男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2005年1月14日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

甦れ!STOMCH

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(ⅰ)雪山で遭難し運良く発見した雪洞で寒を凌ぎ飲まず喰わずで1週間。天国からのお迎えが瞼にちらついたその時奇跡的に救助隊に発見される。
(ⅱ)客船で太平洋クルーズに出かけたが嵐に遭遇、船は転覆、1人だけ生き残り残骸にへばりついて漂流すること1週間。脱水と日焼けとで死神の甘い誘惑に負けそうなその時、救助ヘリの轟音が頭上で響いた。
(ⅲ)乗ってた旅客機がサハラ砂漠に墜落、奇跡的に唯1人生き残り、蜃気楼に幻惑されながら彷徨すること1週間。ガラガラ蛇を捕まえる気力も失せ果て、白骨と化した我が身の無情に咽び泣く、その涙も枯れ果てたその時、通りがかりのキャラバンに発見された。

 

俺はそのような経験をしたことはない。
しかし、たったの1日ではあるが、胃と腸を空っぽにするハメになった。
腸の検査の為なのだが、苦痛であった。
ひたすらに、検査を終えた後に喰う何かがもたらす感銘だけを思い続けた。

そして…その時が来たとき、俺は駅のマクドに居たのだった。
てりやきマックバーガー
30秒、5口で喰った。
食道を通過した最初の1片が胃に到達したとき音がした。
…ような気がした。
虚空の暗渠に落下した物体は途轍もない衝撃となって俺を襲った。
間髪をおかず重く激烈な痛みが襲って来た。
身悶えしつつも意地でポテトをコーヒーで流し込んだ。
波状的に襲い来る衝撃。
悶絶する俺。

その時、上記のイメージが浮かんだのだ。
そう…映画や小説では、何日間も飲まず食わずだった人は、胃に優しいお粥とかしか食べてはいけないのだ
…そんなことは百も承知の俺ではなかったのか…
しかし、時既に遅し

よろめくように店を出て曇天の寒空を見上げつつ俺の脳裏に浮かんだのは
何故か、ヤマザキ製パンのロールパンのキャラクター
バターもジャムもつけない食パンを美味そうに食する金髪碧眼の美少女スージーちゃんであった

何故かは未だにわからない。