男の痰壺

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知事の受難

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今回の緊急事態宣言をめぐるあれやこれやで大阪吉村知事の評価が上がってるらしい。

 

2015年の大阪都構想住民投票が僅差で否決されてしまった際に引退表明した橋下の後任候補として遊説にきたのを近所の公園に聞きにいった覚えがある。当時の俺は橋下引退の余りに大きな喪失感に塗れキャラ立ちに欠ける氏のことをホンマ大丈夫なんかいなと思って見ていた。

 

しかし、後年、日韓の対立が顕現し、韓国からの矢継ぎ早の攻勢に日本が受け身一方の対応に終始する最中、慰安婦像を巡ってサンフランシスコとの姉妹都市を解消したのを見て正直ものが違うと認識を改める。日本にはご立派なこと言う政治家は多いけど、いざそれを断行する際に及び腰になる奴ばっかですから。

 

今回のコロナ禍の対応のなか、先週やにわに吉村は連続してテレビに登場したが、その真意は一点、如何にして補償を伴わない休業要請を府民に納得してもらうか、であったと思われる。正に一世一代の正念場で、現段階ではある程度、成功したんじゃなかろうか。

松井の「あんただけ袋叩きにはさせへんで、みんなで袋叩きになる覚悟や」とのツイートも良かった。人心を揺さぶる物言いができる政治家だけが、難事を切り抜ける道筋を提示できる。

 

国が補償してくれないから休業要請決められませんといった多くの旧来型の地方行政の首長たちが、職に能わずの本質を露呈させられている。これを機に日本の政治が大きく変容すればいいのにと思う。

 

コロナが終焉し、都構想が可決された折には、松井と吉村は国政の場に拠点を移すだろう。その折には橋下も復帰し合流する。このシナリオはおそらく間違ってないと思う。お先真っ暗な中で残された一筋の光明とさえ思うのだ。