男の痰壺

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チコタン ぼくのおよめさん

★★★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX

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小学生の男の子が寝ても覚めても同級生の女の子が好きやと、そればっかり考えている。

なんじゃあそりゃあ、そんなん考えてるヒマあったらもっと遊んでもっと勉強しろ。

と俺が親なら言いそう。

 

でも、チコタンチコタン、ああチコタンチコタンと只管に連呼されると、そないに好きやねんやったらと認めたい気持ちも。

 

そして更に、チコタンチコタン、あゝチコタンと来た日にゃあ、我が息子ながらこいつスゲ〜のかもとか思えてきそう。

 

そんなリフレインが誘う洗脳効果に身を委ねてると、いきなり暗転基調。なんやーふられたんか。ご飯もオヤツもテレビも漫画も要らない表現が気が利いております。

 

これは誰かを好きになることの素晴らしさみたいなのを謳った能天気子ども向け映画なんやろの予見は終盤で瓦解させられる。

ちょっとこの振れ幅はトラウマ級。

 

落として上げるは物語の常なれど束の間の悦びのあと100倍深度の奈落が待つとすればこれはもう修羅の道。寝ても覚めてもチコタンチコタンの恋焦がれガキンチョの常軌逸する様に呆れを通り越し尊厳さえ覚え始めた俺もともに堕ちよう闇黒魔道。トラウマ必至。(cinemascape)

 

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