男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2009年11月10日 (火))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

鳥羽の羽鳥

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ゆるやかに空を舞う1羽のカラス。
次第にこっちの方に近づいてきて彼女の頭上を通り過ぎた。
何気なくカラスを目で追って自分の背後を見る彼女。
カラスが舞い降りた先には何十羽ものカラスの大群が…。

ヒッチコック「鳥」のあまりに有名な1シーンである。

 

先日、俺は鳥羽湾の遊覧船上にいた。
船のデッキの側部手すりにもたれ、流れ行く海の泡沫をボーッと見ていた。
その視界に、突如1匹のカモメが。
船と並行し、手がとどくほど目の前を飛んでいる。
「ほー、珍奇な…」
と思うそばから、カモメは速度を落とし、船尾方向に姿を移していく。
目で追う俺。
と、そこに衝撃の光景が…。
何十羽ものカモメがすごい至近距離で船を追いかけるように飛んでいた。
「こ、怖いがな」
船尾デッキ上では、何人かの人がカッパエビセンみたいなのをエサにやっているのだ。
ぽーんと放り投げると、カモメが飛んできて空中キャッチしてUターンしていく。
「やんや、あっぱれじゃ!」
俺も船内で売ってるスナックを買って皆に加わり、エサをやった。
しかし、それから暫くすると、ワシかトンビか知らんが茶色の巨大なのが数羽混じりだし、やがて、カモメは駆逐され茶色のが何十羽も群れ出した。
「マジ怖いがな」
カモメはクチバシで餌をキャッチするが、そいつらは爪でキャッチするのであった。

会社の旅行で今更の伊勢志摩1泊行。
イルカやアシカやラッコやジュゴンなんてどうでもいいのだが。
この鳥羽湾での鳥には参った。
一見の価値はあるかもしれない。