映画2003
★★★ 2003年5月7日(水) 梅田ブルク7シアター6 ミュータント対人間との対立構図を前面に出し前作では微かにでも感じられたマイノリティであることの哀感が消失し個の対決に矮小化。更に安直なヒロイズムは心を醒めさせるだけだ。『LOTR』を経たイアン・…
★★★ 2003年6月24日(火) 梅田ピカデリー2 脳味噌にプラグ差し込みデータを送り込めばスーパーマンの出来上がりというのは設定だから我慢しても拮抗すべき現実世界が馬鹿踊りと青い純愛で表象されるしかないのならどうしようもない。100人のスミスに至って…
★★★★★ 2003年7月3日(木) 梅田ピカデリー1 コンセプトを貫くというのは言うほど簡単ではなく、ここまで徹底するのは並大抵ではないと思う。おきゃんな年頃というには些かトウの立ったディアスを筆頭に必死の思いの3人の馬鹿騒ぎにプロ魂を垣間見た。テンシ…
★★ 2003年7月5日(土) ホクテンザ1 家畜小屋の革命思想の浅薄さが薄ら寒い。中途半端な反米論はファションなのか?某映画を真似した弾着を用いぬCG処理の軽さや自己模倣を繰り返すたけしをまんまトレースした力には脱力。とっとと親爺の名をクレジットから…
★★★★ 2003年7月22日(火) ナビオTOHOプレックス3 人造人間であることの哀感を漂わせつつ脱力ギャグも侘しいシュワちゃんに泣けた。前半のバトルの重量感と空間処理は久々の見ものだが、スカイネットの起源にまつわるポリティカルな部分が多分におざなり…
★★★★ 2003年9月20日(土) 梅田ピカデリー1 異世界から来たターミネーターのように問答無用で斬りまくる市には虚無や同情や憎悪等の作劇上の動機付から逃げたズルさを感じる。それを逆手に取ってトリックスターとしての役回りを全うさせるなら物語構造自体を…
★★★ 2003年9月22日(月) 梅田ブルク7シアター5 あれほどの前フリをしてながら西田がどれ程の狂気を体現できるかにかかっていた筈。その狂気と娘を思う愛とのコントラストが映画の肝にならないといけない筈。クライマックスのショーは淡泊すぎ、内閣調査室は…
★★★ 2003年9月26日(金) 梅田ピカデリー4 冒頭の前日譚のムード醸成の巧みさに、さすが密かに目を付けた男バービンスキーだと唸ったが、あとはダラな展開が続くだけだった。ラリ演技のデップが小男すぎて物語まで縮こまる。海賊ものは矢張りマッチョな筋肉の…
★★★ 2003年10月25日(土) シネリーブル梅田2 映画を撮るのに何をしたいか明確に解ってることは強みであり、ただただ仲間への思いを刻んでおきたかったということなのだろう。そこに懺悔も禍根も無く真摯なリスペクトだけがあるらしいのが一本気で気持ちいい…
★★★ 2003年10月28日(火) 梅田ブルク7シアター1 序盤には曲りなりにも垣間見えた復讐と言うパッションは後半のお遊び三昧の中で雲散霧消。そもそも前篇も後篇もない一気呵成の展開の中でこその東京シークェンスだろうにダルに引き伸ばされクライマックスに…
★★★★ 2003年11月18日(火) 梅田ブルク7シアター6 それはさておきとりあえずとでも言うべき大山鳴動鼠一匹な結末にしても、かくはともあれ虚しき脳内世界から現実世界に帰結した展開が何故か安心。遥か上方のドーム天井を穿って侵入する蛸機械の群れの圧倒的…
★★★ 2003年11月24日(土) 三番街シネマ3 和田勉の傑作ドラマがあり、森田もそれを見てるらしいのに何故に今更なのか?中でも、新主題曲はトルコ軍楽曲の、獅童は竜童のエピゴーネンに過ぎない。向田の脚本を忠実にトレースすれば、これくらいの出来にはなる…
★★★★ 2003年11月27日(火) テアトル梅田2 どうもアニメである必然を感じない飛躍のない物語なのだが、声優(特に江守と梅垣)の安定感と、そこまで取って置きましたとばかりのクライマックスにやられた。平素な日常にも良いことすれば福来るという真クリスマ…
★★★ 2003年12月2日(火) 梅田ピカデリー1 無駄を削ぎ落としてタイトだと言えば言えるのかも知れぬが、真昼間の摩天楼の谷間の公道上で繰り広げられる一幕物としては当事者2人と警察と野次馬の3者が物語上でも空間処理でもパノラミックに入り乱れる展開があ…
★★★ 2003年12月16日(火) 梅田ピカデリー1 カスター大虐殺に立ち会いウィンチェスター社を指弾する男が遙か最果ての国とは言え近代武装化の一翼を担う、又英語を取得し進取の気性に富む男が近代化に反旗を翻す。こういうアンビバレンツな感情機微を十全に描…
★★ 2003年12月22日(月) ナビオTOHOプレックス3 半世紀に渡り再三怪獣に襲撃された日本というパラレルな世界観が現在の日本の社会分析に言及されないままで、況やモビルスーツものの極私的個人の世界観に矮小化されるなら、『ゴジラ』『モスラ』の初作を…
★★★★★ 2004年1月16日(金) 梅田ブルク7シアター2 海中景観も良いが、ため無くいきなり動き方向を変える魚の圧倒的スピード感が素晴らしい。親離れ子離れもいいが、ここぞと言うときには思いっきり抱きしめ頬摺り合わす愛情表現が心打つ。鮫や海月や亀も良い…
★★★★★ 2004年1月13日(火) 梅田ガーデンシネマ2 ただ押されて過ぎ行く日々の中に稀に現れる煌く瞬間。過剰な時代に恋もSEXも檻の中の虎もラブホの魚の幻灯絵も漬物も味噌汁も焼鮭も看過すれば何でもない。しかし、それが如何に素晴らしいものであったかを…
★★★★ 2004年1月20日(火) 梅田ピカデリー4 多彩な人物が入り乱れ拡散しまくる展開の中で緊張が持続した人間描写は、中盤で底が割れドラマの重点が絞り込まれるにつれ馬脚を現す。ふったネタを放棄したかのような展開が釈然としない。ペンもデ・ニーロみたい…
★★★ 2004年1月10日(土) ホクテンザ1 端に至るまで男も女も背景を背負ってギリギリの生を生きるという全ての配役陣の役の把握力が圧倒的ドラマトゥルギーの発露に至る前半も真摯な問題提議をあくまで真摯に問う後半も個々に言うなら素晴らしい。しかし、両者…
★★★★ 2004年1月29日(木) 梅田ピカデリー3 万座を圧するパチーノの話術が醸すカリスマと、高慢の中に精緻に織り込まれたファレルの純情が文字通り正面激突する新旧の演技合戦の醍醐味。新味が無いとは言え裏の裏のその又裏へと3転4転する脚本も良ければド…
★★★ 2004年2月5日(木) 天六ユウラク座 冒頭の少年時代の挿話は演出的にも冴えている。計算されたカットの積み重ねは見ていて気持ち良い。しかし、こうも直線的な筋運びではプロットこそが生命線だと思うのに、余りにひねり無く街が壊滅させられるにしては端…
★★★★ 2004年2月17日(火) 梅田ブルク7シアター7 特撮ヒーローへの偏愛があるとも思えぬ宮藤&三池による遣り放題の防衛庁描写はやる気ゼロの渡部と絶妙にリンクして最高の諧謔を産み出したが、所詮立てねばならぬ男がいる為本気路線に舵を取ったものの本気…
★★★ 2004年3月2日(火) 天六ユウラク座 ヘルゲランドは『ペイバック』『ROCK YOU!』と見る限りフランケンハイマーの再来とさえ思っていたのに、絶倫爺イーストウッドと2本組んで精も根も吸い取られたのだろう。出し殻みたいなダブルフォーカスの縦構…
★★★★ 2004年3月23日(火) テアトル梅田1 魅力的な構成だが神の視座を謳うのであれば挿話がもう幾つか欲しかった。断罪も救済もしない田中麗奈の主人公に対する作り手のスタンスを図りかねるので肝心の鯨が浮いた。しかし、ダラな1夜の顛末の空気には痛いく…
★★★ 2004年3月20日(土) ホクテンザ1 密室相対型のSMをオープンな円形劇場に開放してしまったことで本来の隠微さからは遠ざかり替わりに導入されたのが恒例のバイオレンスと純愛。役名「名美」でも違和感ない強引な石井世界への引き寄せは好悪半ばか…。ピ…
★★★ 2004年4月13日(火) OS劇場 木乃伊盗りが木乃伊にと言うだけならコーエンにしては当たり前であり、ブレイク・エドワーズだと言うなら尻尾を切って徹するべきだ。どっちつかずで、自己陶酔したクルーニーにおんぶにだっこじゃ締まらない。(cinemascape) …
★★★ 2004年5月10日(月) 梅田ガーデンシネマ2 東独近代史に於ける劇的なターニングポイントが国民にもたらしたものが、パノラミカルなスケールではなく、後半では1人の女性に仮託され、シテュエーションコメディの定型に沿ってのドタバタに終始するのが全く…
★★★ 2004年5月8日(土) ホクテンザ2 『the Eye』という映画に展開が少し似てるのがつまらんし、ネタが割れたみたら、おかしいと思う点も少なからずある。そもそも合理的に理屈づけてしまう姿勢もつまらんのだが、全編出ずっぱりのハル・ベリーを心ゆくまで堪…
★★★★ 2004年5月18日(火) テアトル梅田2 背景音と等価に置かれた無味なダイアローグの羅列や単に歩く人物を背後から追い続ける長回しによって浮き上がる等身大の日常。降りかかる凶事に対し善悪論や運命論は全く無意味で恣意性のみに支配される。確かにそん…