男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2003年8月26日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

コミュニケーション

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 先日、夜のニュース番組で或る居酒屋チェーンの幹部候補生の教育風景を見た。1人の店長補佐の男の子が指名されて今の問題点は何かと問われる。彼は板場の年配者達との連携が上手く機能していないと言った。言葉を選んで言ってはいたが、要は20代のペイペイの自分の言うことを40、50のベテラン板前が舐めきって聞いてくれないということだ。結果、その店では定食1つをテーブルに出すのに30分かかっている。
…で、その会社の教育官たる役員の強面おっさんはどう指導したか?
俄かに顔を泣き顔にして両手を拝むように合わせ「お願いします」とやって見せたのだ。
そして、若い副店長は何度も「お願いします」を練習させられる。
確かに店に戻って1度や2度は「お願いします」作戦で急場を凌げるかも知れないが、彼は一生「お願いします」を言い続けるのだろうか?そんなアホな…。
西洋的な合理主義一辺倒の考えは勿論性に合わないが、一方余りに日本的なコミュニケーション至上主義も唾棄したい。
彼は本来こう言うべきである。
「あっそう、いいよ、あんたが俺の言うとおりにやってくれないんなら明日から来なくていいっすよ」
そして板場でも何でも死に物狂いで自分で覚えちまえばいいのだ。そう指導すべきだと思う。
内なるコミュニケートを重視する余り顧客に向き合う運営が御座なりになるのであれば、その企業が駆逐されるのは目に見えている。