男の痰壺

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キャラクター

★★★ 2021年6月13日(日) MOVIXあまがさき11

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オリジナルシナリオだそうだが、どうも展開がしっくりきません。

筆力はあるんだが良い人過ぎて猟奇ジャンルをモノにできないっていう主人公漫画家の設定は、まんまこの映画の作り手にも当てはまるんやなかろうか。

 

殺人現場に居合わせてしまって、彼の中の何かが変わって画風が変わる。作品はヒットして売れっ子になる。

殺人者にインスパイアされて変わった主人公だが、以降は殺人者が彼の漫画にインスパイアされる。この影響の方向性が転倒するっていうことが何なのかを映画はほとんどスルーしている。

まあ、そういった木乃伊捕りが木乃伊に的なものも又目新しくもないので見たくもないですけど。

 

何度かの一家惨殺事件が全て直接描写を廃されてるのも軽い。俺はどっちかというとハードなゴア描写は苦手だが、にしてもと感じる。覚悟が足りないんじやないか。

 

刑事側の描写に必要以上に深入りするのも強度を拡散させている。小栗、獅童コンビに味があっていいのが裏目に出てる気がします。

 

商業施設併設のシネコンで日曜日に見たので、上映終了後に退場を20分ほど留め置かれた。緊急事態で休業してる商業施設への通路がクローズされてエレベーターが大混雑する為で、おかげで横にいた女子中生グループ4、5人の会話を延々聞かされた。

「まじトラウマ」とか「FUKASEってまじヤバイ」とか「晩御飯食べれへん」とかイライラしながら聞いてたおじさんは一人ごつのであった。

「さっさと家帰って勉強せえ」

 

感化し影響されるの方向性が転倒することの本質を表層でしか捉えてないのでジャンルのエピゴーネンにしかならない。殺戮の場が事前・事後のみで表象されるのも覚悟が生半可な感じ。刑事2人のキャラを膨らませたのも味はあるが逃げに思える。向いてないのだ。(cinemascape)

 

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