男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2012年1月14日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

机上の空論

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昨年の暮れも押し迫った30日。
俺は頼みごとがあって、先輩と会って飲んでいた。
「いや、ちょっとね、最近ショックやってんやんか」
「何が」
「こないだ、カミさんと下の子と3人で『ミッション・インポッシブル』シネコンに見に行ったんですけどね」
「ああ」
「チケット買うときにさ、俺が何も言わんうちに『50割でいいですか』やって」
「ああ」
「どう思います?」
「えっ?」
「俺って50に見えますか?やっぱ」
「…」
「て言うか、俺らお互い50になったって信じられます」
「うん…確かに」
「しみじみ辛いもんありません?」
「うん」
「…」
「で、夫婦50割って俺ら使えるんや」
「2人で2000円は、ちょっと魅力ですよ」
「それって、何か証明要るん」
「いや、俺の行ったシネコンでは何も言われませんでした」
「ふーん」
「何考えてますん」
「…」
「何かちょっとした武器持った気してるんちゃいますん」
「いや…」
「使えないですよ」
「何で」
「だって、誘われた女の子にしてみりゃあ、1800円にせよ1000円にせよ、どっちみち俺らが出すんやから関係ありませんやん」
「…」
「むしろ、夫婦ってところにウザさを感じるみたいですよ」
「…そっか」
「そうなんですよ」
「使えんな」
「使えません…でも俺ら男はその夫婦ってのにちょっときめくんですよ」
「ときめくよな」

実は俺は数ヶ月前に、この武器を何も考えずに使ったことがあった。
それで何の効果も無いことを身をもって知っていたのだ。
こういうのを机上の空論と言う。

今、消費税を上げる上げないという、どうでもいい話で政治は低迷しているが、景気回復が先という反対派の論理に俺は不快感を覚える。
何故なら、それを唱える彼らに景気回復策の具体的な妙案が皆無だから。
消費税を上げようが上げまいが景気は回復しないし税収は減り続けるだろう。
机上の空論が日本に蔓延している。