★★★ 2021年8月19日(木) 大阪ステーションシティシネマ10
全然期待もしてないのに、なんで見てしまったのだろうか。思うに俺は2005年の前作がすご〜く好きで、その年のベストワンにしているほどだったので、あの半分でも面白けりゃとでも思ったんでしょう。結果は半分も面白くなかった。
考えてみりゃあ、三池の撮ったシリーズ2作目でロクなもんがない。マシだったのは「クローズ」くらいなもんです。
前作もそうだったけど、妖怪ってもんを本気で突きつめてやろうなんて気は更々ないわけです。だって子供が主役のお子様向け映画で過激なことなど出来ません。なら遊んでやれっていう開き直りが前回は奇跡的にハマった。
本来1本どっこの妖怪たちが、共通の敵が現れて仕方なく共闘する。そのあーでもないこーでもないの何やってんだトホホなコラボが楽しい…はずなのだが、今回あきらかに駒不足ですわ。大森南朋も安藤サクラも好きな役者だが受けを旨とする人たちですから。阿部サダヲと竹中直人が自走して飛び道具の岡村や清志郎が巻き込まれた前作の濃厚な場の空気は再現されようもなかった。
太古の化石の怨念が集積した巨大な妖怪獣というのは「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるらしい。であるなら大魔神なんかより鬼太郎出したらんかい。ていうか大魔神も鬼太郎も出して更に禰豆子背負った炭治郎も出したったら良かってん。
それくらいの構造ぶち壊す破壊のパワーが嘗ての三池にはあったのにと思いました。
前作にあった妖怪たちによる遊び半分宴の空気は牽引役者不在で半値八掛け二割引きとなり、となれば大人がマジで対する代物でもない。古代化石の怨念ゴロゴロの水木世界なら大映遺産の魔神より鬼太郎がしっくりくる。佳境では三池の冗長悪癖が炸裂。(cinemascape)