★★★ 2020年11月28日(土) シネリーブル梅田4
とまあ、パロディアスユニティの血脈を引き継ぐ正統嫡子ということなのだろうが、「スタートアップガールズ」と本作を見た限りでは凡庸である。と思います。
失われた自分の出自をめぐる彷徨の果てに凄惨な過去が浮かび上がる。
って、俺はなんだか見てるうちに、80年代の野村芳太郎が連作していたころの今いちな方の作品を思い浮かべてしまった。(「真夜中の招待状」とか)要は衝撃の真実みたいなもんに映画が依存してしまっている。
女子高生の主人公が、ひょんなことから手伝ってくれることになったクラスメイトの男子と2人旅。このへんも80年代の角川映画の王道です。まあ、見てて楽しかったんですけど。
映画制作とは、そういった過去の映画文脈から
逃れられない。全ては既に語り尽くされている。と誰かが言ってましたが、だからって開き直ってもしゃーないわけで。何か己の内なるものをぶつけてほしい。そう思いました。
封印された深層心理を呼び起こす旅路が如何にもなジュブナイル風味で角川映画への郷愁を呼び起こす一方で凄惨な過去を紐解く作劇がダメな方の野村芳太郎を追想させるという80年代邦画メインストリームへの記憶の技法。ってどこが技法やねんってことだ。(cinemascape)