男の痰壺

映画の感想中心です

ラブINニューヨーク

 

★★★★ 2020年2月16日(日) プラネットスタジオプラス1

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 全然見るきもなかった映画なんですが、これは見て良かった。

だいたい、主演の2人がヘンリー・ウィンクラーとシェリー・ロングって何か名前聞いたことあるかもな2人で、代表作ってなんだっけと。てんで浮かんでもこない。

監督のロン・ハワードも「スプラッシュ」や「コクーン」でヒット飛ばす前の、なんやねん役者あがりが監督なんざ10年早ーよな時期の作なんであります。

邦題もひでーなって思います。原題は「夜勤」でありますが、まんま「ナイトシフト」ってした方が気が利いているのに。

 

ペーソスと逸脱の展開が、ビリー・ワイルダーの映画みたいだって思いました。

死体置き場の夜勤事務をやってる主人公が、ひょんなことから娼婦たちのマネージャーもやることになる。真面目な男なので、本人が望んだわけでもない。

このへん「あなただけ今晩は」を思わせる。

逸脱を牽引するのが、これもキャリア初期でティム・バートン作に出る前のマイケル・キートン。もうこれがいっちゃってる目力で飛ばす。おとなし目の主演2人を横から絶妙のサポートであります。

 

で。結局は夜勤男と娼婦が憎からずから好きかもを経てぞっこんへと発展するが、その間山ありーの谷ありーので最後はめでたしめでたしと、まあ「アパートの鍵貸します」的な小市民の切なくもほんわかチックなハートウォーミング展開。

でも、やっぱ役者が弱い。ペーソスは「アパート」のレモンとシャーリーの半値八掛け二割引くらいでしょうか。それでも、いい映画でひろいももんでした。

 

ウォール街から死体置場の夜勤という窶れた荒びの日々が夜の女たちの元締へという急落で一気に底打ちし反動へ向かう。遣る瀬無いペーソスと狂的な逸脱がワイルダーの周到なトレースを感じささせる佳作。主演2人のキャラ不足をキートンの目力が追補。(cinemascape)