男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく(2003年7月11日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

仇討

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眼には眼を、歯には歯を…
残虐な殺人事件が起こる度に何百年にもわたって人々の口辺に立ちのぼる古代ハムラビ法典の余りに有名な復讐法の一節。
論旨は明快で、この論理で全てを括れたら簡単ではあるが、そうもいかない訳もある。
全ては、何百何千万という事象をたった1つの法律で「線引き出来ない」という1点に尽きるのであり
責任能力の有無」「故意か過失か」「動機の必然性(情状酌量余地)」…どれも一概には線引きできない。

今回の中学生による4歳児殺しで問われる「責任能力」の線引きも無意味で徒労だ。18歳を16歳に、そして今回の事件を機に14歳にしたってどうなるというのだろう。今後、もし小学生が赤ちゃんを殺したらどうなるか…。
社会的背景に責を求めるのも同様に虚しい。仮に心理的動機付けがもっともらしく解明されたとしても、その社会的背景を抜本的に変えることなど誰にもできないと思うからだ。

法治国家という言葉で括りこめ、強制的に千差万別の国民感情を1面的なモラリズムに押し込めることは最早時代にそぐわなくなっているのではなかろうか。
裁量権をケースによっては個に解放すべき時代なのではないのか。

 

江戸時代の「仇討ち制度」の復活を希望する。
殺された子供のご両親は件の中学生のガキを思う存分いたぶって殺していいと思います。勿論そうしたけりゃの話なんですが…。