雰囲気身上の足し算の結果ミステリーとしてのロジックは消失。何がどうなってるのかの人間関係がさっぱり。撮影がズームと移動を使いまくりで微妙なニュアンスを形成し棄…
★★★★★ 2012年9月22日(土) 大阪ステーションシティシネマ12 清清しいバカップルのルーチン物語が80年代ポップスに乗り『ウエスト・サイド』張りに3重唱を奏でた序盤で射られる。カッティングは60年代ミュージカルの正統継子で、マイノリティへの共感…
★★★ 2020年2月29日(土) シネリーブル梅田4 まったく予備知識なしで見たので、60分のワンカット長まわしのことも見るまで知らなかった。 また、見た映画館は2D上映だったので、その60分が3Dになってることも知る由もない。 ずいぶん久しぶりに帰郷…
★★★ 2013年6月13日(木) 大阪ステーションシティシネマ9 若手2人の恋話はボールドウィンを語り部として登場させることで得意の分析話術から寓意性が喪失し凡庸。アレンとベニーニが担う2つの超現実的小話もペネロペ絡みの艶笑譚も総じてモッサリし噛み合…
★★★★ 2020年1月25日(土) 梅田ブルク7シアター2 現在の日本映画の監督で、新作が公開されえば、多少むりしてでも必ず見に行くってのが何人かいるような気がする。 タナダユキもその1人で、作品を全部見てるわけではないが、★4か★5しかつけたことがない…
★★★★ 2013年7月21日(日) 第七藝術劇場 メジャー仕様の『反撥』焼き直しで、決定的に主人公の追い込みが緩いのだが、自壊するのではなく他者からの侵食によるあたり、米国に内在するトラウマを焙り出している。ジャジーな雰囲気と随所のポランスキー流夢幻…
★★★★ 1981年6月20日(土) 今津文化 おっかなびっくりで作られた親父太陽族映画の系譜線上に現れた同時代感覚の虚無感。成島東一郎の撮影が素晴らしく『勝手にしやがれ』と表裏のラストも映画史の奇妙な蓋然性を思わせ興味深い。(cinemascape) kenironkun.hate…
★★★★★ 2019年8月28日(水) 梅田ブルク7シアター3 正直、さほど見る気もなかった。 何せ、明らかに2匹目のドジョウ感があるし、監督も、かの映画のブライアン・シンガー降板のあとを引き継いで完成させた人らしい。 何よりエルトン・ジョンに興味がない。…
★★★ 1981年8月17日(月) シネマ温劇 本来は汚泥と混濁の中でこそ語られるべき西部はスタイリッシュな硝煙と粉塵の中にその姿を埋没されてしまう。ペキンパーが泣いているだろう。オリジナリティは兄弟俳優を何組も使うってアイデアだけで他はよそからの借り…
★★★★★ 2019年4月12日(金) シネマート心斎橋2 微妙といえば微妙な立ち位置に立った作品である。 スペイン系の入植者の末裔である富裕層に対してネイティブなメキシカンであるインディオは貧困に留められているという状況で、富裕層の一家の物語である一方…
★★★★ 2018年11月11日(日) プラネットスタジオプラスワン 一番秀逸なのはジョン・ミリアスの脚本だと思う。 ヒューストンの演出は縦構図とアップを縦横に駆使してストップモーションの遊びなど自在な感じでいい。 しかし、おそらくこの映画で最大のヤマ場で…
★★★★ 1980年9月22日(月) 伊丹グリーン劇場 初作の成功を受けつつも未だ清新な気持ちを保ちつつで望んだであろう本作。どん底の寂寥感は消失したが予算は増えて終局へのカタルシスは倍加した。ファイトシーンの圧倒的質量感。スタローン御自らの演出も過不足…