男の痰壺

映画の感想中心です

叩くのなら本元を撃て

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映画「ムーラン」が人権派から袋叩きにあっている。

火をつけたのが、香港問題についての主演女優による中共支持発言で、油を注いだのが新疆ウイグル自治区での撮影の露見みたい。

 

もともと、この映画、今年になってから嫌っていうほど予告篇を見せられてきていた割には特に見たいとも思えなかったのは、未だ俺の中にあるディズニー=ガキ向けという残留概念のせいだ。

しかし、今回の騒動でジェット・リードニー・イェンコン・リーが出てることを知った。今頃なに言ってんねんと言われそうだが、それくらい関心なかったんです。

「ムーラン」に対する見方がコペルニクス的に転換し俺の中でムカムクと見てーって気持ちが沸き起こる。

 

まあ、結局この映画、配信のみで劇場公開なしになったんですが、もし公開されてたらどうしたやろかと思うんです。見に行って「傑作やー」とか言うのが躊躇われるんやろね。

ただ、先般の薬物所持で逮捕された役者が出てる作品は封印すべしの風潮と根は同じに思えるジレンマです。問題のスケールは蟻んこと象くらい違いますけど。

 

明らかに中国市場をメインターゲットにした大作の主演女優が中共批判なんかマーケティング戦略上できるわけない。

枠外にいてパッシングする気楽さとは背負ってるものが違う。彼ら彼女らはそこで生きていかないといけないんです。

 

作品に罪はないとか気持ち悪い言い草はしたくないんだけど、苦労して作られたものは、それなりの敬意をはらわれて然るべき。

中共の糞のような覇権主義を叩くのなら、ディズニー映画叩いてるより他にやることあるだろう。