★★★ 2021年5月22日(土) シネヌーヴォX
政治的な意図や背景が皆無なところでカルティックに棲息していた漫画キャラ、カエルのぺぺが新興右翼に利用されてヘイトシンボルとして大拡散されてしまった。たいへんやー、
ってしゃーないんちゃいます?だって何となく不気味で可愛くないんだもん、ぺぺ。
キャラの産みの親、マット・フューリーの幼い娘が大事そうに握りしめてるのは、ぺぺのぬいぐるみとかじゃなくって「トトロ」のDVDなんですなあ、子どもは正直っす。
ネット上では作為的な言説がもっともらしい修飾を加えられて拡散しており、ぺぺのような漫画のキャラだけじゃなく、人物のイメージさえも改変されていく。発言が中抜きされて真逆の意味にすり替えられるなんて日常茶飯事だ。
であるからに、ぺぺのイメージ改変は発想としては殊更なこととも思えないわけで、問題はその改変を受容する受け手の側にこそある。
映画はそこまで切り込んでいません。
マット・フューリーとその仲間たちが立ち上がってぺぺの復権を試みるってのは全く自然であります。でも、その戦略は結局オルタナティブ右翼と同じ手法に依るしかない。
そういう時代に限りないしんどさを覚えるのです。