「な〜にわ〜あぶしだ〜あよ〜おんなのおんなの〜おじんせ〜えい〜い〜わ」
「今日も絶好調っすね」
「バカやろう、そんなんじゃねえよ」
「はい」
「絶望を歌でごまかしてるのよ」
「そうなんすか」
「お前よ、どう思う?例のさざ波発言」
「あああれね、やっちまったなっですかね」
「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ」
「は?」
「アメリカ、3311万、10%、インド、2675万、2%、ブラジル、1608万、7%」
「えっなに?」
「フランス、586万、8%、トルコ、518万、6%、ロシア、494万、4%、イギリス、446万、6%、イタリア、419万、7%、ドイツ、365万、5%、スペイン、363万、9%」
「終わり?」
「まだまだあるぜ、聞きたい?」
「いや、けっこうです」
「そう?…で、わかっただろ」
「いや、さっぱりだ、お経聞いてるようなもんで何一つ頭に入ってきませんでした」
「仕方ねえな、もう1回言ってやるよ」
「いや、あっ、やっぱわかった気がします、あれっすよね」
「そうよ、各国のコロナ感染者数と対人口比だよ、暗記するのにえれー時間かかったぜ」
「暗記?ご苦労さまっす」
「で、日本だけどよ、72万、0.6%」
「…」
「なっ、そういうことよ」
「はい」
「さざ波じゃん」
「…」
「外から見りゃあさざ波なんだよ」
「そりゃね」
「施策者が大勢観を見失って情緒に流れては事を見失う」
「はい」
「論理的で客観的なファクトだけが指針でないと結局、地獄行きなのは俺たち大衆なんだぜ」
「…」
「浪花節歌ってるのさ、マスメディアってのはさ」
「…」
「現実はさ、馬鹿な出会いは利口に化けることはないんだよな、わかったか」
「わかりやした、そうときた日にゃあさっきのじゅげむもう1回おねがいします」
「よしきた、じゅげむじゅげむ…あれ、じゅげむじゅげむ…あれ、じゅげむじゅげむ…」