男の痰壺

映画の感想中心です

映画1999

季節の中で

★★★ 2000年2月19日(土) 梅田ガーデンシネマ1 流行監督的物真似が無いだけましだがオリジナリティも感じられない。一見、心を打ちそうな物語が連ねられてはいるが、新奇さも無く表層的な感じが拭えない。大体カイテルを出したこと自体が相当に胡散臭い。(cin…

極道血風録 無頼の紋章

★★★ 2000年1月29日(土) ホクテンザ1 保守に抗する反動のアナーキズムという構図を描けていないから表層的にしかならないし、ガチガチの保守肩入れ姿勢が救いようもなく大時代なのだ。大体に的場が決定的にミスキャストな気がする。力ともどもに立ち役の柄じ…

マグノリア

★★★★★ 2000年3月19日(日) アポロシネマエイト5 日常の営為の中で人は皆悩みを抱えて生きているが、それだからこそ愛おしいのだということを高らかに宣言してるかのよう。寓話的体裁に挟んだ錯綜する数時間という構成の妙もさることながらカメラワークの高度…

救命士

★★★ 2000年3月25日(土) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田7 主人公の安らぐ間もない日常と憔悴、その合間に訪れる過去の幻影。2重構造の表と裏が不可分に作用反作用をもたらしクライマックスへと…という『タクシー・ドライバー』的破壊のカタルシスは無く…

スリーピー・ホロウ

★★★★ 2000年4月12日(水) ユナイテッドシネマ岸和田2 趣味的嗜好に走りすぎて逸脱するバートン作中で最大の抑制を見せた作だと思うし、多分コッポラの陰での統制があったのではなかろうか。今更の題材なのだがゴシックとポップの理想的ブレンドで画を確立す…

トイ・ストーリー2

★★★ 2000年3月28日(火) ワーナーマイカルシネマズ明石7 Part1以上にテクニカル面では巧妙で文句のつけようもないが驚きも無い。どれほど斬新なものでも続篇は規定の範囲内に収まった世界観では収縮感を補えないということ。ハートを打つ真情ってのはも…

クッキー・フォーチュン

★★★★ 2000年4月15日(土) テアトル梅田1 1人の死から巻起るドタバタの主線は娘姉妹の筈だが何故か拡散し出した流れは姪と本筋からズレた挿話に全て持って行かれる方向性の定まらなさ。しかし、そんなことがどうでもよくなる南部アメリカの日向の午睡の如き…

グリーンマイル

★★★ 2000年4月22日(土) ワーナーマイケルシネマズ東岸和田4 短篇をイマジネイトするに付加で済むなら長篇ではリストラクトが要る。これは換骨奪胎に終始する優等生映画。原作を解体再構築する映像作家の矜持は皆無。原作者にひれ伏したダボランはキングから…

アメリカン・ビューティー

★★★ 2000年5月8日(月) ユナイテッドシネマ岸和田4 骨法上ピースがきっちり噛み合わないもどかしさがある。現代家族の崩壊を描いたものではないと言われればそれまでだが、サブストーリーから現れた傍系人物が物語の締めを担うのではロジカルなカタルシスに…

ストレイト・ストーリー

★★★ 2000年5月13日(土) ホクテンザ2 変態毒性リンチが、これを撮ったということで、その意外性を過大評価はしたくない。ファーンズワースも良いが、特にスペイセクは慎ましやかな佇まいで素晴らしい。だからこそ、この世界には如何にもなリンチ的ギミックは…

エニイ・ギブン・サンデー

★★★ 2000年5月27日(水) ユナイテッドシネマ岸和田1 ダンスや格闘技と同じくスポーツという題材はコマ切れカットの誤魔化しでは撮って欲しくなく且つストーンの技巧も黴臭い。前半で退いた気持ちを立て直すドラマトゥルギーも胡散臭いパチーノの熱語りと馴染…

インサイダー

★★★★ 2000年6月3日(土) ユナイテッドシネマ岸和田1 内部告発劇として特段な何かがあるわけでないのに、力のある演者と演出が噛み合い迷いなく同一方向のベクトルに乗ったとき映画は成立してしまう。衒いない主役2人の演技は抑制され直球勝負の醍醐味。透明…

ナインスゲート

★★★ 2000年6月22日(木) ユナイテッドシナマ岸和田6 エマニュエル・セイヤーが香港映画ももうちっと巧かろうというワイヤーで飛んで来た瞬間から見終わるまで自問自答を繰り返した。本気かシャレか…結論は途中でやる気なくなったんだろうということで納得す…

あの子を探して

★★★★★ 2000年7月29日(土) 梅田ガーデンシネマ2 ド素人ばかりを使い、わけても主演の女の子の見目麗しくもなく性格悪そうなのがイタリアン・ネオリアリズモな伝統をに立脚してると思うそばから、フランス映画的小粋なエスプリも出してくる。あらゆる映画史に…

人狼 JIN-ROH

★★★★★ 2000年7月20日(木) テアトル梅田1 設定を近未来ではなくパラレルな昭和30年代にしたのが冴えている。本来の日本に有ろうべくないハードな世界観が郷愁の既視感と錯綜して生じる二重三重のアンビバレンツ。終盤のアクションの切れも痺れる達成度。何…

TATARI

★★★ 2000年8月19日(土) 天六ユウラク座 嬉しくなる位の定石を踏んだお化け屋敷もので、ヘタな演出上の色気を出さぬので好感を持てる。なんだかんだ言っても古来より伝わるオーソドキシィの旨みは棄てたもんじゃないと思わせる上出来ホラー。ただ、終盤の展開…

ウィング・コマンダー

★★★ 2000年8月19日(土) 天六ユウラク座 大体、幾つもの映画からインスパイアされたに決まってるゲームが鮭の回遊よろしく巡りめぐって映画化されたのだからオリジナルマターを付与することが本末転倒となるジレンマ。決してVFXは悪くはないが過去のこの手…

マルコヴィッチの穴

★★★★ 2000年9月23日(土) ユナイテッドシネマ岸和田8 微妙な臨界線上に位置しているのだが見透かされたような余裕で支持せざるを得ない側に落として見せられた気がする。ボロを出すかと思っても切り抜けてしまう奥の深さはゴダールみたいだ。「人形使い」も…

ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ

★★★ 2001年1月10日(水) 天六ユウラク座 複層的に奇矯な人物が入り乱れるアメリカ地方都市のドタバタはアルトマンやアレンを思わせるセンスを多少垣間見せはするが、主人公の自殺願望を説得性をもって描ききれず共感度ゼロなうえにフィニーの役が完全カラ回り…

ギャラクシー・クエスト

★★★ 2001年3月6日(火) テアトル梅田2 お真面目なリックマンやウィーバーに意外性があるという程度の50年代コメディの無毒性再生利用。以上でも以下でもないから幾何級数的な無限逸脱の破綻スパイラルを望むべくもない。これでは閉じた世界で自足する準オ…

初恋のきた道

★★★★★ 2001年5月2日(水) OS劇場CAP 人を好きになるという1点だけを描き映画はここまで持たせられるものだったのかという驚きは絶えなき手法変革中毒イーモウの敢えての陳腐が皮相に倍加する。ツィイーちゃん可愛やは淡彩背景でピンク映えの色計算で無…

ギター弾きの恋

★★★★★ 2001年5月22日(火) テアトル梅田2 虚構の実人物という『ダニーローズ』以降の得意ギミックが鮮やかに決まり物語は切ない追憶へ昇華される。言葉を失ったアレン版ジェルソミーナは爪弾く調べに笑顔で語るしかない。失って初めてわかる掛替え無い理解者…

トゥルー・クライム

★★★★★ 2001年5月31日(木) トビタシネマ ウッズとの掛け合いのグルーヴの役者同士たる幸せに感化され分泌&放出されたアドレナリンはワシントンとの対面シーンでの馴染みの噛み殺す滾る怒りに再分泌される。女癖も余裕でかましハリウッドベーシックなラストは…

ザ・ミッション 非情の掟

★★★★ 2001年10月11日(木) テアトル梅田1 目的のもと集められた集団が内紛したりの確執の代わりに緩い仲間意識からホモソーシャルな世界に至るジョニー・トーの起源。そこでは当然戦いも幾何数的な潔癖で語られる。SC内での攻防は静謐な厳格さで統御され、…

カリスマ

★★★★ 2001年11月15日(木) トビタ東映 「法則の回復」だの「対立軸の共生」だのと前半は青臭く生硬な台詞も相まり木を巡る争奪は意味や先行きの見えぬ隘路を彷徨うが、後半「なるがまま」と開き直り黒沢お得意の終末観が展開され出すと見違えるように締まった…

蝶の舌

★★★★ 2002年2月12日(火) サンケイホール 定番通りの少年期の不安や友情や異性への想いが過不足なく綴られるが、一方で洗濯する女達や水浴する少女達等の背景描写がオリジナルで美しいのでルーティーンから免れている。不穏の予兆が顕現し急転する終盤。唐突…

ジャニスのOL日記

★★★ 2002年3月14日(木) 西灘劇場 閉じられた世界で救われない主人公は何とか解放されたいと願いながらも特に足掻くわけでもなく虚言癖程度の逃避で済むのも、映画的な虚構を廃したリアルワールドと言えばそうかもしれない。であるならとってつけたような救済…

こころの湯

★★★★ 2002年5月11日(土) 西灘劇場 癒しを標榜する映画は好かないが、これは癒し場を背景にしただけで、その実登場人物達は徹底してドライニ突き放されている。映画の前後に同尺の物語があってもいい、その中盤とも言うべき部分を説明無く抽出したのが、それ…

大阪物語

★★★★★ 2002年7月8日(月) トビタ東映 終焉に向かい閉じゆく親の世代と脱皮しながら育ち行く子の世代の対比は在り来たりかも知れぬが驚くべきバランス感覚の良さで、どちらの描写も全く過不足無い。日常に芸人が介在する大阪浪花の世界に虚構の親子が自然体で…

スリー・キングス

★★★★★ 2013年6月8日(土) トビタシネマ チョイ悪野郎どもが欲を捨て立つ胡散臭さを認めつつ、しかし、妻を子を殺されたイラク男たちの想いは置き去りに能天気ガイは生き延びる。クールを越えブラックに至るアイロニー。朝鮮を中東に置き換えた『M・A・S…