男の痰壺

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ゴジラ VS コング

★★★★ 2021年7月14日(水) 大阪ステーションシティシネマ11

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多分こんな感じにバカなんやろなという予想の半歩上をいく開き直りを感じる。そのバカの上乗せを大真面目にテンション保ってやってみせた挙句のこの感覚なんやろと思ったら、少年マンガのテイストに近いっす。

 

俺は前作「キング・オブ・モンスターズ」のラストで、怪獣たちが「ライオンキング」よろしくゴジラの前に平伏するのを見て、心が折れるような脱力感を覚えたのであるが、そういう怪獣擬人化茶番の寸での際で踏みとどまったナイスなバランス感覚を感じた。

香港でのバトルで満身創痍・虫の息状態のコングにトドメの放射線光線浴びせようとしたゴジラが思い止まる件が白眉で、踵を返して立ち去るゴジラと立てないコングの縦構図なんて熱血格闘マンガまんまに反転昇華する。

 

ジュール・ヴェルヌの昔からの地底世界であったり、ギドラの頭蓋骨シンクロのメカゴジラとか、これでもかのオマージュもどきテンコ盛りの詰め込みも勢いに乗って好ましい華やぎである。

 

人間不在の男一匹ガチ対決物語として振り切ってやろうの決意が漲るので見方は自ずと決まる。瀕死のコングを見やるゴジラの鼻息と視線が語らずとも語る侠気は少年漫画の正道とも言える篇中白眉。ヴェルヌからギドラ・メカゴジ複合まで何でもありの華やぎ。(cinemascape)

 

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