男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2003年8月20日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

ニシキヘビ(続フィリピーナ)

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(承前)
飯喰ったりして時間を潰して言われた店に着いたのが10時頃。かなり広いフィリピンパブだった。俺とAは店のママさんらしき人に先輩の名前を出し聞いた。
「○○さんから聞いてもらってますか?」
返事がない。しかも愛想も良くない。(後で解ったのだが日本語がわからなかっただけみたいだった)
とにかくボックスに案内され、女の子が2人ついた。しばらくしてショータイムとかで、店の中央に台座みたいなのを置いて黒人男と白人女の白黒がおっぱじまった。しかもニシキヘビを使ってするのだ。
Aが俺の耳元で囁いた。
「先輩…この店…なんかやばいっすよ」
言われなくても俺もそう思ってた。
「帰ろっか…」
とにかく白黒ショーが終わったらと思ってたら先輩が登場したのだ。店の人たちにあっちこっち声をかけたりして、いっぱしの顔みたいだった。そして、俺たちの席に来て腰掛けて言った。
「気に入った子いたか?」
地獄に仏という言葉がある。普段は不気味に思える先輩も、よりいっそうの不気味な環境下では仏に見えるのだ。
「そうっすねえ…最初の女の子の方がよかったっすね、なっ」
俺たちのボックスは1度女の子がチェンジしてたのだ。相槌を求められた後輩Aは顔に瞬時よぎった恨めしげな表情を抑えて言った。
「俺もっす」
「ほう…で…どの子よ」
「あの子っす」
「ほんで?」
「もう1人はあの子っす」
先輩は暫し2人の女の子を眺めて覚え立ての関西イントネーションで言った。
「ぐふっ…おまえらも好きもんやのお」
正直、わけわからんかった…。
(続く)