※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。
曇天下の永遠
幼稚園3年間と小学校6年間の合計9年間が2人で2歳差であるから11年間。
苦役に等しい子供の運動会観戦であったが、先週、下の子の6年生の運動会が終わり、俺は解放された。
何が嫌であったのか列挙しよう。
1.俺の子供のころの運動会というのは、父兄にとってもレクリエーションであったはずである。従って、行楽弁当と酒は当たり前であって、一杯ひっかけた親父どもが、ほろ酔い気分で「行け~!」とか「まくれ~!」とか「差せ~!」とか「そのまま~!」とか我が子の走る姿に声援を送ったもんだ。ところが、今日日は禁酒禁煙が当たり前で、俺にとっては間が持たないこと甚だしく、小学校の最初の運動会のときは、それでも水筒に密かに焼酎を入れていったのだが、飲みすぎて、炎天下のレジャーシートの上で爆睡してしまい、ものすごい顰蹙であったらしく、以後一切そういうことも許されず、仕方なく競技の合間に校外のコンビニに行き、ビールを買っては近くの公園で飲んでまた校内に戻るということを繰り返していたが、何でこんなことしてるねん、俺…と虚しく切なく情けなく、校内に戻っても退屈で、1人ぽつねんとレジャーシートの上で面白くもない競技を見続ける。
以下
2. ビデオカメラの陥穽。
3.競争原理の消失。
4.安易なJ-POP伴奏で安売りされる組体操の感動。
と書きたいこともあったが、割愛しよう。
ただ、今回、昼休憩のとき、1人でいた俺の席に小学生の息子がやってきて、どっかでお母さん連中と話していた女房が戻ってきて、友達とどっかに行っていた中学生の長男も戻ってきて…4人が揃って、弁当箱をひろげておにぎりをパクついたとき。
こうやって4人で地面に座って弁当を食うのも多分最後だろう…と思った。
俺は、しみじみと、その瞬間を脳裏に刻もうと思った。
子供達や女房は何も考えてないだろう。
だからこそ、曇天の小学校の校庭の午後は永遠なのだ。
日本崩壊まで、あと389日…。