男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想

シャドウ・イン・クラウド

★★★★★ 2022年7月19日(火) 新世界国際劇場 なんだかこの映画に★5つもつけて見識疑われそうだが、良かったものはしゃーないっす。 まず、爆撃機の下部銃座室に閉じ込められたクロエの延々とした1人芝居が続く。機内の男たちの声はモニター越しにしか聞こえ…

ウェディング・バンケット

★★★★ 1994年6月26日(日) パルシネマしんこうえん ゲイカップルに女1人という組み合わせに所詮は完成されぬ居たたまれなさがある以上虚無感は拭えないのだが、両親の大陸的な良い意味での処世観が骨太でありドラマを高めている。コンテンポラリーであること…

嵐の勇者たち

★★★★ 2002年2月14日(木) トビタ東映 くだらないと言えばこれほどくだらない脚本もないのだろうし、一種のお宝映画的に見ようとしても、そこまで振れ切ってないのだが、逆に言えば、それをここまで見せ切ってしまう演出力とキラ星の如きスターのパワーには恐…

アンダルシアの犬

★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 眼球やロバの当時の衝撃は想像に難くない。背徳的で衝撃的で越境した描写には意味は有るし変革への里程標だ。ただ一方で100年持ちこたえる映画がある。これが『ポチョムキン』や『黄金狂時代』の3年後に作られ…

助太刀屋助六

★★★★ 2002年2月18日(月) ナビオシネ5 感涙ものの縦構図の切り返しやストップモーションの絶妙なタイミングや緊張に割り込むユーモアの機微など紛れもなく喜八節の復活。対峙する仲代と小林が醸し出す嘗ての映画の味。しかし、真に驚愕したのは真田の確信的…

屋根裏の散歩者

★★ 1994年6月26日(日) 高槻セントラル 無駄に前衛しちゃうよりマシかもと思うが実相寺が乱歩を撮ればこうなるという想定イメージ内に安住しており退屈極まりない。徒に小奇麗なのも萎える。この原作はエキス的に純過ぎて世界が完結しているのだ。擬えるだけ…

キス・オブ・ザ・ドラゴン

★★★★ 2002年2月14日(木) 新世界国際劇場 見た範囲でだがジェット・リー最高作。童顔での余裕綽々ニヤつきを封印し一種の悲愴美とも言うべき味わいを醸し出して、特筆すべきアルボガスト撮影の悲嘆に彩られた世界に親和している。何より臨界すれすれの状況で…

情婦

★★★★★ 1994年6月23日(木) シネマアルゴ梅田 どんでん返しが巧緻であるだけに止まらない。小道具・大道具への偏執的拘りと演技陣の神懸かりなアンサンブル。ロートンは自家籠中の役を極めつけで演じ映画を文字通り背負うが、それよりもディートリッヒの欧州の…

スコア

★★★★ 2002年2月21日(木) 天六ユウラク座 『ケープ・フィアー』や『ザ・ファン』あたりで新たな抽斗の枯渇を感じたのであろうデ・ニーロは、この路線で十二分に魅力的だ。3世代の自他共に認める演技虫が肩の力を脱いだ枯淡の味わいとも言うべきコラボレーシ…

暗殺者の家

★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 稚的なマクガフィンで映画的純度を粋化させたヒッチは先達者であると同時に分岐点に立った男だったのであり、そのことに充分に自覚を持っていたから敢えて『知りすぎていた男』を撮ったのだ。本作に関しては原型と…

新兵隊やくざ 火線

★★★ 2002年2月14日(木) トビタ東映 全くもっての在り来たり展開ではシリーズ末期的症状にいくらカラー化や増村再登板をもってしてもリストラクトは適わない。相変わらぬ勝新の暴れっ振りを見てるだけで退屈はしないとは言えホモセクシュアルを匂わす描写は覚…

マルメロの陽光

★★★★ 1994年6月26日(日) つかしんホール 何に拘り何に納得がいかぬのか凡人には理解に難いのだが、その無為とも思える時間が何時しか内実から染み出る「本物」の実体に照射されて輝きを帯びる。これは撮影技法レベルのものではない。寡作の画家を寡作の映画…

ヤング・ブラッド

★★ 2002年2月21日(木) 天六ユウラク座 シャン・シェンシェン自身によるというスタントが強烈に浮いている上、旧態たるマスターショットとアップを織り交ぜる編集が黴臭い。ハイアムズは好きな監督だけにちょっと寂しい。ティム・ロスは猿がダブるものの眼力…

逃げ去る恋

★★★ 2022年7月11日(月) テアトル梅田2 アントワーヌ・ドワネルものの最終章だそうだが、トリュフォー自身は第4作「家庭」で帳尻をつけたつもりだったので、如何にもな蛇足感がある。大して面白くない。 多分、全篇の半分くらいが第1〜4作「大人は判っ…

から騒ぎ

★★★★ 1994年6月26日(日) パルシネマしんこうえん ブラナーとトンプソンのいちゃいちゃもワシントンとキアヌが兄弟という適当さも、馬鹿騒ぎなハイテンションで突っ走る展開の中で、どうでも良くなっていく快感。下手な現代的再解釈ものより本質をわきまえて…

まぶだち

★★★★★ 2002年2月26日(火) 扇町ミュージアムスクエア ジャンルの定型に沿ってはいるが、それでもオリジナルだと思った。台詞は生硬で饒舌過ぎるにせよ主人公の少年と担任の教師がそれぞれの価値観で世界に正対してモノを言ってるからであろう。子供たちのキャ…

もだえ

★★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 悪い奴は徹底的に悪く描かれるのが単視眼的とも言えるが、オドロオドロしいドイツ表現主義的手法でポイントを押さえつつ描かれると何か一種の怪異譚のような高みにまで到達してるかのよう。ダークサイドな聖職者…

エルヴィス

★★★ 2022年7月13日(水) 大阪ステーションシティシネマ10 前半1時間はバズ・ラーマンのクドいまでのケレンが時間の解体と相まって傑作かもとの思いもあった。 佳境が2つある。メンフィスのマイナーレベルのライブでトム・ハンクス扮する大佐が初めてエ…

ピアニスト

★★★★★ 2002年3月4日(月) 梅田ガーデンシネマ1 閉塞状況で育まれた自我が変態性にまで肥大化した世間知らず女の生態と言う事なんだろうが、この真正面から恥ずかしげも無く突き進むキャラクターは殆ど前代未聞。これを体現可能な唯一無二の女優ユペールの憑…

リフ・ラフ

★★★★ 1994年7月9日(土) 京都朝日シネマ2 ほぼ1建設現場に絞られた舞台設定で見せきってしまうのは働く男達のリアリティに尽きるのだと思う(現実にロバート・カーライルは建築労働者出身らしい)。淡々と流れた物語が終盤畳み掛けるように露呈させる制度の…

SO WHAT

★★★ 2002年2月23日(土) 扇町ミュージアムスクエア 初期大友テイストのグダグダな停滞感が無くのっぺりツルンとした凡作。何かどこかで見たような青春モノらしき設定やキャラクターが継ぎ接ぎされてはいるが全て借り物の印象。松竹カラーに染められて山川は『…

アパッチ

★★★ 2022年7月16日(土) プラネットプラスワン アルドリッチの初期作だが、この翌年に傑作「ヴェラ・クルス」を撮ったことを考えると、今一凡庸さは否めない。 ジェロニモ投降から始まるアパッチ族斜陽の物語で、1人徹底抗戦を謳う男をランカスターが演じ…

ぼくの伯父さん

★★★★★ 1994年8月6日(土) 京都朝日シネマ1 一芸だけを只管な拘りと信念で繰り返し続けた孤高の作家の理想的到達点。独善的な文明批判と潔癖主義なユーモアは軽妙な音楽と膨よかな色彩で丸められ、更に少年視線によって客体化される。ある意味、無欲な享楽や…

EUREKA ユリイカ

★★★★ 2002年3月2 日(土) リサイタルホール トラウマに飲み込まれる兄と脱却できた妹の物語としてなら納得するが、この主人公の現実からの逃避や兄妹への共存志向には借り物の胡散臭さしか感じられなかった。60年代日本映画の最良の撮影を彷彿とさせる田村…

月世界旅行

★★★ 1994年7月31日(日) ACTシネマテーク 映画創生期の絵の中の人や景色が動く驚愕もさることながら、作る方も見る側もこの月世界をもしかすればありなむと思ってたのではってところが憧憬をかきたてる。本作を観ながら目に浮かぶ20世紀初頭の芝居小屋の…

アンビュランス

★★★ 2022年7月19日(火) 新世界国際劇場 マイケル・ベイにほとんど期待するものはないのだが、何だか評判いいみたいで若しかしたらの思いもあった。が、やはり所詮はマイケル・ベイはマイケル・ベイでしかなかった。 「俺は爆破のレシピを持ってるのさ」と…

Dr.Tと女たち

★★★★★ 2002年3月6日(水) ナビオシネ5 伝統的スクリューボールを基底とした女だらけで化粧の匂いが充満するかのような濃厚な前半も、フェリーニが匂う終盤を経ての達観したかの如きラストも良いが、仕事も家庭もどうでもいいぜ、悩みなんかぶっ飛ばせとばか…

押繪と旅する男

★ 1994年6月26日(日) 高槻セントラル 乱歩稀代の傑作幻想譚は凌雲閣という高所から遠眼鏡で遙か下方のからくり細工の押絵の美女を視るというマクロからミクロへの瞬時の空間飛躍がもたらす孤絶感こそが肝であるのに技量が無く、替わって安易な時制錯綜で茶を…

100%の女の子

★★★ 2002年2月28日(木) 扇町ミュージアムスクエア 蓼食う虫も好き好きで、どんな女の子を100%と思おうがかまやしないが、連れにこんな話されてもしらけるのと同じである。スティルカメラによる連続写真が通常のコマ延ばしとは違う面白い効果をあげている…

ロケーション

★★ 1994年7月10日(日) 日劇会館 いい加減な話を成り行き任せで為すがままにやってたら、驚いたことに傑作が出来ちまったと映画内ではなってるのだが全然そう思えないのでド白けてしまう。貧乏なロケ隊の話が画面まで貧乏臭くて救われない。後半の展開は虚実…