★★ 2020年12月26日(土) シネリーブル梅田4
タイトルの割に音楽は蔑ろである。
曲に合わせたエモーショナルな編集とかは、テレンス・マリックに端から期待もしてないが、それにしても殆ど効果音程度の扱い。
物語は女1人と男2人の3角関係、そしてその3角の外側から各々に関与する何人かの男女の話らしい。
らしいと言うのは、わからせようとの意図がマリックにないからで、シーン毎の状況設定がザックリあって、リハなしで役者に委ねてヨロシクってな感じのブツ切りシーンが続くからで、あとは名カメラマンのエマニュエルが何とかするッショ!みたいな。
勿論、これは俺の妄想だが、当たらずとも遠からじなんちゃいますかね。
そういった退屈な展開の果てに、やっぱ田舎に帰って汗水たらして働こうぜ!みたいな帰結はマジ今更?!なのだわ。年寄りの繰言やん。
今回、お得意の自然界のあれやこれやの事象のインサートやハッタリめいたギミックもほとんど無い。俺は、そういうのがけっこう好きだったのだが。
役者のブッキングが偶然出来て短期間で促成された代物じゃなかろか。これも想像ですが。
豪華なメンツの割になかなか公開されなかったのも無碍なるかなな出来だった。
大上段からの啓示的ギミックをブチ込む余裕もない即成的代物。業界周りで付いた離れたの3角関係にマリックは一片の肩入れもない。代わりにプラスアルファの人物群に多少の興味を見せるが高が知れてる。で結局はスローライフ回帰の年寄りの冷や水ではね。(cinemascape)