男の痰壺

映画の感想中心です

シンギュラリティ わかっちゃいるけどやめられない

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1999年の7の月 空から恐怖の大王が来る。

俺が中学生のころに一大ブームになった「ノストラダムスの大予言」は、1999年が子供心にずいぶん先のことに思えたものだが。

NHKBSで「AI戦争 果てなき恐怖」の再放送を見てて、そんな半世紀前のことが思い出されるのであった。2045年に加速的に自己学習をつづけたAIは人類の知能を超える。それをシンギュラリティと言うそう。多分、そのときまで俺が生きてる確率は10%もないでしょうが。

 

番組の前篇では、今まさに起きている紛争に於ける兵器の大きな変容を取り上げる。自陣から発射された自爆ドローンは遠隔操作を離れAIによる自らの判断で敵をロックオンして急降下して自爆する。上空で何かが舞ってるなと思った瞬間に終わりなのだ。世界の軍事バランスは大国による武器保有の物量に左右されなくなりつつある。筍のように現れた新興軍事国や何らかの武装勢力により無秩序な世界の混沌が訪れる。

 

後篇で語られるシンギュラリティは、さんざんSF映画でも描かれたものを連想させる。「2001年」のHALや「ターミネーター」のスカイネットみたいなのでしょうか。制御不能になったAIが何をしでかすか。少なくとも人類にとって明るい未来じゃないような気がする。だけど、もはや自制的に流れを止めることはできない。わかっちゃいるけど止められないんです。

 

今回ばかりは恐怖の大王じゃあすまない気がするんです。