映画2021
★★★ 2024年4月15日(月) シネリーブル梅田4 何かを伝えるための奇想と、奇想のための奇想では根本的に違って、そのメッセージを読み取れるかどうかはともかく、何かを描きたい伝えたいとの思いが奇想という仮構に重みを与える。一方で奇想のための奇想は受…
★★★★ 2023年12月21日(木) シネリーブル梅田1 監督/ギャスパー・ノエ、主演/ダリオ・アルジェントとフランソワーズ・リュブラン、題材/老夫婦の認知症、手法/全篇スプリットスクリーン、とまあ語るべきスキャンダリズムがテンコ盛りの映画に思える、の…
★★★ 2023年9月16日(土) シネリーブル梅田3 美術館の改装工事の現場から1901年に制作されたフィルムが発見された、ってのが前振りですが勿論これは2021制作の作品。前振りが何か有効機能してるかは疑問です。仮に2000年に誰かが作ったフィルム…
★★★★★ 2023年4月23日(日) MOVIXあまがさき8 前作「フロリダ・プロジェクト」同様に底辺で生きる人々を描いてショーン・ベイカーの眼差しは暖かいのだが、それでも描く視点が大きく転回したと思えるのは、クソ男のジタバタを描いて、このおっさん天罰…
★★★★ 2023年3月8日(水) シネリーブル梅田2 俺は中国共産党の映像番頭みたいなポジションにいるチャン・イーモウにがっかりするのだが、その一方でやっぱこの人の映像筆力は並々ならぬもんがあると思わざる得ないんです。今作もその辺を堪能しました。 満…
★★★★ 12月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ5 両親が事故で死んで会ったことのない幼い弟を引き取ることになった20代の姉の話なのだが、演じるチャン・ツイフォンが童顔なので初めは学生かと思ってました。中盤以降で看護士として働くシーンが出て…
★★★ 12月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 この世には理屈で割り切れないことがけっこうあって、何故そんなことをしたのか本人でもわからなかったりして、そういうのをテーマにした方が深いと思うんです。 種が開けてみれば「ある男」のやったこと…
★★★★ 2022年10月11日(火) シネリーブル梅田4 少女が森で遭遇する不思議譚ってことで、正直こういうのは食傷なのだが、それでも見て良かったと思いました。 セリーヌ・シアマの実力に関して「燃える女の肖像」だけでは未だ懐疑的だった俺ですが、こりゃも…
★★★★★ 2022年9月28日(水) シネリーブル梅田1 大して作品見てるわけではないのでナンニ・モレッテイの何がそんなに偉大な作家なのかはわかりません。本作は群像劇なんだが、それならアルトマンやPTAやソダーバーグらアメリカの監督たちの作品の余裕かま…
★ 2022年9月5日(土) テアトル梅田2 直情的な剛腕刑事が干されて飛ばされて何年ぶりかで町に戻ってみたら、ろくでもない奴らに牛耳られ町は豹変していた。 とまあ、ハメット的にそそるプロットであり、そんなんで見に行ったわけなんですが。 主演で製作に…
★★★★ 2022年7月27日(水) 大阪ステーションシティシネマ6 外国の大状況の中での自国民の小状況の物語ってことで、かつてのアメリカ映画「アルゴ」が思い出された。あれは、イラン革命の中で人質となったアメリカ大使館員たちの救出劇であったが、我田引水…
★★★★★ 2022年6月27日(月) テアトル梅田2 ホン・サンスがこれまでの大同小異な作風とは異なる領域に踏み込んだ作品だと思う。それは、これまでにないくらいのオーソドックスで強度の高い展開を持つ点と、自身による撮影がグラフィックな光彩をときに志向し…
★★★★ 2022年5月18日(水) シネリーブル梅田4 アレクセイ・ゲルマンやデヴィッド・リンチを思わせる、とのコメントを見たのだが、ソビエト〜ロシア近代史の混沌を背景にした映画が同じ体臭を纏うのは宜べなるかなである。一方で互いに連関しない挿話が時代…
★★★★★ 2022年5月16日(月) シネリーブル梅田2 冒頭から素晴らしいモノクロの空撮に射られる。監督ジャック・オディアールは「マンハッタン」と「モード家の一夜」にオマージュを捧げたと言っている。直接的な本作への反映があったかはともかく敬意を捧げら…
★★★★★ 2022年4月22日(金) シネリーブル梅田1 アスガー・ファルハディの映画を「別離」を見て衝撃を受けて以来見続けているが、だんだん調子が落ちてる感があった。そりゃあそうで、オリジナル脚本であんだけ人の心理の機微を捉えつつ、錯綜する作劇のダイ…
★★★★ 2022年4月13日(水) 梅田ブルク7シアター6 1947年「悪魔の往く町」なる映画のリメイクだそうだが未公開作品だし当然見てもおりません。だが、原作が持っているんだろう堅牢なストーリーテリングの果てに結末できれいに落ちるところに落とされる…
★★★★ 2022年4月1日(金) シネリーブル梅田3 前半は、こりゃダメだーと思った。 アダム・ドライヴァーが売れてるスタンダップコメディアンの設定なのだが、その芸が全くオモロくない。ワーワーギャハハと映画内の客席が受けるほど俺の心は冷めていく。映画…
★★★★ 2022年2月2日(水) テアトル梅田1 【ネタバレです】 「岬の兄妹」もそうだったが、片山慎三のタブー視されるテーマを攻める姿勢を一応は良しとしたい。死にたがってる奴殺して何が悪いって思ってる奴は間違いなくいるし、実際そういう事件も起こって…
★★★★ 2022年1月28日(金) 大阪ステーションシティシネマ6 「運び屋」でも大概にヨボヨボ化していたイーストウッドの更なるヨボヨボ化著しい予告篇を見て見るのやめとこかと思ってたんですが、見てみるとあんまり気にならなかった。苦みばしって吐き捨てる決…
★★★ 2022年1月19日(水) 梅田ブルク7シアター2 とりあえずガガ無双と言っておきます。 親がシチリア島からの移民だそうで、序盤のイタリアシークェンスでの画面への馴染み込みはそういうことかと納得。デ・シーカやジェルミの映画に出てきそうなザ・イタ…
★★★ 2022年1月13日(木) シネリーブル梅田1 「マクベス」の映画化作品と言えば、ウェルズ、黒澤、ポランスキーで必要十分てあり、もうええやんとも思えるのだが、この物語が映像作家の心をそうまで駆り立てるのは何なんでしょうかね。そっちの方が興味があ…
★★★★★ 2021年12月15日(水) シネリーブル梅田2 地球の終末をブラックな笑いで縁取り描いた点で「博士の異常な愛情」と通じるものがあるんだが、あれが、登場人物を政府高官や軍部に限定したポリティカルな作劇だったのに対して本作の目線は庶民にある。 【…
★★★★ 2021年11月22日(月) シアタス心斎橋1 本作の原作戯曲を手がけた前川知大の先の映画化作「散歩する侵略者」と同等のモチーフがあるように感じた。それは、男と女の関係における表面の瘡蓋を外したあとに見えてくるものへの問いかけ。それは極めて真面…
★★★ 2021年11月15日(月) 大阪ステーションシティシネマ10 やたら評判良いみたいだが、それは、ホラーの枠を越境してジャンルがフュージョンすることが理由みたいで、でもそれって結局はホラー味が低下して怖くなくなるってことじゃねえ? まあ、面白けれ…
★★★ 2021年11月3日(水) テアトル梅田1 好きな男に告白したが振られる。どうも彼女がいるらしい。自分は可愛いし勉強も優秀で寄ってくる男もいる。イケてる私なのに何故?いったいどんな女なの?ってことで興味を持つ。まあ、ここまではわかる。 でも、地…
★★★ 2021年10月21日(木) TOHOシネマズ梅田10 粗野で豪放磊落な田舎騎士をマット・デイモン、女たらしの二枚目成り上がり騎士をアダム・ドライヴァーって、ちゃうやろのキャスティングだが、見せ切ってしまう2人のキャリアはさすがだと思う。 制作・…
★★ 2021年10月13日(水) TOHOシネマズ梅田10 園子温のキャリア終焉を窺わせるような微温さ。 むりくりの娘奪還を命じられたニコラス・ケイジは身体のあちこちに取り外し不可の小型爆弾を装着されて、タイムリミット過ぎれば爆発するし、奪還した娘に…
★★★ 2021年10月7日(木) テアトル梅田2 土台、無理筋やろ思った。 冒頭、福島のひなびた町に女性がやって来る。 閉館予定の映画館を訪れ館主に経営を立て直しに来たと言う。名前を聞かれ咄嗟に目に止まった券売所を見てモギリコ(茂木莉子)。「用心棒」三…
★★★★ 2021年9月26日(日) MOVIXあまがさき3 「BULE」と本作で個人的に吉田恵輔は今年の監督賞確定と思わせます。力作である。 想像されるような、思い込みで未必の不可抗力としか言いようのない相手を執拗に追い詰めるモンスター親爺をデフォルメ…
★★★★ 2021年8月29日(日) 大阪ステーションシティシネマ9 カンヌの脚本賞だそうだが、おそらくそれは濱口・大江の脚色力というより村上春樹のストーリーテラーとしての力量に負うところが大きいのではないか。って原作読んでませんけど。 【以下ネタバレで…