男の痰壺

映画の感想中心です

思い、思われ、ふり、ふられ

★★★ 2020年8月29日(土) TOHOシネマズ梅田9

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この手のジャンルムービーを撮り続ける三木孝弘浩が、ある高みに達したみたいな評を読んで興味を惹かれたが、全然凡庸だった。

同じ巨大マンションに住む高校生たちが主役です。

っていうと昨年の山戸結希「ホットギミック」を思い出すが、マンションの構造や立地を映画的に縦横に取り込もうとする山戸の試みに比して、被写体を追うだけの演出は無難だけど刺激もありません。

それにしても、こういう閉じたコミューンでの物語が好まれる世の中ってのも如何なもんでしょうか。おじさんは危惧しちゃいます。

 

【以下ネタバレです】

お互い想いあう2人が、親の再婚によって姉弟として同居することになってしまった。当然、恋心は封印しなくちゃならない。

でも、そういう煩悶は押しつけられた因習の枷をぶち破って吹き出しシステムを変えていく。

ってのがこれまでの映画ってもんだったと思うが、2人はお互い気持ちを切り替えて、別の相手と結ばれておしまいとなる。

うーん、現実とはそんなものなんでしょうが、ええのか?とモヤモヤ感がはれません。

この空気が今の日本の若者たちの基底を成しているとしたら、我が国は衰亡の道をたどるのとちゃうやろか。

せんでもいい心配までしてしまいます。

 

浜辺美波ちゃん見たさってのも今回あったんですが、高校生役に早くも違和感を感じた。

なんか、彼女の先行きに釈由美子由美かおるがダブって見えた。いや、それが悪いわけでは全くないんですがね。

 

許されぬ恋ほど燃えるの時代は終焉し自制良い子の第2候補でOKな割れ鍋に綴じ蓋。閉じた世界だったらミニマムに更なる沈潜もあった筈だが、そこまでの演出アイデアはない。美容番長化しゆく美波は早くも大御所めいて莉子とのバランスを欠いている。(cinemascape)

 

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