男の痰壺

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ブライトバーン 恐怖の拡散者

★★★ 2019年11月24日(日) MOVIXあまがさき9

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どうもなあな出来だと思う。

 

【以下ネタバレです】

それまで人間として育てられた少年が、何かの契機で覚醒するのだが、そのことに対してのアイデンティティの確執はほとんどない。

スーパーマンの裏返しとして発想されたのは、ほぼ間違いないと思われるので、そうすると、たとえば「マン・オブ・スティール」なんかで宇宙人としての自我が人間としての自分とせめぎ合う様が嫌ってほど描かれたのに比べてテキトーな感じなんです。

であるから、身内である叔父さんや叔母さん、さらには父母を殺ってしまうのに際しての軋轢は無い。単に「こいつ俺にとって不都合なことしそう」がトリガーを起動させる。

 

まあ、かったるいそんな話は無くてええやん。

とも思えるが、それなら斬新な趣向でも見せてくれと思うが、どっかで見たようなもんばかりで、あえて言うなら、目ん玉にガラスが刺さるとか、事故で顔の半分がグチャグチャになるとかのエグい描写に力点が置かれて、いったいどっち方向いきたいねんと思う体たらくである。

 

スタートは単なる思い付きでいいと思うのだが、それを2時間の映画として成立させるには、やっぱもっと知恵しぼってくれよと思うのだ。

 

抑に裏スーパーマンな設定に既視感あるを言っても詮無い訳だが、見せ方まで諸映画のパクリめいてはシラける。内実が希求するものは寧ろ人体への加虐にあるらしいのが透けて見えるが如何にも半端。数多の悪魔の子ども映画に対し邪気の尻尾が残るのも又半端だ。(cinemascape)

 

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